扉
脳死判定の検証から
竹内 一夫
1
1杏林大学
pp.293-294
発行日 2013年4月10日
Published Date 2013/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436101967
- 有料閲覧
- 文献概要
およそ半世紀も前になるが,1967年末にC. Barnardにより世界で初めて心臓の移植手術が行われた.その翌年,わが国でも和田教授によって心臓移植が行われた.その際に臓器の提供者(以下,ドナー)の脳死判定に疑問があり,しかも移植医サイドによる一方的な密室判定であったため,日本国内では医学界からも一般社会からも,脳死移植はしばらく遠ざかってしまった.現在では脳死下で臓器提供の場合に,「移植医はドナーの脳死判定には関与してはならない」という鉄則が世界中で守られている.
その後,紆余曲折の末,わが国でも1997年になってようやく臓器移植法が成立した.そして2012年末までに,200例を超える脳死下での臓器提供が実現した.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.