病気のはなし
慢性リンパ性白血病
磯部 泰司
1
,
髙松 泰
1
1福岡大学医学部腫瘍・血液・感染症内科学
pp.1108-1114
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530101108
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Point
●慢性リンパ性白血病(CLL)は,末梢血中にCD5陽性異常B細胞が5,000/μL以上に増加し,リンパ節腫脹・肝脾腫を認める疾患である.
●わが国では,欧米と比較してCLLの発症頻度は低いため,マントル細胞リンパ腫(MCL)や脾辺縁帯リンパ腫(SMZL)など,他のCLL類縁疾患との鑑別が問題となる.
●わが国では,免疫グロブリン重鎖遺伝子可変領域(IGHV)の体細胞超突然変異(SHM)をもつケースが多く,進行が遅いため,早期に治療介入が必要となるケースは少ない.
●CLLに対する治療は,化学免疫療法からBTK阻害薬やベネトクラクスといった分子標的薬と抗体薬の組み合わせに変わってきており,微小残存病変(MRD)消失を目指した治療が行われている.

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