FOCUS
腎移植におけるエコー評価
佐藤 裕之
1,2
1東京都立小児総合医療センター泌尿器科
2東京都立小児総合医療センター腎移植科
pp.1104-1107
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530101104
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はじめに
腎移植において,超音波検査はとても大事な検査である.移植直後においては,移植腎への血流が問題ないか,腎周囲に出血・血腫がないか,尿管が閉塞していないか,リンパ囊胞の出現がないかなどをみることにより,早期合併症のスクリーニングの評価に有用である.また,移植腎への血流速度・抵抗指数(resistance index:RI)は拒絶反応や血管の閉塞状態などを示唆することが報告されており,非侵襲的である超音波検査は,移植腎評価にはなくてはならない検査である.
また,腎移植後の患者に対する腹部超音波検査を施行する場合,移植後に最も注意すべき病態である移植後リンパ増殖性疾患(post-transplant lymphoproliferative disorders:PTLD)の早期発見のため,腸間膜,鼠径部リンパ節の腫脹がないか,小腸を中心とした腸管の肥厚性変化がないかなどの評価も重要である.
本稿では,腎移植後のレシピエントに対するエコー評価について解説する.

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