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はじめに
近年、グローバル化の進展に伴い、看護教育においても広い視点で物事を考える能力が求められている1)。特に、異なる文化的・制度的背景の中で健康課題を捉え、他者と協働しながら看護実践を構想する力は、将来の看護専門職にとって不可欠な資質である。そのような力を育成するための教育手法として、国境を越えた協働学習の導入が注目されている2)。
上智大学では、教育学科および看護学科の学部生・大学院生を対象に、タイ・マヒドン大学公衆衛生大学院の大学院生と共に国際オンライン協働学習(COIL:Collaborative Online International Learning, 以下COIL)を実施した。COILとは、異なる国や文化的背景にある複数の高等教育機関をつなぎ、それぞれの授業を連携させる取り組みである3,4)。この教育への新しいアプローチは、物理的に離れた地域にいる学生と教員をウェブサイトやSkype、eメールなどのオンラインコミュニケーションツールでつなぎ、異文化間でのディスカッションや協働的なプロジェクトを通して、それぞれのユニークな文化的観点を交換しながら共通の内容を学習することにより、グローバルな意識や理解を高め、協働的な知識の創造や、より相対的な視点からの内省的な学習を促すことがその目標とされている4)。
さらに、単に国際的な学生同士がオンライン空間で交流することにとどまらず、文化の異なる教員が協働でプログラムやシラバスを設計し、対等な立場でチームティーチングを行うことを重視している。また、学生にとっては、体験的かつ協働的な学びが中核に据えられている点に大きな特徴がある。
本報告では、こうしたCOILの実践の概要と実施過程、参加学生にみられた学びの特徴、今後の課題を整理し、その教育的意義について考察する。

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