連載 世界を見て,日本を見る.Public Health Opinion・3
タイの公衆衛生学教育と大学改革に学ぶこと―タイ国立マヒドン大学
市川 政雄
1
1東京大学大学院医学系研究科国際地域保健学教室
pp.242-244
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100555
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マヒドン大学における公衆衛生学教育
マヒドン大学(Mahidol大学の発音に注意!)は,1889年に創立されたタイ初の医学教育機関・シリラート病院医学校を前身とする国立大学である.1969年,医学教育に尽力した当時の国王マヒドン王(現国王・プミポン王の父)の名にちなんでマヒドン大学と称されるようになり,その後14学部を有する総合大学となった.公衆衛生学教育を行う公衆衛生学部(Faculty of Public Health)は1948年に設立された1).
表1は,公衆衛生学部を構成する13教室(Department)を示したものである.公衆衛生学部ではそれらの教室を通じて,学位プログラムとディプロマ・プログラム計44コースが開講されている2).取得できる学位には,学士・修士レベルのScience Degree(BSc/MSc)と,学士から博士レベルまであるPublic Health Degree(BPH/MPH/DrPH)の2種類がある.修士課程の約半数のコースと博士課程の全コースは,インターナショナル・プログラムとして開講されており,講義・研究指導は英語で行われている.
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