特集 —課題をとらえ、新たな教育を自らつくるために—カリキュラム評価・開発のヒント
なぜ、カリキュラム評価が必要なのか
池西 靜江
1,2
1Office Kyo-Shien
2鹿児島医療技術専門学校
pp.640-644
発行日 2025年12月25日
Published Date 2025/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.004718950660060640
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はじめに
保健師助産師看護師学校養成所指定規則(以下、指定規則)第5次改正を受けて、新カリキュラムを編成し、教育した学生が、3年課程の場合はこの3月社会に巣立っていきました。第5次改正では多くの学校・養成所で臨床判断能力、多職種協働能力、多様な場で活躍する能力、ICT活用能力の育成を掲げて、カリキュラムを編成されたことと思います。
果たして、卒業生はそれらの能力(基礎的能力)を獲得して卒業したでしょうか。意図して計画・実施したことの結果(学生が身につけた能力)を評価して、さらにより効果的な教育を目指して改善点を明確にするのが、カリキュラム評価の目的とするところです。
筆者は、現在、鹿児島医療技術専門学校に身を置きながら、全国各地で講演活動を行っています。その中で、昨年からカリキュラム評価をテーマにした講演依頼が増えてきました。その意味では各校、カリキュラム評価が必要という認識はあると推察します。ですが、参加者の話を聞くと、何からどう手をつけてよいか分からず、まだ、取りかかれていないという声が聞こえてきました。
そこで、なぜ、カリキュラム評価が必要なのか、何からどのように取り組めばよいのかについて、実践につなげることを意識しながら、その考えを整理してみたいと思います。

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