特集2 地域医療の未来をつなぐ サテライト教室の役割と実践
八戸学院大学むつ下北キャンパスの取り組み—青森県下北圏域における看護師不足解消を目指して
木村 緑
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1八戸学院大学健康医療学部看護学科 むつ下北キャンパス
pp.476-481
発行日 2025年8月25日
Published Date 2025/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.004718950660040476
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「八戸学院大学むつ下北キャンパス」開設の経緯
八戸学院大学健康医療学部看護学科(以下、本学)と青森県むつ市は、下北地域における看護師不足解消のため提携し、2025年4月、看護師養成に特化した八戸学院大学むつ下北キャンパス(以下、本キャンパス)を青森県むつ市内に開設した[図1、写真1]。本キャンパスは看護師・保健師国家試験受験資格取得を目指す学生を受け入れ、下北地域の保健医療活動、健康増進に看護の実践者として貢献できる人材を育成することを目的としている。
開設に至った背景には、青森県の人口減少および看護師確保の問題がある。国立社会保障・人口問題研究所によると、青森県の総人口は、2020年の1,238千人から減少の一途をたどり、2045年には833千人と推計されている1)。また、全国よりも速く高齢化が進行しており、2045年には高齢化率が46.8%と推計されており、全国で2番目に高い水準となることが予測されている2)。このような急激な環境変化に対応するためには、その地域にふさわしい、バランスの取れた医療・介護サービスの提供体制の構築と、その担い手である看護師の確保が必要となってくる。

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