実践報告
災害看護教育における「学生メディカルラリー演習」への取り組み
溝口 幸枝
1
,
次橋 幸男
2
,
石本 真治
2
,
南田 哲平
3
,
鵜飼 悟
2
,
梶谷 薫
1
1天理大学医療学部看護学科
2天理よろづ相談所病院
3奈良県立医科大学附属病院
pp.366-370
発行日 2025年6月25日
Published Date 2025/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.004718950660030366
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
災害看護の変遷
1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災を機に、1998年には日本災害看護学会が設立された。看護基礎教育においては、2009年度の第4次改正カリキュラムで統合分野が新設され、災害看護の教育が追加された。阪神・淡路大震災の経験から、多くの看護職者が救護班として被災病院、避難所、応急仮設住宅で被災者の支援にあたり、急性期のみならず中長期に及ぶ災害看護の経験を広く共有し、教育に生かす必要性が生じた。
「看護基礎教育における災害看護教育の実態調査(Webシラバス調査)」では、日本看護系大学評議会会員校277校のうち「災害看護学」を科目設置しているのは166校、単位数は1単位、対象学生は4年生が多くを占めていたことや、必修科目としての設置は30%に留まっていたことが報告されている1)。また、災害看護に関わる経験を有している教員の確保が難しいことや、体験学習となるような演習内容の検討や活動経験のある専門家への依頼の必要性があることも示されている1-3)。

Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.