実践報告
与薬の授業での注射モデルの活用―注射モデルの作り方と演習法
梶谷 薫
1
1田北看護専門学校
pp.1093-1097
発行日 2007年12月25日
Published Date 2007/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100831
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注射モデル作成のきっかけ
与薬(注射)の授業を担当することになったとき,授業をどう組み立てようかと考え,今までの授業を思い出してみた。
教材のイメージ:高額な教材は数台ある。しかし,鍵のかかった棚にしまわれ,学生が使うときもいろいろな制約がある。「教員の許可のもと,ていねいに,壊さずに,何度も針を刺さない」など,学生は自由に使えず,数も少ない。
授業・実習の進め方:学生は初めての物品に興味を抱きつつも,学内実習のときしか使えない物品に恐怖,不安を持ち,学内実習どころではない雰囲気だった。教員も学生も注射のテクニックにこだわり,またそれを望んでいるような気がした。
このような授業のイメージがあったので,教材は学生が自由に使えて,一人ひとりに提供できるものが望ましいと考えた。興味がなくなるまで触らせること,教材に慣れること。慣れることは,技術力を高めることにもつながる。構造を自分で確かめると,安全・危険を理解しやすい。そこで,スポンジを利用することを思いつき,“注射モデル”を学生に作らせ,それを教材として使うことにした。
本稿では,ここで使用した安価で手軽な注射モデルの作り方,それを使った演習の方法を紹介したい。
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