特集 シン・教務主任 これからの学校管理者に求められること
―教務主任養成講習会の講師・指導協力員を務める立場から②―学生も管理者も、その力を自由に発揮するために
水澤 晴代
1
1相模原看護専門学校
pp.150-153
発行日 2025年4月25日
Published Date 2025/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.004718950660020150
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はじめに
少子超高齢化が一層進む中で、さまざまな対象に看護を提供する看護職員の就業場所は、医療機関に限らず在宅、福祉・介護施設などへ拡大しており、対象の多様性・複雑性に対応できる看護師の養成が求められている。このような中で、看護基礎教育の充実に大きな影響を与える看護教員の育成は大きな課題となっている。
看護師養成校は、それぞれの教育理念の下で看護師の養成を目指して、ヒト・モノ・カネ・情報などのマネジメントをしながら教育課程を運営している。その学校運営の要となるのが教務主任である。そして、教務主任の役割を確実に担う力をつける上で、教務主任養成講習会への参加の意義は高いが、看護教員の人員不足や業務過多の影響のために、教務主任の役割を担う者が講習会参加に苦慮する現状がある。
具体的には日本看護学校協議会(以下、協議会)の2024年度の実態調査1)によれば、2023年度、教務主任の役割を担う者が教務主任養成講習会あるいはそれに準じる必要な研修を受講できていない割合は全体の56.6%(197課程)である。2022年度調査の56.2%(213課程)と比較しても改善は確認できない状況である。
将来の見通しがより不透明になっている現在だからこそ、みなの知恵を集めて組織をより良くしていくために講習会の役割は大きい。そこで本稿では、教務主任養成講習会の講師を経験した立場から、教務主任養成講習会の意義について述べたい。
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