特集 アクションに繋げる能動的心電図読影—プライマリ・ケア医のための実践知
特集にあたって
佐藤 宏行
1
1東北大学病院 循環器内科
pp.1308-1309
発行日 2025年8月10日
Published Date 2025/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990620091308
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「人生100年」の体現を目指す本邦において,「悪性疾患」の次点の死因に「循環器疾患」がある.この背景には高血圧症,脂質異常症,糖尿病,慢性腎臓病,動脈硬化性疾患,肥満があり,その先に虚血性心疾患,心房細動,弁膜症などが位置しているわけだが,これらはまさに2025年3月に8年ぶりに改訂された『心不全診療ガイドライン』におけるステージA(心不全リスク)やステージB(前心不全)に位置する疾患群である.そして,ステージC(症候性心不全)以降の進行や,ステージBでも起きうる心臓突然死をいかに予知し予防・介入していくかが健康寿命延伸の“鍵”となる.私たち医療者はこの“心血管連続体(cardiovascular continuum)=循環器の病みの軌跡”を意識して,循環器病の予防や進展防止に努めていくことが,理想の長寿国・日本の未来を築く一助になると考える.

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