特集 人とまちの健康のために—ドイツ「多世代の家」に見る居合わせのかたち
扉
西村 ユミ
1
,
山田 あすか
2
1東京都立大学大学院人間健康科学研究科
2東京電機大学未来科学部建築学科
pp.328-329
発行日 2025年8月15日
Published Date 2025/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002283700580040328
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本特集は,地域の中で多世代間の交流を促す機能をもつドイツの「多世代の家」(Merhgenerationenhaus:以下MGH)の視察調査によって把握した,MGHの多様な取り組みやそれを支える市民社会のあり方,看護・介護や建築の専門家がそれぞれの視点を交えることで得た論点を紹介することで,学際的なケア研究の展開につながるのではないか,と考えて企画された。
特集執筆者は,国内外のいわゆる「地域の居場所」—企画者の1人である山田はこの場所を「共在の場」と呼ぶ—の調査を続け,多様な論点から建築や場所・コミュニティの新たなあり方を提案してきた。その提案は,健康的なまちと人の関係をめざし,インクルーシブな社会の実現に向かっている。地域の居場所は,ケアしケアされる場所であり,地域をつなぎケアする社会へと向かうための足場として議論されている。

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