焦点 現象学的研究における「方法」を問う
扉
西村 ユミ
1
1大阪大学コミュニケーションデザイン・センター
pp.4
発行日 2011年2月15日
Published Date 2011/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100485
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患者やその家族の経験を当事者の視点から探求し,相手の立場に立った看護実践の手がかりにしたい。看護師の経験や実践がどのように行なわれているのかを記述して,看護の知恵や技能を明らかにしたい。その際,経験の成り立ち方(現われ)を探求したいのだから,「現象学的研究」が適切だと考えた。だけれども,具体的にどのように進めてよいかわからない……。
このような悩みをしばしば耳にしてきました。研究の動機を尋ねてみると,どの人も,自らの見方,あるいは既存の医療実践における患者理解の仕方や実践の枠組みの捉え直しを求める貴重な「問い」を抱いています。が,そこに内包されている問題の構造や探求の切り口が見えていなかったり,「現象学的」であることに従おうとするあまり,立ち往生してしまっているように思われます。
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