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Rinsho Hifuka Volume 79, Issue 3 （March 2025）

臨床皮膚科 79巻3号（2025年3月発行）

Japanese English

症例報告

SARS-CoV-2感染を契機に尋常性乾癬が膿疱化した1例 A case of generalized pustular psoriasis triggered by SARS-CoV-2 infection with preceding psoriasis vulgaris 澤崎百合香 ¹ , 野田達宏 ² , 有沢友希 ³ , 武市拓也 ² , 柴田章貴 ¹ Yurika SAWASAKI ¹ , Tatsuhiro NODA ² , Yuki ARISAWA ³ , Takuya TAKEICHI ² , Akitaka SHIBATA ¹ ¹岐阜県立多治見病院皮膚科 ²名古屋大学大学院医学系研究科皮膚科学 ³小牧市民病院皮膚科 ¹Division of Dermatology, Gifu Prefectural Tajimi Hospital, Tajimi, Japan ²Department of Dermatology, Nagoya University Graduate School of Medicine, Nagoya, Japan ³Division of Dermatology, Komaki City Hospital, Komaki, Japan キーワード：膿疱性乾癬 , SARS-CoV-2 , ビメキズマブ Keyword: 膿疱性乾癬 , SARS-CoV-2 , ビメキズマブ pp.205-210

発行日 2025年3月1日 Published Date 2025/3/1

DOI https://doi.org/10.11477/mf.002149730790030205

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要約　58歳，男性．34歳時に尋常性乾癬を発症した．外用のみで症状安定していたが，初診日の数日前から38 ℃台の発熱があり，その後全身の紅斑が出現したため前医を受診し，SARS-CoV-2(新型コロナウイルス）検査陽性であり当院を紹介された．SARS-CoV-2感染を契機とした尋常性乾癬の膿疱化と考え，SARS-CoV-2感染に対しレムデシビルで治療するとともに両者に対し中等量ステロイド内服としたところ，解熱し皮疹は速やかに軽快した．ステロイド漸減後尋常性乾癬の皮疹が再燃したため，SARS-CoV-2ウイルス量の減少が確認された後ビメキズマブを導入した．その後皮疹は消退し再発はみられていない．SARS-CoV-2感染を契機に尋常性乾癬が膿疱化したケースでは，GPPの全身炎症の制御およびSARS-CoV-2の制御のどちらも念頭に置いて治療しなければならず，生物学的製剤の導入時期に関しては慎重に検討する必要があると考えた．