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PT・OTのための生理学テキスト
筆頭著者 安藤 啓司 (著)
文光堂
電子版ISBN
電子版発売日 2022年2月21日
ページ数 176
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-8306-4547-1
印刷版発行年月 2016年9月
書籍・雑誌概要
生理学は医療系の学校に入学して最初に学ぶ科目の一つで,医学の基礎だが,生理学で学ぶべき内容は多岐にわたるため,教科書も分厚いものが多い.そこで本書では,生理学を学び始めるときにいつも手元における,あまり厚くない教科書として,臨床の現場へ出る前に「これだけは知っておきたい」内容に絞りまとめた.本書はPT・OTはもちろん,他の医療職者を目指す方にとっても,生理学の入門書として必ず役に立つ一冊.
目次
第1章 生きているとは
はじめに
I 生体として
A.ホメオスタシス
B.調節のメカニズム
II 細胞として
A.細胞膜
B.細胞内小器官
III 人として生きる─日常生活動作(ADL)と生活の質(QOL)─
第2章 神経一般
はじめに
I 神経系の構成
II 神経の構造
III ニューロンの興奮メカニズム
A.膜電位は何によって決定されるか,保たれているか
1.細胞内外のイオン組成がアンバランスである
2.細胞膜にイオンチャネルが存在する
B.活動電位が発生するメカニズム
1.経過,現象の説明
2.刺激によって何が変化するのか
a.電位依存性Naチャネルの活性化
b.電位依存性Naチャネルの不活性化と遅延整流性Kチャネルの活性化
3.不応期
IV 神経の興奮がどのようにして遠くまで伝えられるのか?
A.伝導の仕組み─神経線維(軸索)は単純な電線ではない
B.伝導速度は何によって決まるか
C.有髄神経における跳躍伝導
D.伝導の法則
V 神経の興奮を他の神経へ伝える仕組み(シナプス伝達)
A.構 造
1.シナプス前終末
2.シナプス後膜
B.化学伝達の仕組み
1.神経伝達物質
2.シナプス伝達にはCa2+の存在が必要
3.シナプス遅延
4.伝達物質の認識,シナプス後電位の発生
5.伝達物質の除去
a.酵素による分解
b.シナプス前終末あるいはグリア細胞による再吸収
C.興奮性および抑制性シナプス後電位
1.興奮性シナプス
2.抑制性シナプス
D.化学シナプスの性質
E.シナプスの可塑性と学習
第3章 内分泌・自律神経
はじめに
I 内分泌系
A.ホルモンとは
1.ホルモンの分類
2.ホルモンの作用機序
B.視床下部─下垂体前葉系
1.成長ホルモン(GH)
2.甲状腺刺激ホルモン(TSH)
3.副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
4.性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)
5.プロラクチン(PRL)
C.下垂体中葉と後葉
1.バソプレシン(別名:抗利尿ホルモン,ADH)
2.オキシトシン
D.甲状腺と副甲状腺
1.甲状腺ホルモン
2.カルシトニンと副甲状腺ホルモン(PTH)
E.副腎皮質と髄質
1.副腎皮質ホルモン
a.糖質コルチコイド
b.電解質コルチコイド
c.副腎アンドロゲン
2.副腎髄質ホルモン
F.膵臓のランゲルハンス島
1.インスリン
2.グルカゴン
3.ソマトスタチン
G.精巣と卵巣(性ホルモン)
1.精 巣
2.卵 巣
H.その他の内分泌腺
1.松果体
2.消化管
3.脂肪組織
II 自律神経
A.自律神経とは
B.自律神経系の構成
C.自律神経調節の特徴
1.二重支配
2.拮抗支配
3.持続的活動(トーヌス)
4.反射性調節
5.器官個別的な刺激と集合的な刺激
第4章 腎臓・体液調節
はじめに
I 腎臓の構造と生理
A.腎臓の五つの主な働き
1.水分量の調節
2.電解質の調節
3.酸塩基平衡
4.廃棄物処理
5.内分泌機能
B.腎臓の構造
C.尿の産生
1.血液のろ過
a.自己調節機能
b.尿細管糸球体フィードバック機構
c.レニン分泌
2.尿細管・集合管による再吸収と分泌
a.近位尿細管
b.ヘンレのループ
c.遠位尿細管,集合管
II 体液の調節
A.浸透圧
B.電解質
1.Na +,K+
2.Ca2+
C.酸塩基平衡
III 排 尿
第5章 血液・免疫
はじめに
I 骨 髄
II 赤血球
A.性状,働き
B.産生と崩壊
III 白血球と免疫
A.性状,起源,働き
1.好中球とマクロファージによる食作用
2.リンパ球と免疫
a.リンパ球の種類
b.ヘルパーT細胞の活性化
c.細胞傷害性T細胞の活性化
d.ヘルパーT細胞によるB細胞の活性化と抗体の産生
e.抗体とは
IV 血漿,血液凝固,止血
A.血小板とは
B.血液の凝固
C.プラスミンによる血餅の溶解
第6章 呼 吸
はじめに
I 呼吸系の構造
A.気 道
B.気管支と肺
II 呼吸運動とガスの出入り
A.呼吸運動
B.サーファクタント
C.肺気量
III 血液によるガスの運搬
A.ガス交換
B.O2の運搬
C.CO2の運搬
IV 呼吸の調節
A.酸塩基平衡
B.呼吸中枢
C.化学受容器
第7章 循環・心臓
はじめに
I 循環系の構成
II 心 臓
A.構 造
B.心周期,心音
1.心房収縮期(Ic)
2.等容性収縮期(IIa)
3.駆出期(IIb)
4.等容性弛緩期(Ia)
5.心室充満期(Ib)
C.心室の特性
D.心筋細胞
1.心筋の構造,種類
2.心筋の電気的活動
a.早く立ち上がる活動電位
b.洞房結節と房室結節の細胞の活動電位
c.自律神経のペースメーカーへの作用
d.伝導速度
e.自動能
3.心筋の収縮
a.収縮メカニズム
b.長さ─張力関係
4.心筋に対する自律神経の作用
5.心電図
III 血流と血管
A.血管と血流の力学的性質
B.血管の構成と種類,働き
1.構 成
2.動 脈
3.毛細血管
4.静 脈
C.血管網における物質交換
IV 循環の調節
A.心臓の調節
1.自己調節
2.自律神経による調節
3.液性調節
B.血管の調節
1.神経性調節
2.液性調節
3.局所調節
C.血圧の調節
1.血圧の測り方
2.神経性調節
3.液性調節
a.レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系と心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)
b.カテコールアミン
c.抗利尿ホルモン(バソプレシン,ADH)
d.血圧の異常:高血圧
第8章 消化と吸収
はじめに
I 消化系の構成
II 口から食道へ
III 胃
A.胃の運動
B.胃液の分泌
C.神経とホルモンによる調節
IV 十二指腸における膵液,胆汁との混和
A.膵液の成分
B.膵液の分泌調節
C.胆汁の成分
D.胆汁の放出
V 小腸,大腸
A.糖質の吸収
B.タンパク質の吸収
C.脂肪の吸収
D.水の吸収
E.ビタミンの吸収
VI 排 便
VII 肝臓の働き
A.糖質の処理
B.アミノ酸の処理
C.脂質の処理
D.その他
第9章 代謝・エネルギー・体温
はじめに
I 三大栄養素とATP生成
A.炭水化物
B.脂 質
C.タンパク質
II 代謝量
A.基礎代謝
B.安静時エネルギー代謝
C.労作時エネルギー代謝,代謝当量(METs)
III 体 温
A.熱の出入り
B.体温調節
C.体温の異常
1.発 熱
2.高温障害と低温障害
第10章 運動機能
はじめに
I 骨格筋の構造と機能
A.筋線維の構造
B.収縮の分子機構
C.興奮収縮連関
D.神経筋接合部
E.骨格筋の循環
F.筋の増強と萎縮
II 脊髄における筋活動の制御
A.運動単位
B.筋電図
C.脊髄反射
1.伸張反射
a.筋紡錘
b.反射回路
2.自原性抑制(Ib抑制)
3.屈曲反射
4.その他の脊髄反射(歩行など)
III 大脳皮質による運動制御
A.運動野と皮質脊髄路
B.補足運動野と運動前野
IV 運動機能に関与するその他の領域
A.脳 幹
B.大脳基底核
C.小 脳
1.前庭系
2.脊髄系
3.大脳皮質系
第11章 感 覚
はじめに
I 感覚の一般的な性質
A.分 類
B.感覚器官の構成
C.感覚神経はどのようにして感覚の情報を伝えるか
1.種 類
2.場 所
3.強 さ
4.順応,情報の圧縮
5.受容野,側方抑制,対比
II 体性感覚
A.感覚受容器
1.皮膚上の機械受容器
a.分 類
b.信号変換機構
2.温度受容器
B.体性感覚の伝達経路
1.後索─毛帯路
2.脊髄視床路
3.中枢における情報処理
C.痛 覚
1.痛覚には他の感覚にはみられない特徴がある
2.痛覚の受容器と神経線維
a.Aδ線維(有髄)
b.C線維(無髄)
3.深部痛
4.内臓痛
5.関連痛
6.痛覚の中枢による調節機構
III 視 覚
A.眼の性能
1.感 度
2.空間分解能(視力)
B.眼球の構造
1.像を結ぶ仕組み
a.構 成
b.遠近調節
c.屈折異常(近視,遠視,乱視)
d.瞳孔反射
2.像をとらえる装置(網膜)
a.網膜の構造
b.光受容細胞
c.光信号を中継するニューロン群
d.順 応
C.中枢における視覚情報処理
1.視覚情報の流れ
2.視覚経路の障害による視野異常
3.視床での処理
4.皮質での処理
a.視覚野ニューロン活動の特色
b.視覚野の構造の特色
c.高次の視覚情報処理
IV 聴覚および平衡感覚
A.音とは? 耳は何を聴いているか
B.耳の構造
1.外 耳
2.中 耳
3.内 耳
C.音の変換過程
1.音のスペクトル(振動数)分解の仕組み
2.音による受容器電位発生の仕組み
a.コルチ器の構造
b.有毛細胞における受容器電位発生
D.聴覚伝導路および聴覚中枢
E.平衡感覚
1.前庭器官の構造
2.直線加速度および重力の受容
3.回転の受容
4.前庭系からの情報の利用
V 化学受容器によるにおいと味の感覚
A.味 覚
1.味覚の特徴
2.受容器と受容機構
3.中枢機構
B.嗅 覚
1.嗅覚の特徴
2.受容器と受容機構
3.中枢機構
第12章 脳機能
はじめに
I 意 識
A.広範囲調節系
1.ノルアドレナリン作動性の青斑核
2.セロトニン作動性の縫線核群
3.ドーパミン作動性の黒質と腹側被蓋野
B.意識障害
II 生体リズムと睡眠
A.脳 波
B.睡 眠
1.睡眠とは
2.睡眠段階
3.睡眠のメカニズム
C.概日リズム
III 情動,動機づけ
A.情 動
B.報酬系
C.動機づけの障害
IV 学習と記憶
A.学習の種類
1.余剰学習
2.古典的条件づけ
3.オペラント条件づけ
4.その他
a.刷り込み
b.味覚嫌悪学習
c.知覚学習
B.記 憶
1.長期記憶
a.宣言的記憶
b.手続き的記憶
2.短期記憶と作業記憶
C.長期記憶と学習のメカニズム
V 認 識
A.失 認
1.視覚失認
2.相貌失認
3.半側空間無視
B.失 行
C.失 語
1.言語生成の中枢とその障害
a.言葉の表出
b.文の生成
2.言語理解の中枢とその障害
a.音韻,単語の識別
b.意味理解
c.ウェルニッケ野とブローカ野の連絡
VI 思考・推論,知的機能
A.知 能
B.前頭葉機能
索 引