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心房細動のトータルマネジメント
治療の常識が変わる!
筆頭著者 伊藤 浩 (編)
文光堂
電子版ISBN
電子版発売日 2021年11月1日
ページ数 224
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-8306-1922-9
印刷版発行年月 2014年3月
書籍・雑誌概要
心房細動は最もありふれた不整脈である.従来,不整脈をどう治療するかに関心が向けられていたが,決して心房細動患者の生命予後は良くないことがわかってきた.昨今,新しい抗凝固薬が出され,心原性脳塞栓症を予防し,生命予後改善の基盤が整いつつある.本書では,抗不整脈薬を漫然と使うことを避け,「脈のコントロールから生命予後の改善へ」を治療姿勢とし,心房細動のトータルマネジメントのための考え方と方法をまとめる.
目次
I はじめに─心房細動診療の常識が変わった!─
II 治療の常識が変わった!
A. 抗凝固療法は必須─では具体的にどうする?─
1.心房細動による脳卒中はきわめて重篤である
2.基本は抗凝固療法,しなくてよいのはどのような症例?
Controversy:CAHDS2スコアにおける年齢の重要性
One Point Advice:アスピリンはなぜ外された?
3.凝固カスケードと抗凝固薬の作用機序をわかりやすく説明しましょう
4.直接トロンビン阻害薬のエビデンスと使い方
5.Xa阻害薬のエビデンスと使い方
One Point Advice:なぜ新規抗凝固薬では出血性合併症が少ないか
Topics:エドキサバンの心房細動に対する効果
6.新規抗凝固薬をどのように使い分けたらよいか
One Point Advice:ワルファリンから新規抗凝固薬への切り替えをどうする
7.ワルファリンが推奨される症例
One Point Advice:PT-INRコントロールの目標値1.6~2.6 vs. 2.0~3.0
8.高齢者・腎不全患者における抗凝固薬をどうするか
One Point Advice:出血性合併症が起きたときの対応
One Point Advice:手術前後の抗凝固薬の使い方
One Point Advice:薬剤溶出性ステント後の抗血小板・抗凝固療法
B. レートコントロールは心房細動治療の基礎である
1.レートコントロールはすべてのタイプの心房細動治療のベースとなる
2.基本はβ遮断薬,ジギタリス製剤とカルシウム拮抗薬についてはどうか?
One Point Advice:β遮断薬の具体的な使用法
Topics 意外と知られていないジゴキシンの欠点
One Point Advice:「アブレーション&ペーシングの適応
C. カテーテルアブレーションを有効に活用する
1.発作性心房細動では根治させることも可能になってきた
2.カテーテルアブレーションの手技を解剖とともに説明しましょう
3.慢性心房細動患者におけるカテーテルアブレーションの適応と限界
Controversy:カテーテルアブレーションのリスク
One Point Advice:カテーテルアブレーション後の再発にはどう対処する?
4.カテーテルアブレーションで心機能と生命予後は改善するか?
5.カテーテルアブレーション後の後療法─抗凝固薬と抗不整脈薬─
Controversy:カテーテルアブレーションの長期成績─心房細動は再発している─
D. 抗不整脈薬によるリズムコントロールは限定的
1.初発心房細動における薬物治療戦略
2.電気的リモデリングと抗不整脈薬の選択
3.知っておくべきチャネルブロッカーのリスク
4.アミオダロンに慣れよう
One Point Advice:抗不整脈薬の“ベからず”集─抗不整脈薬投与でしてはいけないこと─
E. 心房細動の原因を治療し予防しよう
1.降圧療法はとても重要
2.心房細動に対するω3多価不飽和脂肪酸のエビデンス
Controversy:心房細動に対するアップストリーム治療
III 知っておくべき心房細動の知識あれこれ
A. 心房細動の分類とその意義
1.初発,発作性,持続性,永続性心房細動の機序と病態の相違
2.解剖学的リモデリングと電気的リモデリング
One Point Advice:器質的心疾患患者の心房細動は孤発性と何が違う?
Topics:心房細動と自律神経
B. 心房細動の合併症は血栓だけではない
1.注意すべき心房細動の臨床症状
2.心房細動は心不全のトリガーとなる
Topics:頻脈誘発性心筋症とは?
Topics:心房細動と認知症
C. 心房細動患者にするべき検査とその意義
1.心エコー図検査では何を見るべきか
2.MDCTの役割─どのような症例に使って,何を見るか─
One Point Advice: 心房細動患者にHolter心電図検査は必要か?
3.チェックしておくべき血液検査
索引