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クイズで学ぶ画像診断「1手詰」 読影のキホンが身につく必修手筋101

クイズで学ぶ画像診断「1手詰」 読影のキホンが身につく必修手筋101
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筆頭著者 木口 貴雄 (著)

一宮西病院放射線診断科副部長

その他の著者 山路大輔 著

金芳堂

電子版ISBN

電子版発売日 2022年8月22日

ページ数 256

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-7653-1919-5

印刷版発行年月 2022年8月

DOI https://doi.org/10.50910/9784765319195

書籍・雑誌概要

画像診断コンテスト世界チャンピオン(Radiology誌Diagnosis Please7年連続受賞)と詰将棋看寿賞作家の異色の師弟コンビによる、基本的な診断の手筋を学べる詰将棋(クイズ)形式の書籍が登場。

本書は、画像診断について楽しく学ぶことができるよう、詰将棋の「1手詰」を模した、即診断可能な問題で構成。初学者向けに基本に忠実で、臨床的に診断意義の大きい症例をPart1:頭部、Part2:頸部、Part3:胸部、Part4:腹部、Part5:骨軟部と部位ごとに、100症例以上掲載しています。

また、解答ページでは「診断への一手」として、画像診断に必要な覚えておきたい手筋(ポイント)を詳しく解説。診断結果の後に、臨床→画像所見→鑑別疾患など、診断内容のフォローも記載されているので、大いに役立つこと間違いなし。

医学生、研修医・放射線専攻医を始めとする初学者はもちろん、臨床医・開業医、読影補助を担う診療放射線技師など多くの方におすすめです。

序文
“画像診断と将棋は似ている” ― 将棋観戦が趣味の私が以前からそう思っていたところに、一人の青年が当院に臨床研修医としてやってきた。彼は有名なトップレベルの詰将棋作家で、将棋と画像診断の類似性についても深く共感され、後に放射線医学の門を叩いた。本書の共著者、山路大輔先生である。

画像診断が将棋なら画像診断クイズは詰将棋である。詰将棋は読みの力を鍛えるのに良い訓練と聞く。画像診断クイズも同様で、クイズ症例となった疾患の勉強だけでなく、画像所見の考え方や病態の理解、鑑別診断の知識等、多くのことを学ぶことができる勉強法である。画像診断クイズでの勉強が好きで、普段から自己研鑽に取り入れている私であったが、ある日突然書籍のアイディアを閃いた。抜群の詰将棋作成センスを持つ山路先生に画像診断クイズの問題を作ってもらい、それを私が解説・監修するような形式とすれば、良い画像診断クイズ集が作れるのではないかと。

画像診断の本は専門医向けから初学者向けまで数多くの書籍が存在するが、クイズ形式のものは少ない。特に普段から画像診断を生業としていないが画像に関わる方(医学生・研修医・他科臨床医・放射線技師など)向けの、楽しく勉強できるようなクイズ形式の書籍はほとんどない。

本書は、初学者向けに基本に忠実で、かつ臨床的に診断意義の大きい症例を用意し、難易度を抑えクイズ要素を加えることで、詰将棋で言う「1手詰」に近いニュアンスの即診断可能な問題で構成されている。また、自信がついてきた方向けにも、付録として上級者向けチャレンジ問題を用意した。繰り返し解いていただき基本の手筋を身に付けていただければ、画像診断の基本的考えを理解していただけると思うとともに、筆者にとってこの上ない幸せである。

最後に、共著を快諾し多くの部分を執筆して下さった山路大輔先生と、編集・出版にあたり大変お世話になった金芳堂の皆様に謝意を表します。

2022年初夏
木口貴雄

“詰将棋” - これは自分の趣味の1つです。共通の趣味をきっかけとして、初期臨床研修では師匠の木口貴雄先生に懇意にしていただきました。その際、先生の高い診断力を間近で見て、憧れ、いつしか放射線科医を志すようになりました。

“画像診断と将棋は似ている” - これは先生のお考えですが、中でも強調されたのが、画像診断にはクイズ性があり、画像診断クイズを解くことが大きな勉強法である点です。これは将棋に例えれば詰将棋を解くことに相当します。将棋で勝つためには相手の玉を詰ませる必要がありますが、そのためには基本的な詰みの形・手筋を覚える必要があり、1手詰や3手詰などの短手数の詰将棋を解けるようになることが目安になります。この基本をマスターすることで、より長手数の詰将棋が解けるようになり、実戦において詰みを見つけることができるようになります。画像診断も同様で、正しい診断のためには、まずは基本的な診断の形・手筋を習得する必要があります。基本的な症例の診断ができるようになることで、さらに難症例の診断に辿り着くことができるようになります。

先生のお考えを聞いてふと思いました。「画像診断においても基本的な診断の手筋を学べる詰将棋(クイズ)形式の書籍があったら面白いのではないか」と。このアイディアをお話しすると、先生も同様のお考えを持っておられ、意気投合。瞬く間に本書の構想が浮かび上がりました。

今回、幸運にも放射線科医として駆け出しの自分が、木口先生という世界的トップレベルの画像診断医との共著の機会をいただきました。それに見合う、それ以上の内容に仕上げるべく奔走させていただきました。

本書は医学生・研修医をはじめとした初学者、画像診断は専門ではないものの日常診療で画像と関わる先生方を主な対象としておりますが、本書をきっかけに画像診断の世界に少しでも興味を持っていただければ嬉しいです。

最後になりましたが、執筆および研究会でご指導いただいております木口貴雄先生と、出版に向けて尽力していただいた金芳堂の皆様に深くお礼申し上げます。

令和4年7月
山路大輔

目次

本書の特長と使い方

Part1:頭部1
難易度:(超初級)
Case1 右麻痺・全失語・左共同偏視が出現した70歳代男性
Case2 はしごから転落して後頭部を打撲した70歳代女性
Case3 飲酒後に自転車より転倒した30歳代男性
Case4 頭部打撲後に易転倒性を来たした60歳代男性
Case5 左頸部痛、構音障害を認める40歳代男性
Case6 MRIで偶発的に小脳病変を指摘された40歳代男性

難易度:(初級)
Case7 微熱と見当識障害を呈した60歳代男性
Case8 認知機能低下を来した80歳代女性
Case9 意識障害を来した90歳代男性
Case10 頭痛を主訴とする50歳代男性
Case11 横静脈洞に病変を認めた50歳代男性
Case12 皮質下出血を認めた70歳代男性
Case13 心肺停止で緊急手術が施行された60歳代女性
Case14 意識レベル低下、左上下肢のけいれんを認める50歳代女性
Case15 浮遊感を自覚し、同じ行動を繰り返す70歳代女性
Case16 自動車で自損事故を起こした60歳代男性
Case17 頭重感を主訴とする70歳代女性

難易度:(ちょいムズ)
Case18 転倒後に意識障害が遷延する40歳代男性
Case19 次第に歩行障害を生じた60歳代男性
Case20 MRIで錐体尖部の異常を指摘された60歳代女性
Case21 持続する意識障害を主訴とする60歳代男性
Case22 突然の前額部痛を主訴とする30歳代女性
Case23 意識障害を来した50歳代女性

Part2:頸部
難易度:(超初級)
Case24 右咽頭痛を来した20歳代男性
Case25 食事中に右顎下部の腫脹・疼痛を自覚した50歳代男性

難易度:(初級)
Case26 口腔内の違和感を自覚した10歳代後半女性
Case27 20年程前から前頸部腫瘤を自覚していた70歳代女性
Case28 両肩から背部にかけた痛みを主訴とする60歳代女性
Case29 偶発的に咽頭病変を指摘された70歳代男性
Case30 半年前からの左膿性鼻漏を主訴とする60歳代男性
Case31 数年前からの頸部違和感を主訴とする70歳代女性

難易度:(ちょいムズ)
Case32 慢性硬膜下血腫術後に異常を指摘された70歳代男性
Case33 5日以上発熱が持続する6歳男児

Part3:胸部
難易度:(超初級)
Case34 胸部症状があり心電図異常を指摘された50歳代男性
Case35 偶発的に左肺腫瘤を指摘された60歳代女性
Case36 膀胱癌術前精査で肺病変を指摘された60歳代男性
Case37 肺結節の増大を認めた10歳代後半女性
Case38 夜間に呼吸困難を来たした80歳代女性
Case39 突然の呼吸苦を主訴とする80歳代女性

難易度:(初級)
Case40 胸部X線写真で異常影を指摘された60歳代男性
Case41 偶発的に肺異常影を指摘された40歳代男性
Case42 持続する咳嗽を主訴とする60歳代女性
Case43 敗血症性ショック加療中の80歳代男性
Case44 感冒様症状を機に心拡大を指摘された50歳代女性
Case45 発熱、呼吸苦、酸素化不良を来した70歳代男性
Case46 アスベスト曝露歴を有する60歳代男性
Case47 改善しない心窩部痛を主訴とする70歳代女性
Case48 偶発的に異常陰影を指摘された20歳代男性

難易度:(ちょいムズ)
Case49 胸部X線写真で右下肺野に異常影を指摘された70歳代男性
Case50 偶発的に胸部単純写真で病変を認めた40歳代女性
Case51 左鎖骨骨折を機に、偶発的にびまん性肺陰影を認めた40歳代男性
Case52 1週間前からの発熱を主訴とする30歳代男性
Case53 持続する咳嗽を主訴とする70歳代男性
Case54 夕食後に突然の胸痛を来した80歳代女性

Part4:腹部
難易度:(超初級)
Case55 左下腹部痛を来した50歳代男性
Case56 早朝に突然の腹痛を来した70歳代女性
Case57 発熱、体動困難を主訴とする70歳代女性
Case58 偶発的に肝腫瘤を指摘された70歳代女性
Case59 著明な心窩部痛を主訴とする60歳代女性
Case60 心窩部痛、背部痛を主訴とする40歳代男性
Case61 CTで偶発的に膵腫瘤を指摘された70歳代男性
Case62 発熱、右下腹部痛を主訴とする30歳代男性
Case63 腹痛、粘血便を主訴とする50歳代女性
Case64 過多月経、貧血を主訴とする40歳代女性
Case65 左卵巣腫瘤を指摘された70歳代女性

難易度:(初級)
Case66 腹部膨満感を主訴とする80歳代女性
Case67 腹痛、嘔吐を主訴とする60歳代女性
Case68 心窩部痛、黒色便を認める70歳代男性
Case69 過多月経、月経痛を主訴とする40歳代女性
Case70 肝腫瘤を指摘された70歳代女性
Case71 腹痛・頻回嘔吐を主訴とする50歳代男性
Case72 3日前から腹痛が持続する50歳代女性
Case73 腹痛、嘔気で救急搬送された10歳代後半女性
Case74 2、3日前からの心窩部痛を主訴とする70歳代女性
Case75 腹部膨満感、食欲不振を自覚する80歳代女性
Case76 肺癌術前検査で左副腎腫瘤を指摘された70歳代女性
Case77 子宮腫瘤を指摘された40歳代女性
Case78 口渇・体重減少を認める70歳代男性
Case79 発熱、右上腹部痛を主訴とする20歳代女性
Case80 偶発的に右腎腫瘤を指摘された60歳代女性
Case81 3日前からの発熱・腹痛を主訴とする20歳代女性
Case82 偶発的に副腎の異常を指摘された50歳代男性

難易度:(ちょいムズ)
Case83 突然の腹痛を来した50歳代男性
Case84 1ヶ月以上持続する微熱を主訴とする50歳代男性
Case85 2、3日前からの腹痛を主訴とする50歳代男性
Case86 腸閉塞を来した30歳代女性
Case87 発熱で受診した膵癌術後の60歳代男性
Case88 2日前から嘔気、背部痛を自覚する60歳代女性
Case89 偶発的に両腎腫瘤を指摘された60歳代女性
Case90 突然の下腹部痛を来した20歳代女性
Case91 不正性器出血、下腹部痛を主訴とする30歳代後半女性

Part5:骨軟部
難易度:(超初級)
Case92 3日前からの腰痛を主訴とする70歳代男性
Case93 偶発的に骨病変を指摘された40歳代女性

難易度:(初級)
Case94 長引く腰痛を主訴とする70歳代女性
Case95 偶発的に胸背部腫瘤を指摘された70歳代男性
Case96 転倒して背部を打撲した60歳代男性
Case97 頭痛精査で異常を指摘された30歳代女性
Case98 右膝の痛みを来した10歳代半ば女性
Case99 両側鼠径部や臀部の痛みを自覚する80歳代女性
Case100 下腹部痛、血尿を主訴とする70歳代男性

難易度:(ちょいムズ)
Case101 右足背腫脹を認めた70歳代男性

付録:上級者向けチャレンジ問題
Case102 下血により貧血を呈した60歳代女性
Case103 腹部膨満感を来し腹水貯留と腹膜肥厚を認めた70歳代男性
Case104 鼻症状の後、頭痛を呈した40歳代男性
Case105 炎症反応を伴い亜急性経過で全身に病変を形成した80歳代女性
Case106 膀胱に巨大な腫瘤がみられた50歳代男性

診断結果一覧
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