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脳卒中を診るということ

脳卒中を診るということ
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筆頭著者 秋口 一郎 (著)

康生会武田病院神経脳血管センター長

その他の著者 山本康正 著

金芳堂

電子版ISBN

電子版発売日 2021年11月29日

ページ数 282

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-7653-1888-4

印刷版発行年月 2021年11月

DOI https://doi.org/10.50910/9784765318884

書籍・雑誌概要

症候と画像、機序から見た脳卒中診療の手引書。
三大疾病のひとつ脳卒中は重要な疾患であるが、そこに含まれる脳血管の出血(脳出血)、脳血管の閉塞(脳梗塞)の初期対応が最重要である。そこで救急外来や一般外来で出会うさまざまな脳卒中を疑うような症候を手がかりに、すばやく鑑別にたどりつくための書籍。
症候によっては最初から除外できるカテゴリー、発症原因、発症部位があり、脳卒中だからとただ漠然と脳を調べても時間がかかってしまう。そこで症候別病巣と病態に直結する診療の流れを把握するのが初期対応の迅速化に有効なのである。
脳卒中の病態と病巣を示唆する症候をとっかかりにスタートする初期対応から、鑑別までの流れがわかるとともに、その流れのなかで用いられる様々な技術(CTとMRI・MRAの画像診断など)の使い方について記載することで、実際の診療の手引きになることを意図した。無駄な検査をせずに早期鑑別が可能になる。
熟練者にとっても、経験を合理的に把握する契機になるとともに、レジデントや非専門医にとっても脳卒中の全体を把握しやすくなると考えられる。

目次

総論 初診時の診察・検査と診断・治療の手引き
1 脳血管障害の五つの脳部位,五つの血管領域,五つの障害機序
2 脳卒中を疑う患者の迅速診断
3 脳卒中に絞り込む画像診断
4 脳卒中を除外する鑑別診断
5 脳卒中の障害機序別に診断と治療を進める
6 主幹動脈閉塞を中心とした急性期卒中の治療指針
各論 主訴を手掛かりに脳卒中を診る
1章 意識障害を診る;昏睡・混迷・傾眠・異常行動
1 意識障害の診察
2 病歴や問診情報による鑑別診断
3 高度な意識障害を示す脳血管障害
4 脳血管障害における傾眠,錯乱,意識変容
5 特殊な“昏睡様状態”
6 行動異常を示す脳血管障害
2章 痙攣,異常運動,運動失調を診る
1 脳卒中と高齢者てんかん
2 脳卒中とてんかん重積・非痙攣性てんかん重積
3 脳卒中後てんかんの画像所見と病態
4 脳アミロイド血管症と高齢者てんかん
5 脳卒中と異常運動(不随意運動)
6 脳卒中による運動失調
3章 麻痺・脱力を診る;片麻痺・単麻痺・対麻痺
1 運動麻痺の問診
2 運動麻痺の診察
3 運動麻痺のパターンと随伴症候
4 運動麻痺の脳部位,責任血管,卒中機序
5 運動麻痺とは異なる運動障害
6 運動麻痺があってDWI高信号がみられないとき
4章 頭痛・頚部痛を診る
1 くも膜下出血
2 可逆性脳血管攣縮症候群
3 可逆性後頭葉白質脳症
4 慢性硬膜下血腫
5 脳静脈洞血栓症
6 下垂体卒中
7 脳梗塞と片頭痛
8 椎骨動脈解離
5章 めまい・ふらつきを診る;回転性めまい,平衡障害,眼振,眼球運動障害
1 脳卒中によるめまいの問診と診察
2 めまいの随伴局所神経症候と頭痛をチェック
3 めまいのみか,蝸牛症状を伴うかをチェック
4 起立・歩行障害をチェック
5 眼位・眼球運動・眼振をチェック
6 良性発作性頭位めまい症をチェック
7 持続性知覚性姿勢誘発めまい
8 大脳病変によるめまい
9 その他のめまい
6章 しびれ・痛みを診る;感覚障害・疼痛
1 感覚障害の問診
2 感覚障害患者の診察
3 体性感覚性の機能解剖
4 脳卒中による感覚障害の実際
7章 話せない・理解できないを診る;失語・失行・失認
1 初療室や外来での評価
2 病棟での評価
3 失語類型別の脳卒中症例
4 失行・失認の分類と症例提示
8章 歩きにくい,立ち上がりにくい,転びやすいを診る;歩行障害・平衡障害・転倒
1 歩行障害の機序と病態
2 脳卒中による歩行障害
3 血管性パーキンソニズム
4 脳小血管病と高次脳歩行障害
5 Binswanger病と特発性正常圧水頭症による歩行障害
9章 喋りにくい・むせる・食べにくいを診る;構音・嚥下障害,表情筋麻痺
1 球麻痺,偽性球麻痺
2 顔面神経麻痺・表情筋麻痺
3 構音障害
4 嚥下障害
10章 急な物忘れ・意欲自発性の低下を診る;急性発症健忘・無為,血管性認知症
1 脳血管障害による急性発症健忘症候群
2 視床関連病変による急性発症健忘症候群
3 海馬関連病変その他による急性発症健忘症候群
4 血管性認知症
5 皮質下血管性認知症,Binswanger病
6 孤発性の脳アミロイド血管症関連認知障害
7 CADASIL,CARASIL,HDLS(CSF1R関連白質脳症),Fabry病,その他の血管性認知症