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余命宣告のストラテジー そのひと手間が訴訟を回避する
筆頭著者 萩原 明人 (編著)
その他の著者等 菊川 誠 金澤剛志 永田高志 岡村知直(編)
金芳堂
電子版ISBN
電子版発売日 2021年6月21日
ページ数 148
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-7653-1850-1
印刷版発行年月 2021年1月
書籍・雑誌概要
医療訴訟の統計的な分析も交え、現場の医師の実際的な取り組みから、救急・終末期における適切な医療コミュニケーションと訴訟回避の戦略を伝える。
目次
第1章 医師の説明と患者の理解
0.はじめに
1.医師の説明義務の重要性
- 1)医事訴訟の法的構成
- 2)説明義務の法理
- 3)説明義務の法理と医療過誤訴訟
- 4)まとめ
2.医師の説明義務に対する裁判所のスタンス
- 1)末期がん患者に対する病名告知について
- 2)病名の告知
- 3)代諾について 1
- 4)代諾について 2
- 5)まとめ
3.医師の説明に対する患者の理解とは何か?
- 1)パス解析による患者理解の要因
研究ノート 1
- 2)医師の説明に関する患者と医師の認識
- 3)本知見の実務上の意味合い
4.医師の患者に対する説明態様と過失責任
- 1)判例分析に基づく知見
- 2)医師の説明義務違反に関連するコミュニケーション行動
研究ノート 2
- 3)どのような場合に医師は説明義務違反になるコミュニケーション行動を取るのか?
- 4)知見の実務的な意義
5.医事紛争に関係する医師のコミュニケーション行動
- 1)Hicksonらの研究
- 2)Levinsonらの研究
- 3)Buckmanらの研究
- 4)まとめ
6.結論:より良い医療コミュニケーションや余命告知に向けての提言
第2章 余命告知、Bad News Telling、インフォームド・コンセントの理論
1.現場に役立つ臨床コミュニケーション概念モデル
- 1)医療従事者にとってのコミュニケーションとは何か
- 2)臨床コミュニケーションスキルの種類
- 3)診察をするための枠組みとなるコミュニケーションの概念モデル
- 4)方針の合意をするためのコミュニケーション技法
2.End of Life Communication 〜終末期における臨床コミュニケーション〜
- 1)終末期とは
- 2)終末期における心肺蘇生とDNAR
- 3)Advance Care Planning
- 4)現場が抱える終末期医療の問題
3.悪い知らせをいかに伝えるのか~2つの概念モデル紹介~
- 1)SPIKES プロトコール
- 2)SHARE概念モデル
- 3)SPIKESとSHAREの違い
4.臨床コミュニケーション教育
- 1)臨床コミュニケーション教育のこれまでと現在
- 2)シミュレーション教育の需要の高まり
- 3)ビデオレビュー
第3章 救急医療における余命告知とBad News Telling
1.救急医療の課題と高齢化社会
- 1)コミュニケーション
- 2)救急医療におけるBad News Telling
- 3)高齢者救急
- 4)コミュニケーション教育の必要性
2.救急における余命告知
- 1)救急における余命(死亡の)告知
- 2)医師のスキルとしてのコミュニケーション
- 3)救急室における死の宣言PRQST法
- 4)GRIEV_ING法
- 5)Buckmanの6段階法
3.余命告知に関する成功事例、新たな取り組みに関する紹介
- 1)危機管理におけるリスクコミュニケーション とクライシスコミュニケーションのあり方
- 2)救急医療の現場におけるさまざまな取り組みや事例の紹介
- 3)高齢者医療
- 4)終末期医療
- 5)困難な事案 虐待児の対応をめぐって
- 6)術後合併症
- 7)最後に
第4章 終末期医療における余命告知とBad News Telling
1.そもそも「終末期医療」でどんな時にトラブルが起こるのか?
- 1)終末期の定義を考える
- 2)本人、家族が終末期と認識していない場合
- 3)医療者が終末期と思っていない時
- 4)予期せぬ急変
- 5)家族が本人への告知を拒む時
- 6)医療者の想像を超えて生存した場合
- 7)良い「終末期医療」とは?
2.終末期における「Bad News Telling」はなぜ難しいのか?
- 1)Bad Newsとは何か?
- 2)医療者要因
- 3)患者側の要因
- 4)社会的要因
3.終末期の余命予測は当たるのか?
- 1)そもそも当たらない余命予測
- 2)Illness Trajectory ~ガン編~
- 3)Illness Trajectory ~非ガン編~
- 4)余命予測のためのツール
4.余命予測は、伝えるべきか
- 1)余命告知は誰のため?
- 2)余命告知の有無、を論点としないコミュニケーション
- 3)余命告知の実際