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明快解説
医師のための法律と訴訟
筆頭著者 寺野 彰(著者) 竹田 真 (編集協力)
メジカルビュー社
電子版ISBN
電子版発売日 2022年11月2日
ページ数 264
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-7583-0046-9
印刷版発行年月 2014年4月
書籍・雑誌概要
医療と法律には密接な関係がある。それにもかかわらず医師は,大学医学部において医療に関する法律や医療訴訟について学ぶ機会が少ない。昨今の医師は常に医療訴訟の恐怖にさらされているといっても過言ではないが,日常診療に忙しい医師は法律については素人であり,いざというときの備えがないままということが多い。
本書は医師であり弁護士でもある著者がわかりやすく解説した,医療訴訟についてのテキストブックであり,医師が医療訴訟に対峙しなくてはならないときでも慌てないようにするための一冊となっている。
目次
第1章 医事訴訟の基本
医療関連訴訟の現状
医療訴訟の事件数推移/審理期間の長期化/判決か和解か/上訴率/鑑定率/診療科目による事件数/医事関係訴訟(民事)長期化に対する施策/刑事事件
医療裁判の基本
三審制の構造/医療事故と裁判/民事事件と刑事事件/実体法と手続法/民事訴訟と刑事訴訟の相違/証拠の扱い/民事と刑事の結論の差異/司法の三本柱
医療訴訟における民事訴訟手続
民事訴訟の流れ/口頭弁論/訴状/当事者主義/処分権主義/弁論主義/証拠の意義/争点・証拠整理手続き/証拠調べの流れ/専門委員制度(民訴法92条の2-7)/自由心証主義(民訴法247条)/判決(民訴法253条)/既判力/裁判上の和解/民事調停
医療訴訟における刑事訴訟手続
刑事訴訟法の理念/刑事訴訟手続の流れ/捜査/公訴提起/公判/証拠調べ/最終弁論/刑罰/上訴
医療における行政処分
行政処分の流れ/「医師および歯科医師に対する行政処分の考え方」
医療事故と過失
刑事訴訟における過失の考え方/予見可能性および結果回避義務/業務上過失/民事上の責任/民事上の注意義務違反(過失)
医療水準
医療水準とは?/医療水準の判断過程/転医義務と医療機関の責任/確立された医療水準の概念/医療慣行と医療水準/医療従事者の研鑽・努力/医療水準が適用される具体的場面/医療水準の空洞化
医療訴訟における因果関係
因果関係の意義/法的因果関係と医学的因果関係/判例にみる法的因果関係/刑法上の因果関係/予想外の事情の介入
医療訴訟における損害賠償
損害の考え方/積極損害/消極損害/過失相殺/患者の素因などによる減額/損害賠償の算定基準/慰謝料/医療訴訟の慰謝料/医療訴訟の慰謝料算定
医療民事訴訟の証拠調べ
従来の医療訴訟/医療訴訟の迅速化/医療訴訟における証拠調べの現状/争点整理
診療録の意義
診療録と作成目的/医療訴訟における診療録の意義/書証としての診療録/診療録の改ざん/診療録作成上の注意/電子カルテへの移行
証拠保全
証拠収集の過程/調査方法/証拠保全の事由と疎明/証拠保全の方法と対象
第2章 判例を中心として
説明義務 1.インフォームドコンセント、自己決定権
説明義務(インフォームドコンセント)、自己決定権/ICをめぐる判例/説明・同意取得義務者/説明・同意の相手方
説明義務 2.説明義務違反
説明義務違反
説明義務 3.患者の自己決定権と医師の裁量権
医師の裁量/医師の裁量の範囲/病名告知
転医義務
法的根拠/転医義務の内容/転医義務の判断基準/転医義務の履行時期
相当程度の可能性—因果関係の考え方—
因果関係論/因果関係が立証できないときの法理論/「相当程度の可能性」理論/「相当程度の可能性」理論の問題点
鑑定の意義
鑑定とは/鑑定の問題点
試行的医療
試行的医療(実験的医療)/試行的医療の特性/試行的医療の問題点
診療ガイドラインの法的意義
診療ガイドラインとは/診療ガイドラインの問題点/訴訟におけるガイドラインの位置づけ/おわりに
院内感染症と訴訟
院内感染症と訴訟の現在/院内感染症の法的問題点/訴訟となる院内感染症
チーム医療と訴訟
過失の競合
応召義務と救急医療
応召義務/「正当な事由」/救急医療
福島県立大野病院事件と医事刑法
わが国独特の「医療事故の刑事化」/本事件から学ぶこと/医療安全体制の問題点
memorandum
医療従事者・医療機関の責任
検察審査会
略式手続
医師法(抜粋)
医道審議会医道分科会
許された危険と信頼の原則
医療集中部
診療録の証拠価値
患者作成の日記、メモ等の証拠価値
診療録の保存義務
医療ADR
カンファレンス鑑定
ヘルシンキ宣言
ICH
モンスターペイシェント