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かかりつけ医で診るアトピー性皮膚炎

かかりつけ医で診るアトピー性皮膚炎
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筆頭著者 宮地 良樹 (編)

京都大学皮膚科名誉教授/静岡社会健康医学大学院大学学長

その他の著者等 本田哲也,武岡伸太郎

診断と治療社

電子版ISBN 978-4-7878-8156-4

電子版発売日 2024年6月12日

ページ数 136

判型 A5

印刷版ISBN 978-4-7878-2645-9

印刷版発行年月 2024年6月

DOI https://doi.org/10.34433/9784787881564

書籍・雑誌概要

2018年のデュピルマブの発売以降,アトピー性皮膚炎の新薬は次々とでています.しかし,開業医で新薬による治療を行っているところは少数のままです.
本書は宮地良樹医師を聞き手,大学皮膚科医である本田哲也医師,地域で開業している武岡伸太郎医師を話し手とした対談から原稿を作成.第I部はアトピー性皮膚炎の病態論など,第II部は「かかりつけ医」で実際に行っているアトピー性皮膚炎治療,新薬の使い方などを解説しました.

目次

序文
執筆者一覧
本書の特徴

第Ⅰ部 潮目を迎えた アトピー性皮膚炎診療

1 アトピー性皮膚炎の病態論はどう変わったのか?
  1)三位一体論:ドライスキン・かゆみ・アレルギー炎症
  2)アトピー性皮膚炎病態のコアとなるType2炎症とは?(Th2/Tc2細胞,2型自然リンパ球)
    (1)言葉の由来
    (2)なぜType2炎症は起こるのか:三位一体論で考える
    (3)アトピー性皮膚炎と接触皮膚炎との違い
    (4)アトピー性皮膚炎におけるドライスキンの重要性
  3)デュピルマブによるトップダウンの病態論ブレイクスルー─各種生物学的製剤の治験結果から明解となった病態の理解
  4)なぜ難治化するのか?
    (1)tissue resident memory T細胞の存在
    (2)エピジェネティクスの変化
    (3)難治化・再発予防の治療ストラテジー
  5)アレルギーマーチをどう考える?
    (1)三位一体論から考えるアレルギーマーチ
    (2)動物実験と経皮感作
2 アトピー性皮膚炎の評価方法はどう変わったのか?
    1)重症度と病勢の評価(評価スコア,バイオマーカー)
    (1)評価スコア:EASIスコアとSCORADスコア
    (2)バイオマーカー:TARCを中心に
    2)患者自身による病勢の評価(ADCTスコア,POEMスコア)
    (1)ADCTスコア
    (2)POEMスコア
    3)QOLの評価(DLQI,Skindex29,Skindex16)
    (1)DLQI
    (2)Skindex29
    (3)Skindex16
    4)かゆみの評価法(VAS,WI-NRS,デジタルツール)
    (1)VAS(Visual Analog Scale)
    (2)WI-NRS(worst Itch-numerical rating scale)
    (3)デジタルツール
    5)プロアクティブ療法の意義は?
    6)どういうときに全身療法が必要となるのか?
3 アトピー性皮膚炎の治療はどう変わったのか?
    1)外用療法・スキンケアは今も重要か?
    2)従来の治療の問題点は何だったのか?
    (1)抗ヒスタミン薬
    (2)ステロイド外用薬
    (3)タクロリムス外用薬
    (4)シクロスポリン
  3)新規治療薬は何が違うのか? その位置づけ・使い分けは?
    (1)抗IL-4/13受容体抗体デュピルマブ
    (2)抗IL-31受容体抗体ネモリズマブ
    (3)経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬(外用・内服)
    (4)ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬「ジファミラスト」
4 今後のアトピー性皮膚炎治療の動向と展望は?
  1)デュピルマブに続く生物学的薬剤
  2)今や標準薬となったデュピルマブを超える新薬剤は出現するか?

第Ⅱ部 かかりつけ医で診るアトピー性皮膚炎治療

1 新しい病態論によりかかりつけ医のアトピー性皮膚炎診療はどう変わったか?
  1)旧来の治療と新規治療の二極化は進んだか?
  2)新規治療に踏み切れない理由は何か?
    (1)医師たちの事情
    (2)筆者の変遷で考える:大学病院勤務から地元のクリニックへ
    (3)地域格差の問題
2 かかりつけ医はどこまで新規治療薬による介入を行うべきか?
  1)皮膚科専門医と非専門医のすみわけ
    (1)アトピー性皮膚炎診断における皮膚科専門医と非専門医との違い
    (2)アトピー性皮膚炎との鑑別が難しい疾患
  ◆本音deトーク 宮地良樹のコラム① ガイドラインに「皮膚科専門医」と一筆入らなかった訳は……
  ◆武岡伸太郎のコラム① 当院のモットー「患者家族との信頼関係は,初診の1回で築く」
  ◆武岡伸太郎のコラム② かかりつけ医の業務実態調査(2016年度)
  ◆武岡伸太郎のコラム③ アトピー性皮膚炎でのJAK阻害薬使用は乾癬分子標的薬使用承認施設である必要はなく届け出制である
  ◆武岡伸太郎のコラム④ web講演会には積極的に参加しよう
  2)注射薬と内服薬で介入の壁は異なるか?
  3)新規治療薬による成功体験は患者のモチベーションを上げるか?
    (1)患者のモチベーション
    (2)かかりつけ医のモチベーション
    (3)開業医の先輩として若い皮膚科医へ
    (4)新規治療薬を使うとかかりつけ医は
  ◆武岡伸太郎のコラム⑤ 医師としてのモチベーション:筆者の場合
  ◆武岡伸太郎のコラム⑥ 美容医療業界にキャリアチェンジするということ
  ◆本音deトーク 宮地良樹のコラム② 皮膚科医よ! 凛とせよ!
  4)クリニックにおけるメディカルスタッフの役割
    (1)医師の役割
    (2)看護師
  ◆武岡伸太郎のコラム⑦ Finger Tip Unit(1 FTU)って何?
  5)薬剤による診療点数の上昇
  ◆武岡伸太郎のコラム⑧ 皮膚科専門医のサバイバル時代がやってくる
3 アトピー性皮膚炎治療の社会的決定要因は?
  1)コスト問題をどうクリアするか? その工夫は?─患者自身の経済的負担,医療経済全体を考えたときの負担,症状改善・労働生産性向上による経済効果
    (1)患者自身の経済的負担,医療経済全体を考えたときの負担
    (2)症状改善・労働生産性向上による経済効果
  ◆本音deトーク 宮地良樹のコラム③ 医療経済で考える爪白癬の治療
  2)患者家族と医師との信頼関係をどう構築するか?
    (1)新規治療薬はいつまで使うか
    (2)デュピルマブ(デュピクセント®)とネモリズマブ(ミチーガ®),トラロキヌマブ(アドトラーザ®):皮下注射薬の第1選択はどちらか
  ◆武岡伸太郎のコラム⑨ 長期寛解維持を目指した外用療法を成功させるには
  ◆本音deトーク 宮地良樹のコラム④ 外用薬を処方しても症状が変わらないのは……
  ◆武岡伸太郎のコラム⑩ 「新時代」の今,なぜ外用療法の見直しなのか?
  ◆本音deトーク 宮地良樹のコラム⑤ アドヒアランスをよくする方法
  3)副作用にはどのように対峙するか?
  4)後方支援病院との連携は?
4 かかりつけ医による今後のアトピー性皮膚炎治療の動向と展望は?
  ◆武岡伸太郎のコラム⑪ 筆者が考えた後方支援病院との接点方法
  1)新規治療薬の今後の展望
  2)かかりつけ医の先生方へ
    (1)皮膚科専門医への紹介
    (2)デュピルマブのやめ時について
  ◆武岡伸太郎のコラム⑫ 「脱デュピクセント®」という単語がSNS「X」に登場!
  ◆本音deトーク 宮地良樹のコラム⑥ 某大学病院の某先生たちに見習う勉強の仕方

索引

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