書籍を検索します。雑誌文献を検索する際には「雑誌文献検索」を選択してください。

検索

カテゴリから選ぶ

J. of Clinical Rehabilitation 31巻6号

生活期リハビリテーションの実践

J. of Clinical Rehabilitation 31巻6号
本文を見る
  • 有料閲覧

医歯薬出版

電子版ISBN

電子版発売日 2022年6月20日

ページ数 100

判型 B5

印刷版ISSN 0918-5259

印刷版発行年月 2022年6月

書籍・雑誌概要

生活期リハビリテーションの実践
 急性期や回復期でのリハビリテーション医療は,医療保険を利用して行われ充実してきた.一方,生活期のリハビリテーション医療は,医療保険,介護保険等を利用して,主として在宅および施設で行われる.「生活期」は以前,「維持期」,「慢性期」といわれてきたが,疾病治療ではなくリハビリテーションの観点から,機能や活動・参加が変化し得ることもあり,「生活期」とよばれるようになった.急性期,回復期の期間は6カ月程度であるが,生活期の期間は圧倒的に長く,医療従事者(医師や療法士を含む)の関与量は少なくなる.
 地域包括ケアシステムにおける地域医療では,病気の治療や救命にとどまらず,安心と安全が備わった地域で生活することが目的となる.その中でリハビリテーション医療は極めて重要であり,急性期・回復期・生活期のリハビリテーション医療は段階に合わせて各々の役割を理解し,シームレスな体制作りが求められる.これまでも急性期から回復期,そして生活期のリハビリテーション治療によって,在宅復帰支援を受けた高齢者が,生活機能やQOL(quality of life)の向上・維持を目指してきた.そのために,介護予防をはじめライフステージに合わせた継続的なリハビリテーション治療(訪問リハビリテーション・通所リハビリテーション等)の提供や,地域住民も含めた総合的な支援等を実施してきた.
 今回の特集では,生活期リハビリテーションのオーバービュー,実践編として,外来リハビリテーション,通所リハビリテーション,訪問リハビリテーションについて,専門の先生方に解説をお願いした.外来・通所・訪問リハビリテーションにおいても医師の役割は重要であり,リハビリテーション処方,多職種と共同で行う評価,終了時期の判断を適切に行わなくてはならない.療養型施設には,医療・介護療養病床,介護医療院,介護老人保健施設,特別養護老人施設が存在する.療養型施設でのリハビリテーション医療の実践,効果や問題点について説明いただいた.小児の生活期リハビリテーションについての情報量は少ない.発達障害児等の外来リハビリテーション,重度障害児の訪問診療・リハビリテーションについて,専門の先生に執筆いただいた.
 今回の特集を通読すれば,生活期のリハビリテーションについてある程度の知識は得られると思う.生活期に関心をもち,生活期のリハビリテーション医療に従事するスタッフが増加することを期待する.(編集委員会)

目次

オーバービュー  川手信行
外来リハビリテーション  菅原英和
通所リハビリテーション(デイケア)の実践:医師の立場から  和田真一
訪問リハビリテーション  三崎賢治
療養型施設でのリハビリテーション  石濱裕規,白波瀬元道
小児の生活期リハビリテーション  水野美穂子
■新連載
リハビリテーション医療におけるACP―治らないかもしれない障害をもつ患者に対応する― 
1. ACP(アドバンス・ケア・プランニング)とは  三浦久幸,後藤友子
■連載
巻頭カラー  症例でつかむ!摂食嚥下リハビリテーション訓練のコツ 
8.神経筋疾患に対する頸部回旋のコツ  保田祥代,小口和代・他 
ニューカマー リハ科専門医 
  上原朋子 
回復期・生活期リハビリテーション医療に必要な内科的管理 
3. 消化器  木村知行,田中裕之 
慢性疼痛のリハビリテーション 
3. 慢性疼痛に対する認知行動療法に基づく運動促進法  田村友典,木村慎二・他 
知っておきたい神経科学のキィワード 
4. メタ可塑性(Metaplasticity)  美馬達哉 
リハビリテーションと薬剤 
12.リハビリテーションでよく処方される薬剤とその副作用:②睡眠薬  東敬一朗 
リハビリテーションスタッフがかかわるチーム医療最前線 
16.循環器疾患患者が心臓リハビリテーション継続できるために―異業種連携も含めた滋賀医科大学の取り組み―  川口民郎,安藤厚生・他 
リハスタッフが知っておくべきプレゼン(学会発表・講演)のコツ 
13.魅せるスライド:3. 講演やミニレクチャーでつかえるテクニック  前田圭介 
リハビリテーション医学・医療と私 
第2回 リハビリテーション医療の移り変わり―私の経験を通して―  吉永勝訓 

学会報告 
日本リハビリテーション連携科学学会第23回大会  清水裕子
臨床研究 
回復期退院時運動FIMの予測における機械学習と重回帰分析の予測精度比較  徳永誠,三宮克彦・他