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胃拡大内視鏡
筆頭著者 八尾 建史 (著)
日本メディカルセンター
電子版ISBN 978-4-88875-940-3
電子版発売日 2022年2月7日
ページ数 230
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-88875-219-0
印刷版発行年月 2009年5月
書籍・雑誌概要
本書が目指すのは,
(1) 論理的根拠に基づいた標準的な観察法を呈示する.
(2) 観察条件を統一して得られる診断に有用な指標(解剖学的所見)を明確にする.
(3) それらの指標を用いて,内視鏡所見を解析し,一定の診断基準に基づき病変の質的診断を行うことができる診断体系を提唱することである.
目次
第1 章 拡大内視鏡所見を解釈する原則と診断体系 / 13
1.1 拡大内視鏡所見を解釈する原則 13
1.2 VS classification system を用いる理由 13
1.3 解剖学的根拠に基づいた新しい診断体系の構築 14
第2 章 微小血管構築像をターゲットとした胃拡大内視鏡観察法 / 15
2.1 上部消化管拡大内視鏡 15
2.2 電子内視鏡システムの設定─ビデオプロセッサーのセッティングと手元操作部スイッチの割り付け 16
2.3 Black soft hood の使用 18
2.4 観察法(1):非拡大観察から拡大内視鏡観察へ 19
2.5 観察法(2):フードを使用した観察部位別アプローチ 20
2.6 浸水法water immersion technique 24
第3 章 電子内視鏡の拡大倍率と分解能 / 27
3.1 拡大倍率magnifying ratio の定義 27
3.2 最大倍率maximal magnifying ratio の定義 28
3.3 分解能(解像力)resolution の定義 28
3.4 分解能の計測・表記法 28
3.5 水平分解能と垂直分解能 29
3.6 最大分解能maximal resolution の定義 30
3.7 拡大内視鏡magnifying endoscopy の定義と倍率・分解能 30
第4 章 正常胃粘膜像の拡大内視鏡所見 / 31
4.1 胃体部gastric body mucosa 31
4.2 胃前庭部gastric antrum 34
第5 章 慢性胃炎―胃体部の拡大内視鏡観察 / 37
5.1 Yagi らの分類(2002 年) 38
5.2 Nakagawa らの分類(2003 年) 39
5.3 著者らの検討(2007 年) 39
第6 章 早期胃癌の微小血管構築像とその臨床応用 / 41
6.1 早期胃癌の微小血管構築像の特徴 41
6.2 微小血管構築像に基づく拡大内視鏡の臨床応用 44
6.3 癌と非癌の鑑別診断:限局性胃炎vs. IIb, 微小IIc の鑑別診断 45
6.4 小病変についての拡大内視鏡を用いたスクリーニング検査の際の観察法・鑑別診断法のポイント 46
6.5 スクリーニング検査における癌と非癌の鑑別診断の実際 47
6.6 早期胃癌の術前診断──癌の境界診断(白色光編) 56
6.7 拡大観察による境界診断の実際 57
第7 章 Narrow-band imaging (NBI) 併用内視鏡の原理 / 67
7.1 概 説 67
7.2 原理を理解するために必要な光学的知識 67
7.3 なぜNBI は415 nm(青色)と540 nm(緑色)の2 波長光を用いるのか? 69
7.4 なぜ,狭帯域光観察NBI なのか? 73
7.5 NBI 併用電子内視鏡システム 74
第8 章 NBI 併用胃拡大内視鏡所見の成り立ち―腺上皮において狭帯域光は解剖学的に何をどのように視覚化するか? / 75
8.1 概 説 75
8.2 光の波長による視覚化される解剖学的構造の違い 75
8.3 色の出力への割当とカラー画像の合成 78
8.4 正常胃粘膜におけるNBI 併用拡大内視鏡所見の成り立ち79
第9 章 VS classification system の提唱―NBI 併用拡大内視鏡所見を解析する原則 / 89
9.1 診断体系の提唱と原則 89
9.2 VS classification system 90
9.2.1 V, microvascular pattern(微小血管構築像) 90
9.2.2 S, microsurface pattern(表面微細構造) 90
9.2.3 Combined morphology of V and S(VS concordance) 90
第10 章 Light blue crest(LBC)と White opaque substance(WOS) / 91
10.1 Light blue crest(LBC) 91
10.2 粘膜白色不透明物質white opaque substance(WOS) 93
10.3 LBC とWOS の異同について 97
第11 章 NBI 併用拡大内視鏡の臨床効果 / 101
11.1 NBI 併用拡大内視鏡による正常胃粘膜像 101
11.1.1 胃体部・胃底部(胃体部腺粘膜) 101
11.1.2 胃前庭部(胃幽門腺粘膜) 103
11.2 早期胃癌 103
11.2.1 拡大内視鏡にNBI を併用する利点 104
11.2.2 拡大内視鏡にNBI を併用する際の注意点 105
第12 章 早期胃癌診断に用いるVS classification system / 107
12.1 VS classification の原則 107
12.2 V:Microvascular pattern(微小血管構築像) 107
12.2.1 Regular MV pattern 108
12.2.2 Irregular MV pattern 108
12.2.3 Absent MV pattern 108
12.3 S:Microsurface pattern(粘膜表面微細構造) 109
12.3.1 Regular MS pattern 109
12.3.2 Irregular MS pattern 109
12.3.3 Absent MS pattern 110
12.4 病変と背景粘膜の境界 110
12.4.1 Demarcation line(DL) 110
12.4.2 Intraepithelial microinvasion(IEMI) 110
12.5 VS concordance 111
12.6 VS classification を用いた早期胃癌の診断基準 111
12.7 診断基準に合致する癌の頻度と限界 111
12.8 VS classification を用いた早期胃癌のNBI 併用拡大内視鏡所見 112
第13 章 胃上皮性腫瘍(早期胃癌・腺腫)の肉眼型別拡大内視鏡所見の解析法とその解釈 / 119
13.1 表面陥凹(0 IIc)型 120
13.2 表面平坦(0 IIb)型 145
13.3 表面隆起(0 IIa)型 152
13.4 隆 起(0 I)型 170
13.5 特異な拡大内視鏡像を呈する症例 172
第14 章 白色光・NBI 併用胃拡大内視鏡の新しい臨床応用―難易度別Category による術前境界診断に対する臨床的有用性と限界,臨床的対応 / 183
14.1 概 説 183
14.1.1 NBI 併用胃拡大内視鏡の臨床的有用性 183
14.1.2 IIb,微小癌の診断 183
14.1.3 難易度別category による臨床的有用性と限界,臨床的対応 183
14.1.4 臨床的ストラテジー 183
14.2 境界診断の難易度別Category を用いた術前境界診断 184
14.2.1 術前境界診断の基本 184
14.2.2 拡大観察の通常内視鏡に対する上乗せ効果と限界 185
14.3 通常内視鏡と同等例 186
Category 1.通常観察のみで癌の境界が全周性に同定可能な場合 186
14.4 拡大内視鏡有用例 187
Category 2 通常観察で癌の境界の一部が不明瞭で拡大観察で明瞭な場合 187
Category 3 通常観察で癌の境界が全周にわたり不明瞭であり(IIb),
Category 3.1 拡大観察で全周性に境界を同定できる場合 190
Category 3.2 拡大観察でほぼ全周性に境界を同定できるが,一部が,拡大観察でも同定できない場合 191
Category 4 通常観察で存在診断すら不可能で,拡大観察では存在診断から境界診断まで可能な場合 197
Category 4.1 通常観察で境界明瞭と診断したが,拡大観察で随伴IIb を認める場合 197
Category 4.2 主病変の近傍に,副病変が存在する場合 203
Category 4.3 通常観察で癌の境界はおろか,存在すら不明な場合(occult cancer) 206
14.5 拡大内視鏡限界例 213
Category 5.1 通常観察で存在診断は不可能で,拡大観察では存在診断・質的診断は可能であるが,境界診断が不可能な場合 213
Category 5.2 通常観察で存在診断はできるが,質的診断・境界診断が通常観察でも拡大観察でも不可能な場合(未分化型癌) 219
14.6 早期胃癌の境界診断における拡大内視鏡の位置付けと臨床的対応 223