書籍を検索します。雑誌文献を検索する際には「雑誌文献検索」を選択してください。

検索

カテゴリから選ぶ

PT・OT・STのための現場のギモンQ&A 77

PT・OT・STのための現場のギモンQ&A 77
本文を見る
  • 有料閲覧

筆頭著者 森田 秋子、後藤 伸介、坂田 祥子、宮田 昌司 (編著)

三輪書店

電子版ISBN

電子版発売日 2023年6月5日

ページ数 175

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-89590-780-4

印刷版発行年月 2023年5月

DOI https://doi.org/10.18937/9784895907804

書籍・雑誌概要

誰しも一度は思ったことがある「現場ならではの疑問」
回復期/生活期リハの勘所をQ&A形式で解説します!

理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)は、それぞれに専門性をもつ職種です。しかし、リハビリテーションという大きな括りで捉えることも多い患者さん利用者さんという受け手からすると、実臨床では、各療法で明確な専門性はありながらも、オーバーラップすることはあるでしょう。
そのような実臨床においては、誰しも一度は思ったことがあるといった「現場ならではの疑問」が多々あります。本書では、①回復期から生活期のリハビリテーションにおいて、②特に若い療法士が迷いやすいことがらについて、③Q&A形式で、なるべくわかりやすい答えをまとめてみました。

最も近しい関係にあるPT、OT、STの三療法士には、自職種および他職種の専門性を理解し、質の高いリハビリテーションを提供していくことが求められています。医学を土台とし、機能や活動へのアプローチのみならず、患者さん利用者さんのこれからの生活を見据えた参加へのアプローチがますます重要視されることはいうまでもないでしょう。

長期にわたるリハビリテーションの推移を考えると、すべての時期をしっかりと学び、理解する機会というのは、必ずしも多くはありません。本書でこれらの勘所を押さえ、ぜひ、患者さん利用者さんへ還元してほしい、そんな熱い思いも詰まった一冊です。

目次

はじめに
編著者一覧

Ⅰ 多職種アプローチ編
役割分担
 Q1  PTは基本動作をみる職種ですか.
 Q2  PTはなぜセルフケアをみないのですか.
 Q3  OTの専門性をうまく説明できません.
 Q4  「 作業」と「行為」は同じと考えればよいでしょうか.
 Q5  STはコミュニケーションが専門ですか,食事が専門ですか.
 Q6  高次脳機能障害はSTの専門ですか,OTの専門ですか.
 Q7  認知機能が低下している患者さんはリハビリテーションが進みません.
 Q8  看護師と療法士の専門性の違いはどこにありますか.
 Q9  回復期リハビリテーション病棟における介護福祉士の役割は何ですか.
 Q10 ソーシャルワーカーはどのようなことをする職種ですか.
 Q11 ソーシャルワーカーと,社会福祉士やケアマネジャーとの違いは何ですか. 

連携・協力
 Q12 PT・OT・STがお互いに無関心で,バラバラです.
 Q13 私はSTですが,多職種連携の仕方がわからず,個室にこもりがちです…
 Q14 生活のなかでのコミュニケーション能力を高めるためには,どんなことをすればよいでしょうか.
 Q15 早朝や夕方に患者さんのケアを担当していますが,これは療法士の仕事でしょうか.
 Q16 ADLの自立度は,誰が決めるとよいのでしょうか.
 Q17 回復期で医師に報告・相談しなければならないことは何でしょうか.
 Q18 主治医は元泌尿器科でリハビリテーションを専門としていませんが,大丈夫でしょうか.
 Q19 医師が忙しすぎて,リーダーの役割を果たせていません.
 Q20 療法士は「できるADL」,看護師は「しているADL」とよくいわれますが,どのような意味ですか.
 Q21 看護師さんは忙しくてFIMを評価してくれず,すべて療法士に任せっきりです.どのようなやり方がよいのでしょうか.
 Q22 ソーシャルワーカーとの関わり方を教えてください.

Ⅱ カンファレンス編
会議の運営
 Q23 カンファレンスはどのように進めればよいでしょうか.
 Q24 カンファレンスが議論の場にならず,各職種の報告で終わっています.
 Q25 医師の方針に意見を言うのはタブーなのでしょうか.
 Q26 目標が曖昧で,チームでの共有や見直しもできていません… 
 Q27 看護師と療法士で目標がずれてしまうことが多く,しばしば意見が対立します…
 Q28 カンファレンスで決めた目標内容が家族にうまく伝わりません…
 Q29 患者さんから「少しでも長く入院していたい」と言われます.その希望に沿うべきでしょうか.

ICFの活用
 Q30 回復期ではICIDHのほうがわかりやすいのですが,なぜICFなのでしょうか. 
 Q31 「活動」と「参加」は何が違うのでしょうか.
 Q32 「環境因子」の捉え方を教えてください. 
 Q33 家屋調査は,訪問しなくても写真と図面で十分ではないでしょうか.
 Q34 年齢・性別・生活歴などの「個人因子」は,「活動・参加」にどのように影響するのでしょうか.
 Q35 入院中は患者さんの「役割」についてどのように考えたらよいのでしょうか.
 Q36 「参加」の評価が難しく,人によって捉え方が様々です.
 Q37 「参加」はどのように支援すればいいのですか.
 Q38 ICFはリハビリテーション計画に活かせますか.
 Q39 能力の回復が見込めない重度の患者さんに対してはどうしたらよいのでしょうか.
 Q40 「したいことは何もない」と言う患者さんの目標設定に困っています…

Ⅲ 退院支援編
退院支援
 Q41 退院支援とは何をすることですか.
 Q42 退院後のリハビリテーション目標に,何をあげればよいかわかりません.
 Q43 公共交通機関の利用練習では何をみておくべきでしょうか.
 Q44 外泊評価では何をみておくべきでしょうか.
 Q45 職場訪問では何をみておくべきでしょうか.
 Q46 退院に向けた家族への関わりで大切なことは何ですか.
 Q47 退院前の家庭訪問は何をしてくるのですか.
 Q48 退院時のリハビリテーション指導とは,何をすることですか.

生活期への連携
 Q49 病院から在宅チームへの申し送りにはどんな情報が必要ですか.
 Q50 退院時のリハビリテーション計画にどのように関わるとよいでしょうか.
 Q51 退院時は,ケアマネジャーに情報提供書を渡すだけでよいでしょうか.
 Q52 退院後も機能訓練の継続が必要ですが,適当な介護事業所がみつかりません.
 Q53 ADLの回復がゴールに達していれば,生活期でのリハビリテーションは必要ないのではないでしょうか.
 Q54 退院前に行った住宅改修が失敗作だと在宅スタッフに言われてしまいますが,どうしてでしょうか.
 Q55 下肢装具の再調整や修理などのフォローアップで困っています.

Ⅳ 生活期リハビリテーション編
生活期の理解
 Q56 生活期は,維持期ともいわれますが,何か違いがあるのでしょうか.
 Q57 訪問の場面で,マナーが悪く常識がないと患者さんに言われたのですが,何が悪いのかわかりません…
 Q58 生活期では機能回復が難しいとされていますが,療法士には何ができますか.
 Q59 急性期や回復期と違って療法士の専門性が低く,自分の技術を研くことができません.
 Q60 退院後の目標設定に悩んでいます.患者さんは機能回復にばかり関心があり,自宅での「活動・参加」に目を向けてくれません.

回復期との連携
 Q61 入院リハビリテーションでADLを回復させきってから生活期につなげたほうがよいのでしょうか.
 Q62 回復期リハビリテーション病棟のスタッフが退院後も継続して関わる場合の注意点はありますか.
 Q63 自宅に退院した直後はどんなことが課題になることが多いのでしょうか.
 Q64 入院部門と在宅部門のスタッフが互いに批判し合ってばかりです.
 Q65 初めて連携する介護事業所に患者さんを紹介するときの注意点はありますか.

生活期のアプローチ
 Q66 在宅では入院中のように集中的な介入ができず,効果的なアプローチは難しいと思います.
 Q67 患者さんのリスク管理は入院と在宅で違いがありますか.
 Q68 PT・OT・STの方針とケアマネジャーの方針が違うのですが,どうしたらいいのでしょうか…
 Q69 サービス担当者会議に初めて出席します.何を話したらよいのでしょうか.
 Q70 在宅リハビリテーションでは関わる職種や事業所が多く,連携に苦労しています…
 Q71 プライバシー保護のため,患者さんの私生活のことは聞かないほうがよいのではないでしょうか.
 Q72 自分の意思を十分に表出できない人に対して,どのように支援していけばよいのでしょうか.
 Q73 患者さんの思いが尊重されず,家族の意向だけでリハビリテーションが進んでいきそうです.どうしたらよいでしょうか.
 Q74 通所リハビリテーションや訪問リハビリテーションは,利用者さんに寄り添い,ずっと継続すべきではないでしょうか.
 Q75 神経難病でどんどん悪くなっていく利用者さんに療法士が関わる意味があるのでしょうか.
 Q76 進行性難病やがんの末期などで死が迫っている利用者さんに療法士は何ができるのでしょうか.
 Q77 生活期では専門を絞り込むより,いろいろと広く対応できるほうがよいのではないでしょうか.

Memo
 理学療法とは
 入浴動作は歩行よりも難しい
 言語聴覚士とは
 高次脳機能障害と認知能力
 個別的認知能力と全般的認知能力
 回復期の看護とは
 介護福祉士とは
 PT,OT,STの専門性の相互関係
 適切な個室の数
 教育としてのケア業務
 よくある看護師と療法士の対立
 SMARTの法則
 ADL共有
 医療ソーシャルワーカーと療法士
 写真撮影における注意事項
 「社会への参加」と「自己への参加」
 環境や状況の相違による影響
 ちょっと困った情報提供書!?
 外来,訪問,通所の選び方
 治療用装具と更生用装具
 お互いの“プラス”を活かし合おう
 医療事故と訴訟問題
 在宅でのサービス担当者会議はケアマネジャー任せでよいのか
 個人情報保護と地域共生社会
 ナラティブな対応(アプローチ)

作業療法士のひとこと
 「家族が暮らす家」と「住宅改修の提案」

訪問療法士のひとこと
 利用者さんの要望をどう考えるか
 もっと患者さんの心持ちを聞いてみましょう
 専門職としての自己研鑚
 百聞は一見に如かず
 「人それぞれ」を知る
 人となりを知る
 ALS患者さんとの出会い

この本を手にとっていただいた“あなた”へ
索引