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研究的思考法

想いを伝える技術

研究的思考法
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筆頭著者 樋口 貴広 (著)

首都大学東京 人間健康科学研究科

三輪書店

電子版ISBN

電子版発売日 2019年9月16日

ページ数 228

判型 A5

印刷版ISBN 978-4-89590-651-7

印刷版発行年月 2019年2月

DOI https://doi.org/10.18937/9784895906517

書籍・雑誌概要

思考を整理し アカデミックに書く ! 話す !
あらゆるコミュニケーションに役立つ 伝えるための思考法

研究上の作法を利用して、自分の考えをクリアーに伝える方法を解説した書。学術文書の基本であるパラグラフ・ライティングの作法に基づき、「最初に意見・主張を示し、後に根拠を述べる」スタイルで伝える意義を解説。さらに、研究法の観点から「根拠となるデータを正しく吟味する方法」を紹介。レポートや論文の文書作成、プレゼンのスライド作成などに対応できる思考法・表現技法を学ぶことができる。つまずきやすいポイントは、例文を使って丁寧に解説。「自分の意見がなぜか人に伝わらない」と感じている人にとって、文章力・プレゼン力アップの第一歩を後押ししてくれる。

目次

はじめに

第1章 研究的思考法
第1節 研究的思考法とは
    研究を教育する立場から
    研究的思考法
    研究法ではなく研究的思考法
    研究=数値データを得ることではない
    数値データだけの発表はつまらない
第2節 大事なことを先に伝える
    “大事なこと”とは何かを理解する
    事実+解説で情報に意味をもたせる
    大事なことを先に伝える
    本書の構成
    コラム 事実の情報そのものが面白い「特別な場合」
    コラム 日本人は「大事なことを先に伝える」のが苦手?


第2章 意見伝達の型―パラグラフ・ライティングに学ぶ
第1節 パラグラフの概念
    パラグラフ構成のルール
    ルール1:1つのパラグラフでは1つのトピック(話題)だけについて論じる
    ルール2:パラグラフ内の配置によって,各文に明確な役割分担をもたせる
    ルール3:パラグラフの冒頭に,パラグラフにおける意見・主張を書く努力をする
第2節 パラグラフから文書へ
    文書におけるパラグラフの役割
    読んで実感:パラグラフを作ることの重要性
    長い文書の管理
    コラム あえて文書にハイライトをつけるならば……
第3節 パラグラフ・リーディング
    英文エッセイの構成が短時間で理解できる
    センター試験の英文エッセイに挑戦
    解説:英文エッセイ
    コラム ざっと読む:スキミングとスキャニング


第3章 思考と表現の整理―パラグラフ・ライティングの実践
第1節 大事なことを絞り込む
    身近な話題でエッセイを書く
    時間的制約の中で書かれる典型的なエッセイ
    意見・主張を1つに絞る
    関連要素をたくさん書く≠意見・主張
    大学生のエッセイ事例から
    コラム 1つの発表や論文で言えることは1つ
第2節 大事なことを際立たせる
    どっちつかずの意見・主張を避ける
    テーマに対する視点を明確にする
    根拠をわかりやすく明示する
    想いが先走るのを避ける
    コラム 想いを伝えることを忘れない
第3節 表現の整理
    重要語句・専門用語の統一
    文書の中で使用する用語を自分で決める
    表現用語の使い分け
    表現用語により大きく変わる印象
    コラム 簡潔な表現


第4章 科学的根拠―研究法入門
第1節 因果関係の推定
    科学的根拠と研究法
    相関関係と因果関係
    因果関係を推定する:実験法の考え方
第2節 因果関係推定のための事前対策
    順序効果
    繰り返し測定での注意点
    異なる対象者間の比較
    何を統制するかで主張が決まる
    コラム 大学院生時代の失敗
第3節 平均値の差の検定
    検定の意義
    統計的仮説検定
    ばらつきに左右される平均値
    平均値の差の検定における注意点
    まとめ:研究法への関心
    コラム シングルケース研究


第5章 プレゼンテーション―パラグラフの概念を生かす
第1節 パラグラフの概念の活用方法
    スライドをパラグラフの概念に沿って作る
    プレゼンテーション全体の構成
    構成の自由度が高い導入のスライド
    メインボディはパラグラフの概念に忠実に
    結論は意見・主張(再掲載)とメッセージで構成
    コラム 意見・主張から派生するメッセージ:あえて制約に触れる意味
第2節 わかりにくさの改善
    結局何が言いたいの?
    意見・主張が明示されていない
    提示した情報に基づく意見・主張が自明とは限らない
    口頭での説明を過信しすぎている
    アニメーション機能の利用により瞬間提示になってしまった
    意見・主張が情報に埋もれている
    コラム 発表に対するコメントにも配慮を
第3節 スピーチで伝える
    質疑への対応
    話し言葉と書き言葉
    話し言葉の長さ
    “間”を挟む
    実例:スピーチのための台本作り
    コラム 言いよどみのなさすぎるスピーチ


第6章 論文で伝える―データの発表
第1節 データ発表型論文のポイント
    データ発表型論文と総説型論文
    3つのポイント
    ポイント1:なぜ研究するのか
    ポイント2:誰に読んでもらうのか
    ポイント3:予想した結果が得られたか
    大事な情報を言葉にしておく
    コラム 書くために読む
第2節 タイトル・要約
    タイトルと要約
    タイトルの事例
    要約のポイント
第3節 目的
    目的と考察をセットで考える
    遠すぎる総論を書かない
    何がわかっていて,何がわかっていないか
    「先行研究がない」という主張は慎重に
    引用文献が多すぎると感じる場合
    引用が不足していると感じる場合
    コラム 新規性,独創性が高い論文ほど先行研究をよく調べている
    コラム バイブル的な文献を作らない
第4節 方法・結果・考察
    方法にも解説の意識が必要
    研究対象・手続き・測定内容と分析
    結果
    考察:仮説が支持された場合
    考察:仮説が支持されなかった場合
    コラム 有意差に振り回されない


おわりに
索引

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