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人間作業モデルで読み解く作業療法

人間作業モデルで読み解く作業療法
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筆頭著者 鈴木 憲雄 (著)

シービーアール

電子版ISBN

電子版発売日 2020年4月27日

ページ数 122

判型 A5

印刷版ISBN 978-4-908083-21-1

印刷版発行年月 2017年9月

DOI https://doi.org/10.32208/9784908083211

書籍・雑誌概要

なぁんだ、そういうことか…
作業療法学の理論「人間作業モデル」の使い方を、身近な事例でわかりやすく解説。

「人間作業モデルは難しい…」をMOHO的に解釈すると「MOHOってなんか難しい…」というご意見をいただくことがあります.この語りをMOHO的に解釈すると「難しい」から私には理解できない…つまり個人的原因帰属の観点から「私はそれを身につけるのは無理…」という認識にあるのでしょうね.きっと,難しい説明を聞いたり,あるいは,分厚いMOHOの書籍にチャレンジして失敗した経験をお持ちなのでしょう.
本書は,コーヒーを飲みながら,あるいは電車の中で手軽に読みながら,MOHOの概要が理解できるように,できるだけわかりやすく解説した本です.
本書のねらいは,「MOHOを学ぶ」という作業に対する能力を「できる!やれる!」と自己認識させることです.私が講習会や,授業あるいは病院の研修会でお話ししているかのような,ライブ感を持った表現にし,とにかく「わかりやすさ」にこだわりました.
「なぁんだ,そういうことか…」と思っていただければ,本書の意図は達成です.

目次

はじめに なぜ人間作業モデルを学ぶのか
 こういう作業療法もありだなぁ
 当たり前の作業療法実践を記録・共有・検討するツール
 「人間作業モデルは難しい…」をMOHO的に解釈すると
 本書のねらい

第1章 人間作業モデルの概念
 1.意志
  個人的原因帰属
  自分の能力をどのようにみるか
  価値
  作業に対する価値の影響
  興味
 2.習慣化
  「習慣」という概念
  時間
  物理的環境
  身体に染みついた文化
  一度始まると自動的に行われる行為
  習慣は作業遂行にどのように影響するのか
  役割という概念
  役割は作業遂行にどのように影響するのか
 3.遂行能力
  身体・精神機能が“客観的構成要素”
  本人目線の主観的経験
 4.行為
  作業参加
  作業遂行
  作業技能
 5.環境
  環境の声が聞こえますか?
  環境の整理
  物理的環境
  社会的環境
 6.作業適応
  作業同一性:自らが考える作業的存在との一致感覚
  作業有能性:作業的存在としてあり続ける能力の感覚
  作業適応:作業同一性と作業有能性が備わった状態

第2章 「ブラックジャックによろしく」を人間作業モデルで読み解く
 1.主人公が自らの「役割」を認識する
  第1話「研修医の夜」p. 3~4
  解釈
 2.「役割」と「価値」が「個人的原因帰属」を強化する
  第1話「研修医の夜」p. 7
  解釈
 3.主人公が「作業技能」を発揮する
  第1話「研修医の夜」p. 8~9
  解釈
 4.主人公が研修医として「作業適応」する
  第1話「研修医の夜」p. 10
  解釈
 5.主人公が大切にする「価値」
  第1話「研修医の夜」p. 12~13
  解釈
 6.「価値」に反する現実が「作業同一性」をゆさぶる
  第1話「研修医の夜」p. 27
  解釈
 7.主人公が「大切にしたい価値」を再解釈する
  第4話「夏雲」p. 114
  解釈
 8.ぶつかり合う2つの「価値」と「価値」
  第4話「夏雲」p. 125~127
  解釈
 9.主人公が求める「価値」の達成に邁進する
  第4話「夏雲」p. 130~131
  解釈

 コラム 人間作業モデルで学ぶ永禄大学病院処世術
  場面A 職場文化に従った「習慣」を身につけるべし
  場面B 「個人的原因帰属」がなくても「役割」から逃げるな
  場面C 患者さんにとって大切な「価値」と「技能」を常に思え
  場面D 「物理的環境」よりも「社会的環境」に注意すべし

第3章 患者さんを人間作業モデルで読み解く
 事例1.家に閉じこもり,「こんなんじゃ外出できない」と落胆する患者さん
  検討 「こんなんじゃねぇ」から何を読み取るか
  解釈 悩みを共有して協業する
 事例2.いつもぼんやり,「何もすることがない」と無気力な患者さん
  検討 本当に「何もすることがない」のか
  解釈 「大切な作業」は何ですか
 事例3.「何もできない」,でも急にリハ外来に来なくなった患者さん
  検討 なぜ,外来に来なくなったのか
  解釈 作業を通して自分の能力を認識した
 事例4.“リハビリ命”,1日の半分を手の訓練で過ごす患者さん
  検討 作業的存在としてのTさんへの接近
  解釈 再び「作業的存在」になるために

第4章 ことわざを人間作業モデルで読み解く
 1 「花より団子」
 2 「瑠璃も玻璃も照らせば光る」
 3 「亭主の好きな赤烏帽子」
 4 「門前の小僧習わぬ経を読む」
 5 「猫に小判」
 6 「好きこそものの上手なれ」
 7 「下手の横好き」
 8 「雨だれ石を穿つ」
 9 「早起きは三文の徳」
 10 「破れ鍋に綴じ蓋」
 11 「おばあさんは川へ洗濯に行きました」
 12 「鬼退治に出発した桃太郎に,猿,キジ,犬がお供を買って出ました」

 コラム MOHO辞典「夫婦喧嘩」