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サーカディアンリズムと睡眠
筆頭著者 千葉 茂 (編集)
旭川医科大学医学部 教授
その他の著者等 本間研一(編集)
新興医学出版社
電子版ISBN
電子版発売日 2020年4月13日
ページ数 196
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-88002-777-7
印刷版発行年月 2018年7月
書籍・雑誌概要
人は通常、朝に目覚め、夜に眠るなど、地球の昼夜変化に合わせた生活を営んでいる。この地球の自転周期に合った約24時間周期のリズム“サーカディアンリズム”は睡眠・覚醒のほか、血圧や神経活動、ホルモン分泌などにもみられ、生命活動を営むうえで重要な役割を担っている。
サーカディアンリズム睡眠・覚醒障害により、睡眠・覚醒リズムが、ほかの生体リズムや昼夜の環境変化からずれてしまうと、不眠や日中の眠気などの心身の不調が起こり、さらには不登校や重大な事故を引き起こす可能性もある。
本書はサーカディアンリズム発振のメカニズムや、サーカディアンリズム睡眠・覚醒障害の検査・治療、さらにはサーカディアンリズムを利用した時間治療までを網羅している。最新の知識・情報を「サーカディアンリズム」と「睡眠」のエキスパートが丁寧に解説した。
目次
第1部 ベーシックリサーチ
1 概日時計と睡眠・覚醒リズム (本間研一)
1. ヒトのサーカディアンリズム/フリーランリズム
2. リズム同調
3. サーカディアンリズムと睡眠の発達と老化
4. まとめ
2 サーカディアンリズム睡眠・覚醒障害の中枢神経機構 (本間さと)
1. サーカディアンリズム発振の分子機構
2. 生物時計を構成する多振動体と階層性
3. サーカディアンリズム睡眠・覚醒障害の分子・細胞メカニズム
4. まとめ
第2部 クリニカルリサーチ
1 現代社会と睡眠 (千葉 茂)
1. 睡眠は必要なのか ─断眠実験は語る
2. 現代の日本社会と睡眠障害
2 診断・治療をめぐって
①基礎知識─睡眠・覚醒の神経機構 (千葉 茂)
1. 睡眠・覚醒の実行系
2. 睡眠と覚醒が出現するタイミングの決定
3. 睡眠・覚醒に関与する物質
②睡眠障害の検査法 (黒須結唯、千葉 茂)
1. 睡眠評価法
2. 睡眠ポリグラフィ(Polysomnography:PSG)
3. 身体的検査法
③睡眠障害の分類と診断 (千葉 茂)
1. 睡眠障害の国際分類
2. サーカディアンリズム睡眠・覚醒障害
3. 診断をめぐって
④治療 (千葉 茂)
3 サーカディアンリズム睡眠・覚醒障害の疫学 (土井由利子)
1. 疾病分類と評価方法
2. 主な疫学研究
3. まとめ
4 サーカディアンリズム睡眠・覚醒障害の各病型 (北島剛司)
1. 睡眠・覚醒相後退障害(delayed sleep-wake phase disorder:delayed SWPD)
2. 睡眠・覚醒相前進障害(advanced sleep-wake phase disorder:advanced SWPD)
3. 不規則睡眠・覚醒リズム障害(irregular sleep-wake rhythm disorder:irregular SWRD)
4. 非24時間睡眠・覚醒リズム障害(non-24-hour sleep wake rhythm disorder:non-24-hour SWRD)
5. 交代勤務障害(shift work disorder)
6. 時差障害(jet lag disorder)
7. 特定不能なサーカディアン睡眠・覚醒障害(circadian sleep-wake disorders not otherwise:NOS)
5 サーカディアンリズム睡眠・覚醒障害と精神疾患 (田ヶ谷浩邦)
1. 睡眠障害国際分類におけるCRSWDの分類と診断の変遷
2. CRSWDと精神疾患との関連を検討する際の限界
3. CRSWDにおけるうつ状態・うつ病
4. 精神疾患におけるサーカディアンリズム指標異常
5. 時計関連遺伝子と精神疾患との関連
6. まとめ
6 子どものサーカディアンリズムと睡眠
①発達に伴うサーカディアンリズムと睡眠 (谷池雅子)
1. 1日単位の睡眠の変化
2. 睡眠時間の経時的変化
3. サーカディアンリズムの発達
②子どもにみられるサーカディアンリズム睡眠・覚醒障害 (松澤重行)
1. 分類・症状
2. サーカディアンリズム睡眠・覚醒障害の発症に関連する要因
3. 慢性疾患や障害のない小児のサーカディアンリズム睡眠・覚醒障害
4. 神経発達障害─神経系の慢性疾患や障害のある子どものサーカディアンリズム睡眠・覚醒障害
5. 身体疾患、精神疾患をもつ子どものサーカディアンリズム睡眠・覚醒障害
6. 診断
7. 治療
7 高齢者のサーカディアンリズムと睡眠
①サーカディアンリズムと睡眠の加齢変化 (三島和夫)
1. 生物時計機能の加齢変化
2. 睡眠構築の加齢変化
3. 早寝早起きがさらなる朝型化を招く
4. サーカディアンリズムと睡眠とのかかわり
②認知症・せん妄の睡眠障害 (田村義之、千葉 茂)
1. アルツハイマー病(Alzheimer disease : AD)
2. アルツハイマー病以外の認知症
3. せん妄
4. 治療
5. まとめ
8 サーカディアンリズムと身体疾患 (三浦 淳)
1. 生体機能の日内リズム
2. 生体リズムと身体疾患
3. 時計遺伝子による生体リズムの制御機構
4. 時計遺伝子と疾患との関連
5. 実験動物を用いた研究
6. 時間治療
7. まとめ