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CPX・運動療法ハンドブック 改訂4版
心臓リハビリテーションのリアルワールド
筆頭著者 安達 仁 (編著)
群馬県立心臓血管センター心臓リハビリテーション部長/副院長
その他の著者等 小林康之/上田正徳/村田 誠/中出泰輔/設楽達則/中野晴恵/風間寛子/猪熊正美
中外医学社
電子版ISBN
電子版発売日 2019年7月15日
ページ数 316
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-498-06717-2
印刷版発行年月 2019年7月
書籍・雑誌概要
循環器疾患の病態解析や治療技術は著しく進歩し,心臓リハビリテーションについては社会的欲求の高まりと共にその必然性が叫ばれ,日本循環器学会のガイドラインでも新たに項目が設けられた.そんななか,本書は心肺運動負荷試験と運動療法の実際を“リアル”に解説し,多くの医師,スタッフから好評を得てきた.今版は最新情報を盛り込み,さらにバージョンアップ.CPXを利用し尽くして,心血管疾患の病態を深く理解できる1冊だ.
目次
目次
第1章 CPXの目的 〈安達 仁〉
1 CPXで何がわかるか,誰にできるか
A CPXの特徴
B 他の負荷試験との相違点
C どのような患者に実施できるか
2 CPX中の測定項目
3 CPXの臨床応用
A 運動耐容能評価
B 運動処方作成・日常活動指導
C 息切れの鑑別
D 虚血重症度の判定・労作性狭心症治療方針決定
E 慢性心不全の病態解明・重症度把握,治療法決定
F ペースメーカ至適モードの設定
G 心不全における僧帽弁置換術(MVR)/形成術(MVP)の治療効果の予測
第2章 CPXの準備 ─ハード面─ 〈小林康之〉
1 呼気ガス分析装置
A ガス分析計の校正(キャリブレーション)
B 流量計の校正(キャリブレーション)
C 日常管理(精度管理)
D 呼気ガス分析器の検定
2 負荷装置
A サイクルエルゴメータ
B トレッドミル
3 フェイスマスクとマウスピース
A フェイスマスク
B マウスピース
4 室内環境
A 緊急事態への準備
5 呼気ガス分析装置のモニタ画面の設定
第3章 CPXの準備 ─ソフト面─ 〈上田正徳〉
1 電極の貼りかた
A 事前準備
B 電極とコード
C 誘導法
2 検査の説明
3 運動負荷試験の禁忌
4 運動負荷試験中止基準
5 心電図異常陽性基準
A ST-T変化
B 不整脈
6 負荷試験中の注意点─呼吸法,漏らさないコツ─
A 呼吸法
B 顔の向き(センサの向き)
7 ウォームアップ,クールダウンの意味
8 患者の異常と考える前に─おしゃべり,呼気ガス分析装置の異常─
9 運動中の心拍出量および血管拡張能の測定
第4章 運動中の生体応答 〈安達 仁〉
1 自律神経活性・神経性調節・central command
2 心拍数
3 血圧応答
4 心拍出量・心収縮能・心拡張能
5 肺動脈楔入圧(PAWP),左室拡張末期圧(LVEDP),拡張期肺動脈圧(dPAP)
6 収縮期肺動脈圧(sPAP)
7 血流分配
8 呼吸パターン
9 血糖値
第5章 活動筋での酸素摂取量に影響を与える因子 〈安達 仁〉
1 フィック(Fick)の理論
2 心拍出量
3 骨格筋
4 骨格筋への血流
5 肺血流
6 呼吸機能
7 貧血
8 喫煙(COHb)
第6章 ランプ負荷試験の実際 〈安達 仁〉
1 ランプ負荷強度設定法
2 安静時にみるべきポイント
A 心電図,血圧
B 心拍数
C 酸素摂取量(VO2)
D ガス交換比(R)
E VE/VCO2
3 ウォームアップ
A 持続時間と強度決定法
B 酸素摂取量(phase I, phase II, τon phaseIII)
C VE/VO2,VE/VCO2の変化
D 心拍応答
4 ランプ負荷中に得られる指標
A 酸素摂取量
B 最高酸素脈(peak VO2/HR, oxygen pulse)
C VE/VO2,VE/VCO2
D VE vs. VCO2 slope
E PETCO2,PETO2
F TV-RR関係
G RR threshold
H Ti/Ttot
I 呼吸予備能(breathing reserve)
J SpO2
K Oscillatory ventilation
L OUES
5 回復期
A VO2/HRのjump up phenomenon(ジャンプアップ現象)
B VO2(τoff,タウオフ)
第7章 9パネルの読みかた 〈安達 仁〉
パネル3 VO2,VCO2
パネル5 Vスロープ
パネル6 VE/VCO2,VE/VO2のトレンドグラフ
パネル2 VO2/HRとHR
パネル8 ガス交換比(R)
パネル4 VE vs. VCO2 slope
パネル9 ETCO2,ETO2のトレンドグラフ
パネル1 VE
パネル7 TV/VE slope
第8章 パラメーターの総合的解釈 〈安達 仁〉
1 運動耐容能の指標─AT,peak VO2─
2 総合的解釈
A 運動耐容能低下の原因の推測
B 心拍出量評価
C 息切れ感の鑑別
D %peak VO2とVE/VCO2の関係─cardio-muscle panel─
E VE/VCO2とVE vs. VCO2 slope
第9章 疾患・病態別のCPX 〈安達 仁 村田 誠〉
1 虚血性心疾患
2 心不全
3 不整脈(発作性心房細動と心室頻拍)
4 肺高血圧症
5 R-Lシャント
6 成人先天性心疾患
7 CRT-D設定不全
第10章 運動処方
1 AT処方 〈安達 仁〉
A AT決定法と運動処方
B ATが決定不能な場合の運動処方
C 自転車エルゴメータとトレッドミルの対比
2 心拍処方(Karvonenの式)
3 自覚的運動強度による処方
4 トークテストによる処方(坂道が多い地域での運動処方)
5 RR thresholdを用いた運動処方
6 重症心不全への処方
7 不整脈患者への処方
8 ICD,CRT-D患者への処方
9 ポジティブリモデリングと運動処方
10 HR<110の勧め
11 運動処方レベルの確認法
12 HIIT(high intensity interval training)
第11章 CPXの実例 〈村田 誠 中出泰輔 安達 仁〉
1 低体重の正常例
2 高齢者
3 鍛錬者
4 重症肥満
5 重症糖尿病
6 大動脈弁狭窄症に対する大動脈弁置換術後
7 心不全による低体力:心臓リハビリテーション前後
8 狭心症(末梢病変)
9 狭心症:心臓リハビリテーション前後
10 大動脈弁閉鎖不全症+僧帽弁閉鎖不全症
11 oscillation
12 LVAD植え込みと心臓リハビリテーション実施前後
13 安静を好む正常心機能被検者の心房細動アブレーション前後
14 運動を好む正常心機能被検者の心房細動アブレーション前後
15 僧帽弁閉鎖不全症を伴う拡張型心筋症
16 大動脈弁置換術後
17 心房粗動
18 心房中隔欠損症
19 ファロー四徴症術後:ペダル回転数の影響
20 末梢動脈疾患
21 CTEPH BPA前後
22 胸水貯留状態
23 中等症肺気腫
24 運動習慣のある重症肺気腫
第12章 呼気ガス分析装置ミナトAE310S解析手順 〈安達 仁〉
1 ATの決定
2 各区間の決定
3 VE vs. VCO2 slopeの決定,印刷
4 VE/VO2-VE/VCO2関係の表示されたグラフの印刷
5 HR-VO2関係の回帰
6 TV/RR slopeの回帰
7 Ti/Ttotの評価
8 RR曲線の評価
9 エネルギー消費量の評価
第13章 運動療法実施法リアルワールド
1 心筋梗塞 〈設楽達則〉
A 発症から運動療法までの流れ
B リスク管理
C メディカルチェック
D ウォームアップ
E 有酸素運動
F レジスタンストレーニング
G クールダウン
H 維持期(phase III)心臓リハビリについて
2 狭心症 〈安達 仁〉
A 狭心症の至適治療
B 運動療法の効果と危険性
C 運動療法実施法
D 運動療法実施時の注意点
E PCI施行後の狭心症に対する心臓リハビリ
3 開心術後 〈中野晴恵〉
A 開心術後の心臓リハビリ
B 【Phase I:急性期】術後〜1週間:個別プログラム
C 【Phase II:回復期】術後2週間〜退院まで:個別・集団運動療法
D 【Phase III:維持期】外来プログラム
E 開心術後のレジスタンストレーニングについて
4 心不全,LVAD植え込み患者 〈風間寛子〉
A 心不全患者に対する心臓リハビリ
B Phaseに応じた心臓リハビリのポイント
C LVAD植え込み患者に対する心臓リハビリテーション
5 ICD,CRT-D植え込み術後 〈猪熊正美〉
6 糖尿病 〈設楽達則〉
A 運動処方
7 成人先天性心疾患 〈猪熊正美〉
A 心不全
B 不整脈
C チアノーゼ性心疾患の患者の合併症
D 肺高血圧
8 慢性腎臓病 〈猪熊正美〉
9 高齢者 〈中野晴恵〉
A 高齢者の心臓リハビリの効果
B 高齢者の心臓リハビリの実際
C 当院での高齢者に対する心臓リハビリ
Appendix 心電図 〈安達 仁〉
略語集 〈上田正徳〉
索引