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救急外来 ただいま診断中!
筆頭著者 坂本 壮 (著)
中外医学社
電子版ISBN
電子版発売日 2018年1月1日
ページ数 478
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-498-06682-3
印刷版発行年月 2015年11月
書籍・雑誌概要
順天堂大学練馬病院の研修医向け勉強会の内容をもとに“よく出会う疾患,症候”を中心に,臨床推論のポイントや診断のノウハウをわかりやすく解説した.
目次
はじめに
1) 救急外来での心構え
2) Common is common !
3) 病歴聴取を怠るな!
4) Vital signsの解釈は適切に!
5) 臭いものに蓋をしてはいけない! 原因検索を怠るな!
6) 急性か慢性か,それが問題だ!
7) 救急外来における“検査の3種の神器”
8) 内服薬,アレルギーの確認は忘れずに:くすりもりすく!
9) 説明は処方箋であり,経過観察は治療の1つである!
10) 2度あることは3度ある!
11) 常に初診の気持ちで対応を!
12) 後医は名医
13) Teaching is learning twice !
1 意識障害に出会ったら
原因を見逃さないための10の鉄則
意識障害患者へのアプローチ【10の鉄則】
1) ABCの安定が最優先! 意識状態を正しく評価せよ!
2) Vital signs,病歴,身体所見が超重要! 外傷検索,AMPLE聴取も忘れずに!
3) 鑑別疾患の基本の三角形をmasterせよ!
4) 意識障害と意識消失を明確に区別する!
5) 何が何でも低血糖の否定から! 血液ガスのcheckも忘れずに!
6) 出血か梗塞か,それが問題だ!
7) 菌血症・敗血症が疑われたらfever work up !
8) アルコール(エタノール),肝性脳症,電解質異常,薬物中毒,精神疾患による意識障害は
除外診断!
9) 疑わなければ診断できない! AIUEOTIPSを上手に利用せよ!
10) 原因が1つとは限らない! 確定診断までは安心するな!
Snap diagnosis:一過性全健忘(transient global amnesia: TGA)
2 失神に出会ったら
心血管性・出血性を否定せよ!
疑わなければ診断できない!
失神の定義:意識障害,痙攣と明確に区別しよう!
失神の病態生理:なぜ失神は起こるのか?
失神の分類
失神の原因と予後:疫学を把握する!
失神患者のアプローチ:失神と判断した,その後は…
病歴・病歴・病歴:目撃者を探せ!
心血管性失神を見逃さない!
起立性低血圧(orthostatic hypotension)も見逃さない!
神経調節性失神(neutrally mediated syncope):最も多い失神!
検査:1) 心電図 2) エコー(心臓・腹部) 3) 血液ガスが3種の神器
帰宅or入院
Check point:帰宅させる前に確認しよう!
3 痙攣に出会ったら
目撃者を探せ!
疑わなければ診断できない!
本当に痙攣か?:意識障害,失神と明確に区別しよう!
痙攣とは:定義は正確に!
痙攣の原因:頭蓋内疾患以外も鑑別に挙げること!
痙攣のアプローチ:痙攣と判断した,その後は…
痙攣を示唆する病歴・身体所見
痙攣重積/てんかん重積:見逃すな! 定義は正確に!
抗痙攣薬を内服しているかも?
痙攣を誘発し得る薬剤:内服薬ももらさず確認!
検査:1) 血液ガス 2) 心電図 3) 頭部CT 4) 採血
治療:ABCを確認し目の前の痙攣を止めよう!
4 ショックに出会ったら
早期発見・早期治療を心掛けよ!
はじめに
アプローチ:Time is money !
ショックの認識
ショックを4つに分類:素早く分類しよう!
その他鑑別に有用なpoint:「ショック+徐脈」を見逃すな!
初期治療
5 アナフィラキシーかな?と思ったら
アドレナリンを正しく使用せよ!
はじめに
アナフィラキシーを正しく診断しよう!:消化器症状の聴取を忘れずに!
アナフィラキシーのABCD:緊急性を瞬時に判断!
アドレナリン
グルカゴン
原因
ヒスタミン中毒:アレルギー反応と簡単にいってはいけない!
食物依存性運動誘発アナフィラキシー(food-dependent exercise-induced anaphylaxis: FDEIA)
治療:使用薬剤は限られている!
二峰性反応(遅延性反応)(二相性反応)
アレルゲンの交差反応
帰宅or入院
SAFE approach
エピペンⓇ:早期発見,早期治療! 患者教育を忘れずに!
予防に勝る治療なし!
6 敗血症かな?と思ったら
早期発見・早期治療を心掛けよ!
はじめに
感染症のvital signs:呼吸数を軽視するな!
敗血症の定義:敗血症と菌血症は似て非なるもの!
敗血症の重症度分類:定義は正確に!
いつ疑うか?
敗血症の身体所見
Fever work up:急がば回れ!
敗血症のfocus
敗血症でなぜ血液培養?!
検査
治療:正しく治療,正しく効果判定!
7 尿管結石かな?と思ったら
正しく診断しよう!
はじめに
疫学:尿管結石はcommon diseaseだ!
診断:除外診断と心得よ!
各種検査の感度・特異度
結石が嵌頓しやすい場所
結石の大きさvs排出率
治療:使用する薬剤とタイミングをcheck !
泌尿器科コンサルトのタイミング
帰宅or入院
まとめ
8 疼痛患者に出会ったら
痛みの問診を習得せよ!
痛みの問診OPQRSTA
検査の3種の神器:?血液ガス ?エコー ?心電図
重症度評価
Common is common !:Majorな疾患のminorなsignを見逃すな!
最後に
9 頭痛患者に出会ったら
クモ膜下出血を見逃すな!
頭痛の分類:一次性頭痛か二次性頭痛か
頭痛のred flag signs:危険なサインを見逃すな!
救急外来で絶対に見逃してはいけない2大疾患
クモ膜下出血:早期に疑い愛護的に!
一次性頭痛:緊張型頭痛と片頭痛の違いを明確に!
薬物乱用頭痛の鑑別を忘れずに!
一次性頭痛の特徴:出会う頻度の高い緊張型頭痛と片頭痛の特徴
その他の疾患
10 胸痛患者に出会ったら
Pitfallsを知ろう!
急性冠症候群(acute coronary syndrome: ACS)
はじめに
定義
疫学
診断:確認すべき3つの時候
胸痛患者の問診:OPQRSTAをcheck !
救急外来でのアプローチ
Vital signsと身体所見:急性心不全,致死性不整脈を見逃すな!
検査
治療
急性大動脈解離(aortic dissection)
はじめに
疫学
大動脈解離は否定できるか?
いつ疑うか
症状
救急外来でのアプローチ
Vital signsと身体所見
検査
治療
肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism: PTE)
はじめに
疫学
肺血栓塞栓症は否定できるか?
いつ疑うか:疑わなければ診断できない!
救急外来でのアプローチ
Vital signsと身体所見
検査
治療
11 腹痛患者に出会ったら
恐い腹痛を除外せよ!
はじめに
急性腹症
救急外来で特に問題となる2つの疾患+α
12 吐下血に出会ったら
緊急内視鏡の適応を理解せよ!
はじめに:感染対策は基本中の基本
消化管出血の疫学
消化管出血のリスク:3大リスクをcheck !
消化管出血にまつわるpitfalls
消化管出血患者の診るべきpoint: vital signs+検査の3種の神器+α
消化管出血の鑑別
リスク評価
治療
緊急内視鏡の適応:最重要point !
Second look
再発予防
13 高K血症かな?と思ったら
診断と治療の正しい理解
はじめに
いつ疑うか:慢性腎臓病患者では常に疑うこと!
高K血症の原因:原因検索を怠るな!
高K血症のアプローチ:緊急性の判断を適切に!
まとめ:緊急性の高い患者群
透析患者について
治療:それぞれの作用機序を理解すること
まとめ:救急外来での治療の考え方
14 肺炎かな?と思ったら
重症度を正しく評価しよう!
はじめに
正しく診断しよう!
重症度を正しく評価しよう!
誤嚥性肺炎を正しく診断しよう!
結核を忘れずに!
肺炎vs心不全:思っている以上に区別は難しい!
治療
治療効果判定:グラム染色を行おう!
15 尿路感染症かな?と思ったら
除外診断と心得よ!
はじめに:疑うことから全てが始まる!
尿路感染症の分類
疫学:尿路感染症はcommon diseaseだ!
いつ疑うか?:疑わなければ診断できない!
尿路感染症の診断:尿路感染症を正しく診断しよう!
尿路感染症の重症度
検査
原因菌
無症候性細菌尿:治療対象か否かを見極めよ!
治療
治療効果判定:臓器特異的所見をcheck ! グラム染色で判断を!
急性単純性腎盂腎炎の解熱時間
Oral switch:経口の抗菌薬への変更はいつか?
帰宅or入院
16 髄膜炎かな?と思ったら
腰椎穿刺の閾値を下げよ!
はじめに
疫学
いつ疑うか?:意識障害患者では必ず鑑別に入れること!
診断:臓器特異的所見で評価せよ!
髄膜炎の重症度
検査:腰椎穿刺を躊躇するな!
細菌性髄膜炎を検査所見で除外できるか?
治療:正しい選択は?
抗菌薬の選択は正しく行うこと!:髄膜炎か否か,それが問題だ!
ステロイド:抗菌薬投与前に投与
治療効果判定:臓器特異的所見を評価せよ!
無菌性髄膜炎
ヘルペス脳炎
Mini Lecuture 抗菌薬の選択−具体的な菌を想定し決定しよう!
17 めまいに出会ったら
歩けなかったら要注意!
はじめに
疫学
本当にめまいか?:めまいの分類をしよう!
救急外来でのアプローチ
18 頭部外傷に出会ったら
原因検索が最重要
はじめに
頭部外傷のアプローチ
抗血栓薬内服中の患者へのアプローチ
脳震盪:2回目が恐い脳震盪!
19 低血糖かな?と思ったら
ブドウ糖投与しておしまいじゃ困っちゃう
はじめに
いつ疑うか?:意識障害患者ではまず鑑別!
低血糖の定義:低血糖を正しく診断しよう!
低血糖の原因:低血糖を起こしやすい人は誰かを知り,原因検索を怠るな!
病歴
Vital signs:意識障害を軽視するな! 普段と比較! 左右差に注目!
身体所見
症状:冷や汗に注目!
検査:低血糖に至った原因検索を忘れずに!
低血糖による脳障害
持続する低血糖
低血糖と高血糖を繰り返す:手技・注射部位の確認を忘れずに!
SU薬とインスリンの種類と作用時間
血糖低下を起こし得る薬剤:AMPLE聴取を怠るな!
治療
20 脳卒中かな?と思ったら
病歴聴取が最重要
はじめに
脳卒中の疫学
救急外来でのアプローチ:脳卒中を疑ったら
危険因子
画像:CT,MRI & MRAの限界を理解しよう!
脳卒中もどきに騙されるな!:らしくない所見を診たら立ち戻ろう!
TIAを見逃すな!:脳梗塞と同様に扱うべし!
血栓溶解療法(アルテプラーゼ静注療法)の適応を正しく理解する!
血管内治療
脳卒中の治療:血圧はどうしたらいいの?
21 アルコール患者に出会ったら
お酒にまつわる落とし穴
はじめに
アルコール患者と救急外来:来院パターン
アルコール患者のアプローチ:意識障害があれば“鉄則”に則ること!
アルコール患者の身体所見/検査所見
ビタミンB1:アルコール患者では常に意識しておくこと!
アルコール多飲患者に特有の疾患
アルコール依存か否か:家族・友人からの聴取を忘れずに!
アルコールをwash out ?!
感染対策を忘れずに:いかなる時も自分の身を守ること!
帰宅or入院:判断は冷静に!
22 心肺停止に出会ったら
胸骨圧迫が超重要
はじめに
心肺停止患者のアプローチ
予防:予防に勝る治療なし!
最後に:己の限界を知り,協力して治療にあたろう!
危険ドラッグについて
ルーチン検査なんてあり得ない!
救急隊を尊重しよう!
勉強会のススメ
既往歴の正しい聞き方
家族歴の正しい聞き方
準備ができない者に手技を行う資格はない!
血液ガスは静脈血で十分!
急がば回れ! 理解していなければ意味がない!
患者,家族への説明はこまめに丁寧に
治療方針は医師次第?!