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DCAスターターマニュアル
筆頭著者 濱嵜 裕司 (編集)
その他の著者等 添田信之 編集
メジカルビュー社
電子版ISBN 978-4-7583-7414-9
電子版発売日 2017年3月20日
ページ数 156
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-7583-1431-2
印刷版発行年月 2016年3月
書籍・雑誌概要
方向性冠動脈粥腫切除術(directional coronary atherectomy:DCA)が再び脚光を集めている。DCAとはカテーテル治療の1つであり,血管内部にできた粥腫(プラーク)を鉋のようなデバイスを用いて削り取る方法である。本法はバルーンやステントを用いた治療法に比べ,難易度が高いのが難点である。しかし,その一方で粥腫部分の血管を広げるのではなく,完全に削り落とすため,削り落とした粥腫片が血管内部に詰まり梗塞を落とす可能性,再狭窄を起こす可能性も低く,分岐部病変でバルーンやステントを挿入することが不可能な場合にも手技を可能とするなどメリットも多い。
そこで本書では,DCAを今こそ学びたいドクター,今まで一度も手技を行っていない若手ドクターに向けて,5つのmissionに分け,具体的にどのような症例を選び,どのように考え,どのように検査を行い,どのように手技を行えばいいのかを具体的に解説する。DCAを行うための「思考力」と「技術力」を身につけられる1冊。
目次
序章 Mission前に押さえておくべきこと
1 DCAの構造 木島幹博
DCAとは? 復活までの経緯
DCAの構造
現時点におけるデバイスの問題点
DCAカテーテルの将来
2 DCAの操作法 濱嵜裕司
Step1 DCAカテーテルの準備
Step2 DCAカテーテルの挿入
Step3 カットの実際
Step4 デバイスの抜去
step5 切除デバイスの取り出し
3 DCAの適応 濱嵜裕司
病変形態からの適応
DCAの使用を控えるべき病変
患者背景からの適応
4 DCAのエンドポイント 濱嵜裕司
DCA後に追加治療を予定している場合のエンドポイント
DCA単独治療を目指す場合のエンドポイント
DCAを中断すべき状況
5 オリエンテーションはこう理解する 朝倉 靖
側枝を用いる方法
テストカットを確認する方法
ガイドカテーテルの側孔を利用する方法
IVUSカテーテルのバイアスを利用する方法
IVUSとガイドワイヤーの位置関係を利用する方法
まとめと筆者からのアドバイス
Ⅰ 1st mission まずはここから
1 左主幹部〜前下行枝近位部病変 濱嵜裕司
使用デバイス
デバイスの挿入
キーとなる撮影方向
方向性の理解
回転の方向
切除の実際
テストカット
プラーク切除
DCAのエンドポイント
Ⅱ 2nd mission 徐々に適応拡大
1 前下行枝中間部〜遠位部,対角枝 那須賢哉
症例選択
イメージングデバイスによるプラーク分布の考え方
ブランチ法の基本
ガイドワイヤーバイアス法の注意点
DCA aloneで終了すべき症例はあるか?
DCAが有効と考えられるLAD中間部症例
まとめ
2 右冠動脈(入口部を除く) 及川裕二
使用デバイス
デバイスの挿入
キーとなる撮影方向
方向性の確認
回転の方向
右冠動脈に対するDCAのまとめ
3 左回旋枝(入口部を除く) 五十嵐康己
入口部を除く左冠動脈回旋枝への適応はまれ
至適撮影方向
カテーテルのwhip motion
IVUSによる切除方向の決定
Ⅲ 3rd mission これができればもうマスター!
1 左回旋枝入口部 羽原真人,那須賢哉,土金悦夫
症例1 70歳代,女性
症例2 60歳代,男性
症例3 80歳代,男性
まとめ
2 石灰化病変 平瀬裕章
DCAと石灰化
新しいDCA:ATHEROCUT®
石灰化病変に対するDCA適応の実際
IVUSからみた切削しやすい石灰化病変の特徴
石灰化へのDCAのエンドポイント
石灰化切削時の注意点
症例提示
今後の展望
Ⅳ トラブルシューティング
1 DCAが入らないときの挿入のコツ 小澤典行
DCA治療成績と手技を行う際の心構え
DCAを安全に行うためのステップとデバイス挿入のコツ
2 合併症への対応 清野義胤
冠穿孔
IVUSにおける血管径の評価
IVUSにおけるプラークの局在と性状
テストカット
冠穿孔をきたした症例
冠穿孔の対応
その他の合併症
今後の展望
Ⅴ カテ室スタッフのためのDCA講座
1 バルーン,ステントとは違います。DCAではここに注意! 添田信之
DCAの構造と従来品との違い