書籍を検索します。雑誌文献を検索する際には「雑誌文献検索」を選択してください。

検索

カテゴリから選ぶ

白血病治療マニュアル 改訂第4版

白血病治療マニュアル 改訂第4版
本文を見る
  • 有料閲覧

筆頭著者 宮脇 修一 中尾 眞二 (監)

その他の著者等 清井 仁 宮本 敏浩

南江堂

電子版ISBN 978-4-524-23053-2

電子版発売日 2020年12月14日

ページ数 366

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-524-22664-1

印刷版発行年月 2020年11月

DOI https://doi.org/10.15106/9784524226641

書籍・雑誌概要

白血病患者の治療方針を立てるために必要な治療選択から各種プロトコール、支持療法、合併症対策までを盛り込んだマニュアル書の改訂第4版。今改訂では、分子標的治療薬を用いた最新のプロトコールを盛り込み、内容をアップデート。また白血病治療において重要性が増している「微小残存病変の評価と対応」について、1章を割いて解説。ベッドサイドマニュアルとして、血液内科医必携の一冊。

目次

【内容目次】
第I章 治療の前に
 1.白血病の治療指針
  A 白血病の治療理念
  B 白血病治療前の評価事項
  C 急性白血病の治療方針
   1.急性骨髄性白血病
   2.急性リンパ性白血病
  D 白血病の治療評価
  E 同種造血幹細胞移植
 2.インフォームド・コンセント
  A がん告知におけるインフォームド・コンセント
   1.インフォームド・コンセントの基本的事項
   2.インフォームド・コンセントにおけるコミュニケーション・スキル
  B 白血病診療におけるインフォームド・コンセントの注意点・留意点
   1.初発時のインフォームド・コンセント
   2.同種移植を含めた治療方針の検討
 3.薬剤用量の算定法-体表面積と体重kg当たり投与量
  A 体表面積の算定方法
  B 薬物動態に影響を与える因子
  C BSA以外の薬剤用量の算定方法
  D 肥満者に対する薬剤用量の算定
 4.白血病の診断・治療に必要な遺伝子検査:precision medicineの実践に向けて
  A がん治療におけるprecision medicine
  B 遺伝子異常の検出法について
  C がん遺伝子パネル検査の血液内科臨床における有用性について
   1.造血器腫瘍の「診断」におけるがん遺伝子パネル検査の有用性
   2.造血器腫瘍の「治療」におけるがん遺伝子パネル検査の有用性
   3.造血器腫瘍の「予後予測」におけるがん遺伝子パネル検査の有用性
  D 今後の課題と展望
 5.免疫療法
  A 抗白血病効果のメカニズム
   1.同種造血幹細胞移植後の抗白血病効果の発見
   2.T細胞と抗原認識
   3.T細胞への共刺激分子
   4.B細胞,NK細胞と免疫療法
  B 白血病に対する免疫療法
   1.抗腫瘍性化学物質結合抗体
   2.blinatumomab
   3.キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法
   4.免疫チェックポイント阻害薬
第II章 治療のプロトコール
 1.急性骨髄性白血病(AML)
  A 分子病態と予後
   A AMLの発症機構
    1.多段階白血化機構
    2.AMLの多様性
    3.クローン性造血と前白血病幹細胞
   B 病型分類
   C 予後分類
   D 今後の展望
    1.白血病幹細胞特性と臨床的予後の関連性
    2.機能的マルチオミクス解析
  B fit初発例の治療プロトコール
   A 寛解導入療法
   B 寛解後療法(CBF-AMLを除く)
   C CBF-AMLにおける寛解後療法
   D AMLにおける維持療法
  C unfit初発例の治療プロトコール
   A “unfit”の定義
   B cytarabine(Ara-C)少量療法
    1.概要
    2.実施上の注意
   C CAG療法
    1.概要
    2.実施上の注意
   D azacitidine(AZA)療法
    1.概要
    2.実施上の注意
   E 今後の展望
  D 再発・難治例の治療プロトコール
   A 再発・難治の定義
   B 再発・難治AML治療の考え方
   C 救援化学療法
   D 救援療法の指針
   E 強力な再寛解導入療法
    1.cytarabine(Ara-C)大量+アントラサイクリン系薬剤
    2.cytarabine+etoposide+mitoxantrone
   F 非強力化学療法,分子標的療法
    1.gemtuzumab ozogamicin(GO)
    2.FLT3阻害薬
  E 急性骨髄性白血病に対する造血幹細胞移植
   A 第一寛解期における造血幹細胞移植の適応
   B 第一寛解期AMLに対する自家造血幹細胞移植
   C 再発・非寛解AMLに対する造血幹細胞移植
   D 高齢者AMLに対する同種造血幹細胞移植
 2.急性前骨髄球性白血病(APL)
  A 分子病態と予後
   A APLに認める遺伝子異常
   B レチノイン酸受容体の機能
   C PML-RARAの分子メカニズム
   D ATRAの作用機序
   E ATOの作用機序
   F ATRA,ATOに対する薬剤耐性
   G APLの予後
   H APLにおける微小残存病変(minimal residual disease:MRD)の評価
  B 初発例の治療プロトコール
   A JALSG APL204試験の概要
   B 寛解導入療法
    1.APL204プロトコールの寛解導入療法
    2.播種性血管内凝固対策
    3.分化症候群対策
    4.治療効果判定
   C 地固め療法
   D 維持療法
   E APL204試験の治療成績
   F 高齢者の治療
   G ATRA+ATO療法
  C 再発・難治例の治療プロトコール
   A 再発・難治APLに対する救援薬
    1.亜ヒ酸(三酸化ヒ素arsenic trioxide:ATO)
    2.gemtuzumab ozogamicin(GO)
    3.tamibarotene(Am80)
    4.造血幹細胞移植(HSCT)
   B 国内における標準治療(JALSG APL205R)-65歳以下の移植可能症例-
    1.再寛解導入療法
    2.髄腔内注入
    3.地固め療法(第1,2コース)
    4.地固め療法(第3コース)(末梢血幹細胞採取)
    5.自己末梢血幹細胞採取(PBSCH)
    6.自己末梢血幹細胞移植
 3.骨髄異形成症候群(MDS)
  A 分子病態と予後
   A 分子病態
    1.コピー数異常
    2.遺伝子変異
    3.病期の進展に関わる遺伝子変異
    4.胚細胞変異
   B 予後予測因子
    1.IPSS/WPSS/IPSS-R
    2.LR-PSS
    3.CMMLに対する予後因子
    4.造血幹細胞移植後の予後因子
  B 骨髄異形成症候群の治療プロトコール
   A 治療選択の概要
    1.MDSの特徴
    2.治療アルゴリズム
   B 予後予測と層別化
    1.予後を規定する臨床的因子
    2.予後予測スコア
    3.予後予測スコアによる層別化
   C 低リスクMDSに対する治療
    1.低リスクMDSに対する治療の考え方
    2.支持療法
    3.赤血球造血刺激因子
    4.lenalidomide
    5.鉄キレート療法
    6.その他
   D 高リスクMDSに対する治療
    1.高リスクMDSに対する治療の考え方
    2.azacitidine
    3.化学療法
    4.その他
  C 骨髄異形成症候群に対する造血幹細胞移植
   A ガイドラインによるHSCTの適応
   B 患者に対するHSCT適応の判断
   C HSCTを行う時期
   D HSCTまでの橋渡し治療
   E 前処置
   F ドナーと移植片
   G GVHD予防
 4.急性リンパ性白血病(ALL)
  A 分子病態と予後
   A ETV6-RUNX1を伴うALL
   B TCF3-PBX1を伴うALL
   C KMT2A(MLL)融合遺伝子を伴うALL
   D BCR-ABL1を伴うALL
   E DUX4融合遺伝子を伴うALL
   F ZNF384融合遺伝子を伴うALL
   G MEF2D融合遺伝子を伴うALL
   H BCR-ABL1-like ALL(BCR-ABL1以外のキナーゼ融合遺伝子を伴うALL)
   I 遺伝子病型と予後
  B 初発Ph染色体陰性例の治療プロトコール
   A ALL202-U
    1.induction therapy(第1~5週)
    2.consolidation therapy(第6~9週)
    3.sanctuary therapy(第10~11週)
    4.reinduction therapy(第12~15週)
    5.reconsolidation therapy(第16~19週)
    6.maintenance therapy(第20~98週)
   B ALL202-O
    1.induction therapy
    2.consolidation therapy
    3.maintenance therapy
   C 高齢者(65歳以上)の治療
  C Ph染色体陽性例の治療プロトコール
   A JALSG Ph(+)ALL208の寛解導入療法(15~64歳:ただし60歳以上は後述の減量規定あり)
    1.治療遂行上の注意点
   B JALSG Ph(+)ALL208の地固め療法
    1.地固め療法の開始基準
    2.C1遂行上の注意点(ただし60歳以上はAra-Cの減量規定あり)
    3.C2遂行上の注意点
   C JALSG Ph(+)ALL208の維持療法
    1.維持療法の開始基準
    2.治療遂行上の注意点
   D JALSG Ph(+)ALL208の造血幹細胞移植
    1.移植遂行上の注意点
   E JALSG Ph(+)ALL208の中枢神経白血病の治療
    1.治療遂行上の注意点
   F 治療中の微小残存病変(MRD)について
  D 再発難治例の治療プロトコール
   A 再発難治Ph(-)ALL
    1.化学療法
    2.blinatumomab
    3.inotuzumab ozogamicin
    4.tisagenlecleucel
    5.HSCT
   B 再発難治Ph(+)ALL
    1.TKI±化学療法 or TKI±corticosteroids
    2.blinatumomab(TKI intolerant/refractory)
    3.inotuzumab ozogamicin(TKI intolerant/refractory)
    4.tisagenleceucel
    5.HSCT
  E 急性リンパ性白血病に対する造血幹細胞移植
   A 移植適応
    1.Ph(-)ALL
    2.Ph(+)ALL
    3.AYA世代
    4.高齢者
   B ドナー選択
   C 移植前処置
    1.骨髄破壊的前処置(myeloablative conditioning:MAC)
    2.強度減弱前処置(reduced-intensity conditioning:RIC)
   D 維持療法
   E 再発後の治療
   F 移植成績
 5.慢性骨髄性白血病(CML)
  A 分子病態と予後
   A 慢性骨髄性白血病におけるPhiladelphia染色体
   B CMLの進展に関わる遺伝子異常
   C CMLの治療ターゲット候補分子
    1.Wnt
    2.Hedgehog
    3.Alox5
   D CMLの予後
  B 慢性期慢性骨髄性白血病(CML-CP)の治療プロトコール
   A 治療方針
    1.治療効果判定,忍容性に基づいた治療選択145
    2.治療効果とその臨床的意義
    3.TKIの長期投与に伴う有害事象について
   B TKIの中止について
   C その他の治療
  C 移行期・急性期慢性骨髄性白血病(CML-AP,BP)の治療
   A APおよびBPの定義
   B 疾患進展のメカニズム
   C AP,BPの治療
    1.TKI未治療のAP症例
    2.TKI治療中にCPから進展したAP症例およびBP症例
    3.ドナー検索と同種造血幹細胞移植
   D AP症例における診断時の予後層別化
  D treatment-free remission
   A TFRとは
   B TFR成功のための治療条件
   C 現在の診療ガイドライン
   D TFRを必要とする症例とTKIを続けるべき症例
   E DMRを達成し継続するための治療プロトコール
    1.慢性期CMLに対する第一選択薬
    2.慢性期CMLに対するTKI不耐容・抵抗性のための第二選択薬
    3.TKI併用療法
    4.TKIの減量について
 6.慢性リンパ性白血病(CLL)
  A CLLの分子病態と予後
   1.形態的・免疫学的表現型
   2.分子病態と予後
  B CLLの治療プロトコール
   1.治療開始のタイミング
   2.検査
   3.初回治療の選択肢
   4.再発・難治例の治療選択肢
   5.同種造血幹細胞移植
   6.新規治療薬
第III章 微小残存病変(MRD)の意義
 1.MRDの測定・評価法
  A MFCによるMRD評価
  B RT-PCRによる遺伝子発現量評価
   1.キメラ遺伝子
   2.変異遺伝子発現量
   3.WT1遺伝子発現量
  C 免疫グロブリン遺伝子/T細胞受容体遺伝子(Ig/TCR)再構成を用いた急性リンパ性白血病におけるMRD評価
  D NGSを用いたMRD評価
   1.AMLにおける遺伝子変異を用いたMRD評価
   2.ALLにおけるIgH再構成を用いたMRD評価
  E ddPCRを用いたMRD評価
   1.ALLにおけるIg/TCR再構成を用いたMRD評価
   2.遺伝子変異(SNV)を用いたMRD評価
  F 今後の課題
 2.AMLにおけるMRD
  A AMLで用いられるMRD
   1.FCM-MRD
   2.molecular MRD
  B 治療への応用
   1.寛解導入療法後の治療強化
   2.治療終了時(後)のMRDに対する治療
 3.Ph(-)ALLにおけるMRD
  A MRD測定に用いる検体
   1.Ig/TCR遺伝子再構成を標的としたPCR(RQ-PCR)
  B MRDの臨床的な意義
  C 移植とMRD
  D 新規薬剤とMRD
   1.抗CD19抗体
  E MRDによる治療方針決定について
  F MRDの限界
第IV章 支持療法の実際
 1.感染予防対策-基本的予防処置,血管内カテーテル管理,抗菌薬予防的投与
  A 白血病患者における易感染状態
   1.皮膚・粘膜の障害
   2.好中球の障害
   3.細胞性免疫の障害
   4.液性免疫の障害
  B 感染経路とその対策
   1.内因感染の種類とその予防処置
   2.外因感染に対する予防策
  C 血管内留置カテーテル管理
   1.中心静脈カテーテルの管理
   2.末梢静脈カテーテルの管理
   3.血管内留置カテーテル関連感染症の予防策
  D 抗菌薬予防的投与
   1.細菌感染の予防
   2.真菌感染の予防
   3.ニューモシスチス肺炎の予防
   4.ウイルス感染の予防
 2.感染症治療
  A 抗菌薬の使用の実際
   A 発熱性好中球減少症(FN)とは
   B FN発症のリスク
   C FNの原因微生物
    1.BSI
    2.肺炎
   D FNの治療
    1.FNの経験的治療薬
    2.FNに対する抗菌薬併用療法
    3.初期治療が奏効しなかった場合
    4.初期治療が奏効した場合の抗菌薬投与終了時期
   E カテーテル関連血流感染症(CRBSI)
  B 抗真菌薬の使用の実際
   A 血液領域で問題となる深在性真菌症とリスク因子
   B 抗真菌薬の種類と特性
    1.アゾール系抗真菌薬
    2.エキノキャンディン系抗真菌薬
    3.ポリエン系抗真菌薬
   C 抗真菌薬の予防投与
   D 経験的治療・早期治療
   E 標的治療
    1.侵襲性カンジダ症
    2.侵襲性アスペルギルス症
    3.ムーコル症
  C 抗ウイルス薬の使用の実際
   A サイトメガロウイルス(CMV)
    1.臨床像
    2.CMV感染の診断
    3.CMV感染とCMV感染症
    4.CMV感染症のリスク因子
    5.CMV感染対策の方針
    6.CMV感染モニタリングに基づく抗ウイルス薬の先制治療
    7.新規抗ウイルス薬letermovirによるCMV再活性化・CMV感染症の予防
    8.CMV感染症の治療
    9.抗ウイルス薬耐性
   B 単純ヘルペスウイルス(HSV)
    1.臨床像
    2.診断
    3.抗ウイルス薬の予防的投与
    4.治療
   C 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)
    1.臨床像
    2.診断
    3.予防的投与
    4.治療