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心臓血管外科手術の落とし穴
筆頭著者 德永 滋彦 (編)
南江堂
電子版ISBN 978-4-524-21494-5
電子版発売日 2024年2月12日
ページ数 192
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-524-20458-8
印刷版発行年月 2024年3月
書籍・雑誌概要
胸部外科教育施設協議会推奨.総勢16名の心臓血管外科医が経験した失敗例・トラブル例を,同じ轍を踏ませないため,出し惜しみせず公開.定番から最新の手術,周術期管理にいたるまで,140件以上のトラブルの原因と対処法を解説.1ケース1ページのコンパクト設計で手術の予習・復習に最適.取り返しのつかないミスを起こす前にこの一冊.
目次
【内容目次】
第1章 胸骨正中切開・開胸時の落とし穴
1.1 胸骨に近接した気管の損傷
1.2 胸骨に近接した無名動脈(弓部分枝)の損傷
1.3 左右に偏った胸骨切開
第2章 閉胸時の落とし穴
2.1 ドレーン関連のつまづき:損傷,縫い込み,巻き込み,留置忘れ
2.2 冷生食心のう腔内洗浄によるVf
2.3 胸骨ワイヤー刺入時の臓器損傷
2.4 胸骨閉鎖時の循環破綻
2.5 胸骨骨髄からの出血(→再開胸)
2.6 Swan-Ganzカテーテル縫い込み
第3章 人工心肺確立の落とし穴
3.1 タバコ縫合
3.2 上行大動脈の性状確認
3.3 送血カニューラ挿入と人工心肺開始前の確認事項
3.4 送血カニューラ空気抜きと回路接続
3.5 ベント挿入:肺へ,空気混入,送気防止確認
第4章 人工心肺中,weaningの落とし穴
4.1 術中解離
4.2 カニューラ(送血管・脱血管)が抜けた
4.3 脱血不良:術後うっ血性肝障害
4.4 空気抜き(de-airing)
4.5 デクランプ後のVf持続
4.6 人工心肺 weaning確認事項
第5章 心筋保護の落とし穴
5.1 順行性心筋保護:重症大動脈弁閉鎖不全症例の心筋保護液注入
5.2 逆行性心筋保護
5.2.1 逆行性心筋保護カニューラが入らない
5.2.2 冠静脈洞(CS)損傷
5.2.3 左SVC遺残(LSVC)症例の逆行性心筋保護(LSVCの人工心肺カニュレーション法)
5.3 選択的冠灌流:右冠動脈が見つからない,short LMT,冠動脈孔の損傷,解離(特に大動脈解離症例)
第6章 虚血性心疾患手術(バイパス術など)の落とし穴
6.1 内胸動脈採取において
6.2 グラフト選択:flow competition
6.3 冠動脈テーピング時の右室穿孔
6.4 ポジショナーの心尖部牽引による心筋裂傷
6.5 大動脈中枢吻合:パンチアウト時の大動脈解離,粥腫崩壊
6.6 冠動脈切開部の石灰化内膜のはく離
6.7 冠動脈の心筋内走行,脂肪層深部走行
6.8 LITA損傷時,解離時の対処
6.9 冠動脈プローベ(ゾンデ)による冠動脈穿孔
6.10 SVGねじれ,吻合後のSVGが長い,短い
6.11 冠静脈へのグラフト吻合:炎症性疾患での静脈肥厚
第7章 大動脈弁手術の落とし穴
7.1 大動脈弁置換術
7.1.1 弁周囲逆流
7.1.2 カフリーク
7.1.3 冠動脈閉塞
7.1.4 バルブスーチャーと弁座の逆方向糸かけ
7.1.5 AVR術後の収縮期前方運動(SAM)
7.2 基部置換
7.2.1 LCA,RCAキンキング
7.2.2 右室損傷
7.2.3 膜様中隔,interleaflet triangle穿孔
7.2.4 First rowの糸かけによる僧帽弁損傷,膜様部心室中隔穿孔
7.2.5 遺残弁逆流
7.3 大動脈弁へのアプローチ,閉鎖時
7.3.1 外側からのRCA損傷
7.3.2 大動脈壁高度石灰化時,AS石灰化除去後洗浄(Ao側も)
7.3.3 Ao閉鎖前のベントoff(脱気),aortotomy閉鎖糸による大動脈解離(基部)
第8章 僧帽弁手術の落とし穴
8.1 僧帽弁置換術
8.1.1 弁周囲逆流
8.1.2 冠動脈損傷,伝導路損傷,大動脈弁損傷
8.1.3 左室破裂
8.1.4 僧帽弁輪石灰化(MAC)
8.1.5 人工弁の向き,生体弁への糸のギャザリング
8.1.6 機械弁使用時のベントの引っかかり:真ん中を通さない
8.2 僧帽弁形成術
8.2.1 SAM(起きやすい条件,対処法)
8.2.2 リングのひずみに注意:回転しないよう,リングスーチャー幅の調整
8.2.3 弁尖縫合時の単結節縫合:縫合糸間からのリーク
8.2.4 弁尖縫合時の連続縫合:パースストリング効果による弁尖高短縮
8.2.5 バンド縫着:左右線維角付近の弁輪糸かけに注意
8.2.6 リークが残った:どこまで頑張るか?
8.2.7 生食逆流テストによる見落とし(透明なため),blood cardioplegia液がよい
8.3 僧帽弁へのアプローチ,閉鎖時
8.3.1 右側左房切開時のRA損傷
8.3.2 Superior transseptal incisionの落とし穴
8.3.3 僧帽弁視野出しプレジェットの取り忘れ
第9章 三尖弁手術の落とし穴
9.1 リングスーチャーによる弁輪損傷,腱索巻き込み,RCA損傷
9.2 大動脈弁,Valsalva洞損傷
9.3 房室ブロック
第10章 複合弁手術の落とし穴
10.1 大動脈弁置換術+僧帽弁置換術の順番
10.2 人工弁干渉:AVR+MAP, AVR+TAP
第11章 大動脈手術の落とし穴
11.1 オープンステント偽腔挿入
11.2 FET後の大動脈リモデリングによる対麻痺
11.3 人工血管長すぎ(溶血性貧血,遠隔期椎体圧迫骨折による人工血管の屈曲)
11.4 人工血管短すぎ(吻合部破綻)
11.5 吻合部仮性瘤(BioGlue)
11.6 右房への1本脱血の落とし穴
11.7 大動脈解離:弓部分枝テーピングの落とし穴
11.8 大動脈連続縫合の落とし穴
11.9 基部大動脈交連部resuspensionの落とし穴
11.10 急性大動脈解離診断ミス
11.11 全弓部置換術における脆弱な分枝再建
第12章 Maze手術の落とし穴
12.1 左PV isolation時のLV ベント焼却離断
12.2 左PV isolation時の気管支損傷
第13章 先天性心疾患手術の落とし穴
13.1 動脈管損傷
13.2 横隔膜神経損傷
13.3 食道損傷
13.4 伝導路損傷
13.5 冠動脈損傷(解剖学的異常)
13.6 VSD閉鎖パッチによる左室流出路閉鎖
13.7 チアノーゼ性心疾患異常側副血行路症例の開胸における大出血
13.8 Jatene手術におけるLecompte法にした後のやり直し
13.9 RUPVベント挿入時の後壁損傷
13.10 ASD閉鎖後LOS
第14章 TEVARの落とし穴
14.1 アクセストラブル
14.2 ガイドワイヤートラブル:ガイドワイヤーによる解離
14.3 Migration,中枢および末梢の解離・瘤化
14.4 B型解離エントリー閉鎖後急速拡大
14.5 遠隔期ステント関連感染
14.6 debranch部分の感染
第15章 TAVIの落とし穴
15.1 大動脈解離,損傷
15.2 バルーン破裂
15.3 TAVI弁migration(心臓側,大動脈側)
15.4 僧帽弁腱索損傷
15.5 心尖部心筋損傷
15.6 ガイドワイヤー引き抜け
15.7 左室穿孔,破裂
15.8 TAVIクリンプ時の落とし穴
第16章 MICSの落とし穴
16.1 DCパッド貼り忘れ
16.2 対側肺気胸,縦隔圧迫
16.3 解剖学的視野不良
16.4 下肢虚血(NIRS必須)
16.5 再膨張性肺水腫
16.6 ベントチューブによるLV損傷
16.7 左心耳損傷
16.8 Abdominal compartment syndrome
第17章 感染性心内膜炎の落とし穴
17.1 Vegetationによる冠動脈塞栓
第18章周術期管理の落とし穴
18.1 術前
18.1.1 術前説明直後の急死
18.1.2 術前浣腸後の心停止
18.1.3 鼻腔内MRSA
18.1.4 消化管出血(便潜血)
18.1.5 口腔内衛生
18.1.6 術前ヘパリン置換不良による脳梗塞など
18.2 術後
18.2.1 ベッド移動時のVf
18.2.2 ドレーンミルキング(胸膜痛,バイパスグラフト損傷,抜去)
18.2.3 右心耳縫着の一時的ペースメーカによる上行大動脈損傷
18.2.4 CVカテーテル抜去後の空気塞栓
18.2.5 術後DVT
18.2.6 術後せん妄
18.2.7 認知症:手術による心不全回復で正常化することあり
18.2.8 非閉塞性腸管虚血(nonocclusive mesenteric ischemia:NOMI)
第19章 その他の落とし穴
19.1 術野上でのメスの落下
19.2 トロッカー挿入による肺損傷
19.3 術中のメス刺し,針刺し
19.4 Cクランプを使用した血管への人工血管端側吻合時の後壁損傷,縫い込み
19.5 破損した手術器具の左室内遺残
19.6 カニューラ,ドレーンチューブ固定時の針による損傷
19.7 各種処置時間帯
19.8 運針時の手の震え
番外編
EX.1 再胸骨切開時の落とし穴:安全な再手術のために
EX.2 心臓移植の落とし穴
索 引