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塩とメダカとくすりのうごき。
水槽図でイメージする薬物動態の本
筆頭著者 福岡 憲泰 (著)
日本大学薬学部病院薬学研究室 教授
南山堂
電子版ISBN 978-4-525-98456-4
電子版発売日 2022年9月5日
ページ数 153
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-525-72751-2
印刷版発行年月 2022年8月
書籍・雑誌概要
お薬を塩とメダカに,からだを水槽図に置き換えて,専門家とともにまとめた薬物動態の超入門書!からだの中の「くすりのうごき」を,文字による解説と数式だけでは理解できなかったという経験,そして,病院薬剤師として培ったさまざまな臨床経験,大学教授として薬学教育に携わった経験,それら著者自身の経験から導き出した薬物動態の考え方を「苦手さん」目線で解説した.
目次
第1章 「くすりのうごき」から薬物動態パラメータをみる
1 ADME─薬はからだの中をどのようにめぐるのか?
2 コンパートメントモデル─からだを水槽と見立てると?
3 一次反応(消失)速度─メダカの減り方は?
4 分布容積─水槽の大きさを調べるには?
5 クリアランス─底の穴に流れ込む塩水の流量と除かれる塩分量の関係は?
6 半減期─メダカの数が半分になるときは?
7 消失速度定数─入れ替わる水の割合は?
8 定常状態─メダカの数が一定になるには?
9 1-/2-コンパートメントモデル─仕切り効果の違いは?
10 トラフ値─塩が水槽全体にいきわたったあとの濃度は?
11 生体内利用率─ふるいがある水槽の塩分濃度は?
12 吸収速度定数─水槽間のメダカの移動は?
第2章 「くすりのうごき」をよんで答える
1 「Vd/F」,「CL/F」と表記される理由
2 脂溶性薬物の分布容積が大きい理由
3 定常状態における「平均濃度」の考え方
4 分布容積が30Lや300Lとなる薬の分布状態
5 クリアランス=分布容積×消失速度定数の考え方
6 1-/2-コンパートメントモデルの使い分け
7 肝・腎機能低下時の投薬の考え方
8 消失半減期の求め方
9 吸収速度定数の考え方,利用法
第3章 「くすりのうごき」と投与設計
1 薬の効果を評価する指標は?
2 血中濃度はいつどのように測定し,評価するのか?
3 なぜ投与直前で採血するのか?
4 なぜ採血時刻を指定する(守る)のか?
5 薬はいつから効き始めるのか?
6 服薬を止めたら,薬はいつ頃体の中から消失するのか?
7 投与量の換算に注意が必要な場合とは?
8 線形,非線形の薬における投与設計の留意点とは?
9 初回量(負荷量)と維持量を区別する薬とは?
10 クリアランスが維持投与速度の目安になる理由は?
11 クレアチニンクリアランスの計算式の活用方法は?
第4章 ケーススタディ 推論する「くすりのうごき」
1 非トラフ値からトラフ値の推定─バルプロ酸
2 定常状態を想定して行う投与設計─ジゴキシン
3 投与設計に及ぼす体重変動の影響─フェニトイン
4 投与設計に及ぼす体温変動の影響─ミダゾラム
5 「3つのみかた」で血中濃度を推論する
索引