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クリニカルファーマコメトリクス

クリニカルファーマコメトリクス
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筆頭著者 辻 泰弘 (編)

日本大学薬学部薬剤師教育センター 教授

その他の著者等 猪川和朗 編
笠井英史 編

南山堂

電子版ISBN 978-4-525-98307-9

電子版発売日 2019年7月22日

ページ数 369

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-525-72381-1

印刷版発行年月 2019年6月

DOI https://doi.org/10.15104/9784525723811

書籍・雑誌概要

医薬品の有効性・安全性を予測する新規手法として,近年,医薬品開発で注目のファーマコメトリクス.これは実臨床での薬物治療を個別最適化することも可能にする.本書は,初学者でもファーマコメトリクスの基礎,さらに臨床で活用する知識とスキルを身につけられるようにわかりやすく解説した入門書である.

目次

第1章 クリニカルファーマコメトリクスとは
 1.ファーマコメトリクスの概要
 2.ファーマコメトリクスの沿革
 3.ファーマコメトリクスの発展
 4.TDMとクリニカルファーマコメトリクスの違い
 5.クリニカルファーマコメトリクスとModeling&Simulation
 6.クリニカルファーマコメトリクスの役割と今後

第2章 クリニカルファーマコメトリクスに必要な数学
 1.イントロダクション
  A.本章の目的
  B.数学を知ることの意義
  C.個体間変動と個体内変動
 2.数理統計
  A.指数関数と対数関数
  B.正規分布,対数正規分布
  C.標準誤差
  D.平均,標準偏差と例数との関係
  E.尤度
  F.尤度比検定
  G.赤池の情報量規準(Akaike's Information Criterion:AIC)
  H.回帰分析
  I.ロジスティック回帰
  J.欠測データの取り扱い
  K.検出限界と定量下限
 3.コンパートメントモデル解析
  A.物質量収支を表す微分方程式によるコンパートメントモデルの記述
  B.ラプラス変換・逆変換
  C.ボーラス(ワンショット)投与1-コンパートメントPKモデルでの例示
  D.点滴および経口投与1-、2-コンパートメントPKモデル
 4.ベイズ解析
  A.クリニカルファーマコメトリクスにおけるベイズ
  B.ベイズ解析の理論および特徴

第3章 PKの計算原理の理解およびExcel®を用いた演習
 1.0次反応および1次反応モデル
  A.0次消失速度過程
  B.1次消失速度過程
  C.0次および1次消失速度過程
  D.添付文書に記載の薬物動態で知る消失過程
  E.非線形薬物
 2.薬物クリアランス(腎排泄・肝代謝)
  A.薬物のCLと排泄
  B.クレアチニンクリアランス(creatinine clearance:CLcr)と糸球体ろ過速度(GFR)の違い
 3.分布容積の概念
  分布容積と組織移行性
 4.消失速度定数と消失半減期
  A.消失速度定数
  B.消失半減期
  C.バイオアベイラビリティ
 5.経口投与と吸収速度定数
 6.薬物濃度の考え方
  A.薬物濃度(血中・作用部位)と平衡関係
  B.タンパク結合率(タンパク遊離形とタンパク結合形)
  C.タンパク結合変化に及ぼす変動要因
  D.アルブミンとタンパク結合率
 7.AUCとクリアランス
 8.定常状態の概念
  A.重ね合わせの原理
  B.消失半減期が短い薬物
  C.消失半減期が長い薬物
  D.蓄積比(accumulation ratio,R)
 9.表計算ソフトフェアExcel®を用いたPKの理解
  A.薬物動態パラメータの四則演算
  B.経口1-コンパートメントPKモデルのシミュレーション
  C.点滴静注1-コンパートメントPKモデルのシミュレーション

第4章 PK/PDの計算原理の理解およびExcel®を用いた演習
 1.薬動力学の概念―薬物動態学(PK)と薬動力学(PD)の結びつきを理解する―
  A.PK/PD解析の概略
  B.PDとクリニカルファーマコメトリクス
  C.PDの効果指標
  D.PDの変動要因
 2.PDモデルの種類
  線形モデルおよび(シグモイド)Emaxモデル
 3.PD解析の種類
  A.直接反応モデル解析
  B.間接反応モデル解析
  C.時間のずれを考慮した効果コンパートメントモデル解析
  D.直接反応モデル解析,間接反応モデル解析および効果コンパートメントモデル解析のまとめ
  E.その他のPD解析(Exposure-Response解析)
 4.PD解析の演習
  A.リチウムの投与設計
  B.リバーロキサバンの投与設計 

第5章 Population解析の理論
 1.Populationの概念 
 2.Population解析の種類  
 3.非線形混合効果モデルと解析プログラム
  A.固定効果モデルと変量効果モデル
  B.解析プログラムNONMEM®
 4.Populationモデリング&シミュレーション
  A.Populationモデルの種類
  B.Populationモデルの構築方法
  C.Populationモデルの診断方法
  D.Populationモデルの適格性評価方法
  E.Populationモデルに基づくランダムシミュレーション
  F.Populationモデルに基づくベイズ推定と個別化投薬
 【演習問題】

第6章 解析プログラムNONMEM®の基本的な使い方
 1.NONMEM®の入手とインストール
  A.インストール手順
  B.テストファイルによる動作確認
 2.NONMEM®動作環境と解析支援ツール
  A.コマンドプロンプト
  B.Perl-speaks-NONMEM(PsN)
  C.RおよびXpose
 3.NONMEM®解析に必要なファイル
  A.データセット
  B.コントロールストリーム
 4.NONMEM®の起動・実行・終了
  A.起動
  B.実行
 5.NONMEM®実行結果の確認と解釈
  A.NONMEM®outputの構成
  B.outputの解釈
 【演習問題】

第7章 解析プログラムNONMEM®を用いたpopulation PKの理解
 1.PPK基本モデル
  A.構造モデル(コンパートメントモデル)
  B.個体間変動モデル
  C.個体内変動モデル
  D.バンコマイシン(VCM)の基本モデル構築
 2.PPK共変量モデル
  A.共変量の候補
  B.共変量モデルの構築
 3.最終モデルの適格性評価
  A.Shrinkage
  B.推定値の標準誤差と信頼区間
  C.診断プロット
  D.ブートストラップ
  E.Visual Predictive Check (VPC)
 4.シミュレーション
 5.PPKモデルに基づくベイズ推定と個別化投与設計
  A.シミュレーションによる初期投与設計
  B.ベイズ推定による個別化投与設計
 【演習問題】

第8章 解析プログラムNONMEM®を用いたpopulation PK/PDの理解
 1.到達目標と概説
 2.PPDモデル(PDモデルでの個体間・個体内変動の設定)
 3.PPKモデルとPPDモデルの統合方法
  A.IPP法によるPPDパラメータの推定
  B.PPP法によるPPDパラメータの推定
  C.PPKモデルとPPDモデルの同時解析
 4.PPK/PDモデリング&シミュレーションの実際
  A.直接反応モデルの場合
  B.効果コンパートメントモデルの場合
  C.間接反応モデルの場合
  D.その他のPDの場合
 5.PPK/PDモデルに基づくベイズ推定と個別化投与設計
  症例(鎮痛薬の効果コンパートメントモデル)