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乳癌診療のための分子病理エッセンシャル

乳癌診療のための分子病理エッセンシャル
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筆頭著者 津田 均 (編集)

防衛医科大学校病態病理学講座教授

その他の著者 木下貴之 編集
田村研治 編集

南山堂

電子版ISBN 978-4-525-98209-6

電子版発売日 2016年8月22日

ページ数 304

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-525-42141-0

印刷版発行年月 2016年7月

DOI https://doi.org/10.15104/9784525421410

書籍・雑誌概要

乳癌は,患者のサブタイプを見極め,治療効果や予後を予測しながら治療選択を行うことが標準的になってきた.本書では,サブタイプの違いの背景にある遺伝子変異や分子の変化が,治療効果や予後の違いにどのように直結し,どこまで予測が可能になっているのか,臨床医がおさえておくべきポイントを病理と臨床の両側面からわかりやすくまとめた.

目次

Part I 乳癌のサブタイプの理解につながる基本知識

A.乳腺の発生・発達・組織
 1.乳腺の発生・解剖・組織像
 2.乳腺の幹細胞仮説とluminal,basal,basal-like細胞の起源
 3.乳腺の発達とホルモンの働き

B.ホルモン受容体と遺伝子変異がもたらす乳癌の発症と生物学的特性への影響
 1.ホルモン受容体の発現の意義
 2.乳癌における癌遺伝子,増殖因子,受容体系シグナル伝達経路の活性化と細胞周期の変化
 3.乳癌関連癌抑制遺伝子とゲノム変化
 4.乳癌におけるheterogeneity

C.乳癌の組織型・組織像とその分子病理学的背景
 1.乳癌の病理組織像
 2.乳癌の各組織型およびgradeに特徴的にみられる分子変化
 3.多発性乳癌
  1)多発性乳癌の分子学的背景
  2)多発性乳癌の診断

D.乳癌の微小環境ならびに浸潤・転移に関わるしくみ
 1.乳癌における上皮間葉移行(EMT)
 2.浸潤性乳管癌の増殖・伸展における腫瘍間質および脈管内腫瘍組織が担う重要な役割

Part II 乳癌のサブタイプ分類と分子病理に基づいた治療

E.乳癌のサブタイプ分類
 1.内因性サブタイプから臨床的サブタイプ(IHC法によるサブタイプ)への変遷
 2.内因性サブタイプの特徴と臨床的サブタイプ(IHC法によるサブタイプ)との関係
 3.乳癌の分化仮説とtriple negative乳癌の遺伝子発現プロファイルによる亜分類
 4.Ki67スコアを基準にした分類

F.乳癌の予後予測マーカー
 1.再発リスクスコア ─ Oncotype DX,MammaPrint
 2.腫瘍サブタイプ ─ PAM50-ROR,Curebest 95GC,MPCP155
 3.予後予測マーカーと臨床学的因子
 4.外科治療における予後マーカーの有用性 ─ 乳癌のサブタイプが外科治療に与える影響

G.分子病理に基づいた乳癌の薬物療法戦略
 1.病理学的完全奏効(pCR)の予測因子とpCRをエンドポイントとした治療薬開発
 2.既存の抗悪性腫瘍薬の効果予測に関する分子病理
  1)ホルモン受容体陽性乳癌に対する治療戦略
  2)HER2陽性乳癌に対する治療戦略
  3)アンスラサイクリン系薬剤の効果予測因子
  4)basal-like乳癌,EMT,mTOR阻害薬
  5)triple negative乳癌の遺伝子発現プロファイル(マイクロアレイ)と薬剤感受性
 3.期待される分子標的薬と効果予測マーカー
  1)BRCA1/2変異陽性乳癌に対する治療戦略
  2)内分泌療法とCDK4/6阻害薬との併用
  3)PI3K/AKT阻害薬
  4)抗PD-1/PD-L1抗体
 4.期待される診断法 ─ 乳癌の診断および治療効果予測