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≪ケアをひらく≫
誤作動する脳
筆頭著者 樋口 直美 (著)
医学書院
電子版ISBN 978-4-260-64206-4
電子版発売日 2020年5月4日
ページ数 260
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-260-04206-2
印刷版発行年月 2020年2月
書籍・雑誌概要
「時間という一本のロープにたくさんの写真がぶら下がっている。それをたぐり寄せて思い出をつかもうとしても、私にはそのロープがない」――たとえば〈記憶障害〉という医学用語にこのリアリティはありません。ケアの拠り所となるのは、体験した世界を正確に表現したこうした言葉ではないでしょうか。本書は、「レビー小体型認知症」と診断された女性が、幻視、幻臭、幻聴など五感の変調を抱えながら達成した圧倒的な当事者研究です。*「ケアをひらく」は株式会社医学書院の登録商標です。
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目次
はじめに
I ある日突然、世界は変わった
今はないあの甘美な匂い
夜目遠目も脳の内
乗っ取られる耳
五感という名のメッセージ
見えない毒が忍び寄る
私の家の座敷童子
II 幻視は幻視と気づけない
幻視をVRで再現するまで
消えた女性と巨大グモ
幻視という孤独
呪いが解かれ怪物が消えた!
牢獄に差し込んだ光
「言葉」という人災
手放せない手綱
III 時間と空間にさまよう
私が時間を見失っても
指輪の埋まった砂漠を進め!
美しい糸で編まれてゆく時間
異界に迷い込むとき
お出掛けは戦闘服で
IV 記憶という名のブラックボックス
扉を閉めると存在が消える
なぜできないのかわからない
「できる」と「できない」を両手に抱えて
V あの手この手でどうにかなる
「見えない障害」の困りごと
目は脳の窓
眠るという苦行
自分の首を絞める手を放せ
「いただきます」までの果てしない道のり
料理が苦手な私たちへ
VI 「うつ病」治療を生き延びる
地獄の扉は開かれた
乗っ取られた体
六年間の泥沼から抜け出す
治療というジャングルの進み方
エピローグ
おわりに