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こどもセルフケア看護理論

こどもセルフケア看護理論
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筆頭著者 片田 範子 (編)

医学書院

電子版ISBN 978-4-260-63929-3

電子版発売日 2019年10月21日

ページ数 256

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-260-03929-1

印刷版発行年月 2019年9月

DOI https://doi.org/10.11477/9784260639293

書籍・雑誌概要

オレム看護論に基づき理論構築された本理論では、セルフケアが充足されない状態について、成長発達するというこどもの特性から、こども自身が充足させることができるようになるまでは、常に誰かに「依存」するのではなく、「補完」されると捉えたことが特徴。本書では、理論全体はもちろんのこと、看護支援の実際、理論を用いた実践報告、理論構築に至る過程も含めて詳説。実践に活用できる看護理論、堂々完成。

目次

執筆者一覧
研究者一覧
こどもセルフケア看護理論の発刊にあたって

第1章 こどもの力を引き出す看護を創り出すために
 A.こどもを看護するということ
  1.こどもがこどもらしくいられる社会
   1)こどもの成育環境
   2)こどもがこどもらしくいられる成熟した社会へ
  2.こどもと養育者
  3.こどもを理解するために必要な理論
   1)こどもの成長発達のあり様を知り判断することに関する知識やツール
   2)こどもの発達を踏まえてこどもの反応の意味を理解するための理論
   3)こどもが葛藤したり不安を抱いたりすることを理解するための
       自我や防衛機制(精神力動論)
   4)状況の変化に関連した体験を理解する理論
   5)こどものストレス等への対応・調整する能力を使ってケアに活かす理論
   6)家族の理解を助ける理論
  4.こどもセルフケア看護理論によって何が変わるのか
  Column 実践現場におけるオレムのセルフケア不足理論導入の効果
 B.こどもセルフケア看護理論の基盤となるオレム看護理論
  1.オレム看護理論の基本的な考え方
   1)オレム看護理論
   2)セルフケア理論
   3)セルフケア不足理論
   4)看護システム理論
   5)治療的セルフケア・デマンド
 C.こどものみかた
  1.年齢にみるこども
  2.基本的なこどもの捉え方
   1)こどもは,人格と権利を持つ存在である
   2)こどもは,自らを発達させることができる存在である
   3)こどもの生きる力(「生きている力」と「生きていく力」)に着目する
  3.こどもを考える上で必要な用語と表現
 D.こどもセルフケア看護理論の構造と目的
  1.こどもセルフケア看護理論の構成
  2.こどもセルフケア看護理論を活用する意義

第2章 こどものセルフケア
 A.こどものセルフケア
  1.こどものセルフケアとは
   1)こどもセルフケア看護理論でのセルフケアの定義と特徴
   2)こどものセルフケア概略図の説明
   3)こどもの成長発達と生活
   4)こどもの成長発達とセルフケア能力の発達
   5)こどものセルフケア能力の発達とセルフケア
   6)こどものセルフケアの発達に必要なこと
 B.こどものセルフケアにおける基本的条件付け要因
  1.基本的条件付け要因とは
  2.こどもセルフケア看護理論における基本的条件付け要因
 C.こどものセルフケア能力とその発達
  1.こどものセルフケア能力
  2.こどものセルフケア能力の発達とセルフケア
  3.セルフケア能力の2側面
  4.セルフケア能力の形式の構造
   1)基本となる人間の能力と資質
   2)力(パワー)構成要素
   3)セルフケア操作能力
  Column 学童期の糖尿病をもつ患者が自己管理責任を学ぶための
         準備状況の評価に関する事例とその解説
 D.こどものセルフケア要件
  1.こどものセルフケア要件の特徴
  2.セルフケア能力とセルフケア要件
  3.セルフケア要件の充足
  4.こどもの普遍的セルフケア要件
  5.こどもの発達的セルフケア要件
   1)こどもの発達を促進する条件の提供
   2)こどもの自己発達
   3)こどもの発達の阻害
  6.こどもの健康逸脱に対するセルフケア要件

第3章 こどものセルフケア不足
 A.こどもにおけるセルフケア不足
  1.こどもにおけるセルフケア不足
  2.「依存」から「補完される」とする考え方
  3.こどもにとって補完されるケア
 B.こどもと親または養育者の関係
  1.こどもと親または養育者の関係
  2.こどものセルフケア不足を補完する力とは

第4章 こどもへの看護支援
 A.こどもセルフケア看護理論における看護実践の構造と内容
  1.「こどもに必要なセルフケア」
  2.「こどものセルフケア能力」と,こどものセルフケアを補完する
      「親または養育者のケア能力」
  3.「看護者の能力」
 B.こどものセルフケア能力を引き出す看護の役割
 C.こどもセルフケア看護理論における看護システムの基本構造
  1.看護システムの目標
  2.看護システムの基本構造
 D.こどもセルフケア看護を構成する要素
  1.看護範囲の決定と看護することについての合意
  2.こども(ケアを受ける本人),ケアを提供する者,その役割の明確化
  3.「こどもに必要なセルフケア」の確定
  4.こどものセルフケア能力と可能な行動の確定
  5.親または養育者の,こどものセルフケアを補完するケア能力と可能な行為の確定
  6.看護として行うケアの確定
  7.こどもセルフケア看護の計画策定
 E.こどもセルフケア看護のアセスメントの概要
  1.アセスメントの実施
  2.家族システム要因
 F.アセスメントと看護として行うケアの確定
  1.「こどもに必要なセルフケア」の確定
  2.こどものセルフケア能力と可能な行動の確定
   2-1)こどものセルフケア要件を満たす力のアセスメント
   2-2)こどものセルフケアを行う力のアセスメント
   2-3)こどものセルフケアの限界のアセスメント
   2-4)こどものセルフケア能力とセルフケアの限界を合わせたアセスメント
  3.親または養育者がこどものセルフケアを補完するケア能力と可能な行為の確定
   3-1)親または養育者のこどものセルフケア要件を満たす力と
        可能な行為のアセスメント
   3-2)親または養育者のこどものケアを行う力のアセスメント
   3-3)親または養育者のケアの限界のアセスメント
   3-4)こどものセルフケアを補完する親または養育者のケア能力,
        ケアの限界を合わせたアセスメント
  4.セルフケア不足:看護として行うケアの確定
  5.こどもセルフケア看護の計画策定
 G.援助方法と看護システムのタイプ
  1.援助方法
  2.こどもへの看護システムのタイプ─3つの基本型
   1)全代償的看護システム
   2)一部代償的看護システム
   3)支持・教育的(発達的)看護システム
 H.こどもセルフケア看護の実践
 I.こどもセルフケア看護の評価
 J.こどもセルフケア看護の設計の例
   1)基礎情報
   2)既往歴
   3)現病歴
   4)情報とアセスメント
   5)セルフケア不足のまとめ
   6)こどもへの支援:看護計画

第5章 こどもと家族
 A.こどもへのケアと家族へのケア
 B.こどもセルフケア看護理論における家族のみかた
 C.こどもセルフケア看護理論における家族の位置付け
 D.こどもセルフケア看護理論における家族へのケア
  1.家族システム要因のアセスメント
   1)家族システムの5つの特性からのアセスメント
   2)家族の多面的なアセスメント
  2.こどもセルフケア看護理論における家族へのケア
   1)こどものセルフケアを補完する親または養育者へのケア
   2)家族システムを調整するケア
 E.家族システムを調整するケアとこどものセルフケアを補完する
     親または養育者のケア
   1)家族のシステムの変化を時間軸で捉える
   2)家族システムをアセスメントする
   3)家族システム要因のアセスメントに基づき,家族ケアを考える
  Column 健康な家族システムの図式化
  Column 家族発達理論の考え方─家族の発達段階と発達課題

第6章 こどもセルフケア看護理論の活用事例
      事例の前に─実践から見る看護者に必要な力・親または養育者に求める力
  1.実践から見る看護者に必要な力
  2.実践から見る親または養育者に必要な力
  事例1 [新生児・乳児期]こどもの在宅移行時の呼吸状態の
        安定化を図るセルフケア能力を高める支援
  事例2 [新生児・乳児期]NICUに入院中の終末期にある
        こどものセルフケアへの支援
  事例3 [幼児期]障害のあるこどもの発達に応じた親子関係を育む支援
  事例4 [幼児期]周術期で痛みや処置による恐怖感のあるこどもへの支援
  事例5 [学童期]複雑な疾患を抱え,セルフケア能力を
        発揮することが難しいこどもへの支援
  事例6 [学童期]外来での医療的ケアを必要とするこどもへの支援
  事例7 [学童期]こどもからのSOSを支援する看護の役割
  事例8 [思春期]中途障害により新たな生活の再構築を必要とするこどもへの支援
  事例9 [思春期]病棟での回復期の離床に向けたこどもへの支援
  事例10 [思春期]入退院を繰り返しながら成長してきた慢性疾患を持つ
        こどもの自立に向けたセルフケア能力を獲得するための支援

付章 こどもセルフケア看護理論の構築に向けた取り組み
  1.研究の全体像
  2.理論構築のプロセス
   1)概念に基づく看護介入の開発と概念の定義
   2)類似点と相違点の特定
   3)介入の臨床的思考と研究を通した検証
   4)研究結果の統合とテーマの発見
   5)ケアプロセスの異なるポイントで,異なる患者と家族のグループに
       提供される臨床観察とより多くの臨床観察,研究とその統合
   6)パターン,テーマ,相違点の発見
   7)さまざまなステージにおける研究結果の伝達

用語解
索引