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≪≪シリーズ ケアをひらく≫≫
介護するからだ
筆頭著者 細馬 宏通 (著)
医学書院
電子版ISBN 978-4-260-62802-0
電子版発売日 2016年9月5日
ページ数 288
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-260-02802-8
印刷版発行年月 2016年6月
書籍・雑誌概要
目利きで知られる人間行動学者が、ベテランワーカーの「神対応」をビデオで分析してみると……そこにあったのは“かしこい身体”だった! ケアの現場が、ありえないほど複雑な相互作用の場であることが分かる「驚き」と「発見」の書。なぜ真似で関係が動き出すのか、延長ジェスチャーとは何か、ズレと転用のテクニックはどう使われるのか、そしてマニュアルがなぜ現場で役に立たないのか——。暗黙知を言語化するとこうなる。
目次
はじめに
1 動きをつくる動き
真似で関係が動き出す
視界の介護?
並んでだったらできる
声と動作はシンクロする
裏切りの動きに乗せられて
得意技で時間を動かす
「よいしょ」の謎
差異の感覚が声をつくる
2 かしこい身体に気づく
しぐさは忘れない
「聞く」という表現
タイミングで会話する
ずれているからうまくいく
三角の仕立て職人
不思議な拍手
ことばにされないルール
3 カンファレンスという劇場
日誌が閉じられるとき
ジェスチャーは終わらない
空中に書く共同ノート
オノマトペが呼び招く
場所が記憶を持っている
そこに居るのは誰?
4 環境に埋め込まれた記憶
洗濯物は難しい
「家らしさ」はどこから来るか
立派なおくどさん
フードコートの晩餐会
5 音楽が動きをひらく
語りと歌のあいだ
三橋美智也、畏るべし
真似から即興へ
ルール自体を即興する
その先のヘイ・ジュード
6 持続と変奏-彼らのやり方
スリッパという曲芸
ポテトとポッキー
畑を耕すように描く人
形に「時間」が潜んでいる
「にっき」を書く人、「日記」にする人
7 心ない心理学へ
ナマの相互行為を見る方法
テレビとのたたかい
人に「心」はあるか
「メディアの等式」と介護ロボット
「心の理論」と身構え
終章 なぜあの人は「できる」のか
1 スリップ(間違い)にヒントがある
2 スリップを開いてつながるために
3 まずは注意の獲得、そして「粘り強さ」
4 一ではないところからやり直す-会田さんのベッド介助
5 拒否の手前で動き直す-滝井さんの食事介助
6 身体で示し合う-藤田さんの延長ジェスチャー
7 「開き続けている身体」を発見し、再調整する
あとがき