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筆頭著者 岩田 誠 (他編)
その他の著者等 河村 満
医学書院
電子版ISBN 978-4-260-60996-8
電子版発売日 2016年6月6日
ページ数 240
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-260-00996-6
印刷版発行年月 2010年7月
書籍・雑誌概要
人は言葉だけでなく、自分の体や周りの空気、時間などあらゆるものを使って他者とのコミュニケーションを図っている。果たして脳は、それらの情報をどのように処理し、意味づけているのだろうか。脳とこころの不思議に迫る≪脳とソシアル≫シリーズ第3弾。
目次
I 顔の脳科学
1 モナ・リザの微笑み-顔ニューロンが問いかけるもの
まえおき-豊倉康夫先生の慧眼と碩学に学ぶ
A 顔認知研究の歴史
B サルにおける顔アイデンティティの認知
C ヒトの顔認知と脳の活動部位
D 扁桃体と顔ニューロン
E 顔ニューロンが問いかけるもの
おわりに
2 顔の脳科学
非侵襲的脳機能検査法
3 脳波と脳磁図を用いた顔認知の研究
A 脳波と脳磁図
B 顔認知のメカニズム
おわりに
4 自分の顔を見る
A 自分の顔と「自己」
B 単一の「自己」システムは存在するか?
C 自分の顔の3つの「顔」
D 「自己」は再統一されるか
おわりに
5 顔を通じた対面コミュニケーション
A コミュニケーションにおける顔
B 表情を介した感情伝達
C 顔の動きと表情
6 視線認知の障害
A 他者の目を検出する
B 視線の向きを処理する
C 視線方向に注意を転動する
D 視線を追う
E 追視から他者理解に至るまで
F ここまでのまとめ
G 精神障害における指線認知の障害
おわりに
II コミュニケーション・スキルと脳
1 身体性コミュニケーションとその障害
A もしも言葉がなかったら
B 身体性コミュニケーションの神経メカニズム
C 自分を知り,他人を知る
おわりに
2 ストレス,遺伝子,そして扁桃体
扁桃体との出会い
A ストレス・情動と扁桃体の関係
B 遺伝子多型と扁桃体
C 性と扁桃体
D 精神疾患と扁桃体
E 文化・人種と扁桃体
扁桃体研究のこれから
3 他者と関わる前頭葉-思考を読み取る脳内機構
A ミラー・ニューロン
B 他者の動作のコピーから予測,そして意図の解読へ
C ヒトのミラー・システム
D 社会性と自閉症
E ミラー・ニューロンの展望と問題
4 脳指紋とコミュニケーション・スキル
A 脳指紋(うそ発見器,真実検出器)
B 内因性の誘発電位としてのP300
C P300の特性
D P300による実際の虚偽・真実検出(脳指紋)
E ノンバーバルコミュニケーション・スキル
F P300による意思伝達装置
G そのほかのbrain-computer interface(BCI)
おわりに
III 社会の中でのコミュニケーション
1 囚人のジレンマにおけるかけ引きと脳活動
A 囚人のジレンマゲーム
B 報酬系の脳部位と強化学習
C 囚人のジレンマと脳活動
おわりに
2 人格を破壊する脳深部の小さな梗塞-視床背内側核と“sociopathy”
A 人格と人格変化-最も定義しにくい神経症状
B 意識が回復したら人格が変わっていた
C 視床傍正中動脈梗塞の神経心理学-情動と行動様式に着眼して
D 前頭葉サーキットの要-視床背内側核
E “Sociopathy(社会症)”と遂行機能障害
-ノンバーバルコミュニケーションの観点で
F 視床背内側核と統合失調症
おわりに
3 わが道を行く症候群(“going my way” syndrome)
-ピック病のコミュニケーション障害
A ピック病の‘わが道を行く’行動とは?
B 症例呈示
C FTDとSDのコミュニケーション障害
おわりに
4 心的外傷と感情抑制-PTSDの神経機構
A PTSDの脳画像研究
B PTSDの脳病態仮説
C PTSDの病因仮説
おわりに
IV 脳科学の社会的意義
1 脳科学と社会の関係はいかにあるべきか?
はじめに-専門家集団と社会の関係
A 科学にとって「社会」とは何か?
B 科学と社会-歴史的・文化的背景
C 脳科学と社会-脳神経倫理の動向
おわりに
あとがきにかえて
索引