画像診断 36巻10号 (2016年8月)

特集 非腫瘍性消化管疾患の画像診断 −beyond barium study and endoscopy−

序説 白神 伸之

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日常診療では,急性腹症のみならず腹痛や腹部不定愁訴の精査にCT検査が優先されることは稀でなく,虫垂炎はじめ非腫瘍性消化管疾患が発見される機会は多い.合併症や腸間膜病変も含め,CTでは消化管を多方向から詳細に観察することができ,その正確な診断に最も有用な検査である.

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CTは消化管や腸間膜,その他の腹部臓器の全体像を俯瞰することができ,多くの腹部疾患の診断に有用である.特に,腸回転異常や消化管ヘルニアのように臓器の位置異常を伴う疾患の診断に役立つ.腸回転異常では,十二指腸水平脚および盲腸の位置の確認が肝要であり,消化管ヘルニアにおいては,正常構造とヘルニア門との位置関係を正確に同定する必要がある.

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虚血性腸疾患における腸管病変は低酸素性組織障害であり,血管内腔閉塞,血管病変,血流減少など様々な原因による組織血流障害によりもたらされる.患者の予後は虚血の原因や障害の程度により異なるが,致死率が50〜90%に及ぶ致命的な疾患であり,早期診断と速やかな対処が求められる.MDCTは本疾患に対して第一選択の画像診断法とされ,その活用は臨床上重要である.

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炎症性腸疾患の診断において,CT検査は,腸管壁の評価のみならず腸管壁外への病変進展や腸管外病変の把握が可能なこと,患者への検査負担が少ないことから,活動性や合併症を含めた全体像の評価に有用である.

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わが国の炎症性腸疾患患者は年々増加しており,予後改善のため粘膜治癒が治療目標となり,その達成にモニタリングによる治療の最適化が推奨されている.潰瘍性大腸炎の画像診断としてCT colonographyは,前処置や放射線被ばくなどの課題は残るが,低線量CTの導入などで内視鏡の代替検査法として期待できる.

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MR enterographyとは腸管造影剤を経口投与し小腸を拡張させた後に撮像する方法で, Crohn病が主に対象となる. Crohn病には,活動性炎症,穿孔および瘻孔,狭窄,修復と再生といった画像所見の特徴があり,腸管および腸管外病変についての評価が必要である.

全身性疾患による消化管疾患 小山 貴
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消化管には血管炎症候群,いくつかのアレルギー性疾患,アミロイドーシス,強皮症,遺伝性毛細血管拡張症といった様々な全身性疾患による病変がみられる.個々の病変における消化管病変の画像所見は非特異的であるが,特徴的な臨床像を把握することにより,消化管病変が何らかの全身性疾患に伴うものであることを示唆することが可能である.

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小児期の消化管疾患の中で,比較的高頻度に遭遇する疾患や,見逃してはいけない疾患について,主として超音波所見を中心に解説する.これらの疾患の中には小児期を過ぎてから発症しうるものもあり,それぞれの特徴的な画像所見を理解しておくことは重要である.

すとらびすむす

雲を眺めて 中島 康雄

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60歳台,男性.右鼻閉を主訴に近医を受診し,単純CTにて右上顎洞内から鼻腔内に進展する軟部組織吸収値を示す腫瘤を認めた.精査目的に当院を受診し,MRIが撮像された.

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胆道系のanomaly評価において,MRCP とDIC-CTの使い分け,適応などはどう判断すればよいのでしょうか.

膵管癒合不全の不完全型と正常例では,通常のMRCP ではどのように区別すればよろしいでしょうか? 背側膵管がみえたら癒合不全と判断してよいのでしょうか?

Picked-up Knowledge from Foreign Journals

肝細胞癌と門脈 岡田 吉隆
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CT・MRIで肝細胞癌の微小脈管浸潤を予測できるか?

EOB造影MRIによる肝細胞癌患者の門脈閉塞の診断

門脈閉塞の存在は肝細胞癌の診断を遅らせる

CASE OF THE MONTH

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70歳台,男性.主訴:左側腹部痛.既往歴:虫垂炎,鼠径ヘルニア,左アキレス腱断裂,前立腺肥大.現病歴:4か月前から左側腹部痛を認め,精査が施行された.

救急CT診断演習

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60歳台,男性.主訴:後頸部痛,発熱

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脳動脈解離は若年者における脳卒中の原因のひとつとして重要である.動脈解離の所見として知られている二重腔,壁在血腫などの証明が診断のカギになる.しかしながら,大動脈解離に比べるとはるかに細い血管が対象となるため,診断に難渋することも多い.各モダリティにおける所見を熟知し,様々なモダリティを用いて診断に当たる必要がある.

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画像診断
36巻10号 (2016年8月)
電子版ISSN:2432-1281 印刷版ISSN:0285-0524 学研メディカル秀潤社

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