助産雑誌 66巻1号 (2012年1月)

特集 入院の短期化に伴う母乳育児支援

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地域における分娩取り扱い施設の減少や集約化の動きの中で,中核病院に分娩が集中し,産褥入院を短期化させる施設が増えています。限られた入院の期間中,どのように支援すれば効果的に母乳育児を促すことができるでしょうか。特集では,短期化する産褥入院に対応するための母乳育児支援について学びます。

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妊娠中の母乳育児支援で大切なのは,「私にもできる」という自信を母親が持てるような支援をすることです。そのために,母乳育児について話し合いを持ち「どうすればうまくいくか」を実感できるような実習を,母親とともに実践してみてはいかがでしょうか。

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母乳育児支援において分娩直後から母児が自由に触れ合うことは,母乳育児を成功に導くなど,さまざまな恩恵があることが明らかになっています。

ここでは,母児の早期接触と早期授乳の具体的な支援方法について学びます。

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早期に母乳育児の確立を目指すためには,赤ちゃんのサインに合わせて効果的に授乳を行なうことが鍵になります。ここでは,入院中の母親が赤ちゃんのニーズを知り,母親と赤ちゃんとの協働作業による授乳を促す支援のポイントについて考えます。

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母親が困難を乗り越えて母乳育児を継続することと自己効力感には,関係があることがわかっています。ここでは,母親の自己効力感を高めるコミュニケーション・スキルと,母親が自分でできるようになる支援について学びます。

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母乳育児のリスクを抱えた母子は,一番援助の必要な時期に退院します。

退院後もスムーズに母乳育児が継続できるように,ここではリスクを見きわめた母子への支援について学びます。

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「黄疸のある赤ちゃん」「少し早めに生まれた赤ちゃん」など,母乳育児を行なううえで注意が必要な赤ちゃんは見きわめられます。

退院後も,きめ細やかな経過観察によって,母乳育児を可能にすることができます。

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初めての子育てに,初めての授乳。ほとんどの母親には退院後も支援が必要です。

家族はもちろん,友人,保健医療従事者などは連携して,“あなたは1人ではない”という具体的な情報と支援を母親に提供することが大切です。

連載 いのちをつなぐひとたち・1【新連載】

富樫直美さん 畑中 郁名子
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「助産師ボクサー」と呼ばれることもある。

前例のない2足のわらじは,メディアにたびたび取り上げられてきた。

NTT東日本関東病院の助産師として,お産の介助はもちろん,外来や病棟で女性のケアにたずさわるかたわら,プロボクサーとしてWBC女子世界王者の座を守り続ける。

そんなハードな生活は,3年目に入った。

連載 Motherへのまなざし・1【新連載】

連載にあたって 宮崎 雅子
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母になる女性に寄り添う助産という仕事の尊さ

 昨年11月,写真集『Mother いのちが生まれる』を医学書院から上梓することができました。『胎動』(ショパン)に続く2冊目の写真集であり,お産の写真を撮り続けたライフワークの集大成ともいえるべき本となりました。

 編集作業が進み始めた2011年3月11日,未曾有の大地震が起き多くの命が失われました。原発事故による放射性物質の飛散は,今も私たちの未来をじわじわと脅かしています。想像だにしない出来事に,人々の価値観は根底から大きく揺らぎました。

連載 女性骨盤底再入門 いま知っておきたいこと・4

分娩からみた骨盤底(2) 中田 真木
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 今回は,分娩によって起こる骨盤底の《傷み》について考えます。《損傷》と言うと筋や膜の断裂や剝離などをイメージしてしまいますが,分娩では支持組織が壊れるだけでなく,肛門挙筋の収縮力が落ちたり尿意が鈍ったりするなどの故障が起こります。支持組織の物理的な損傷と,神経や臓器の機能低下が合わさったものが骨盤底の不具合の総和となります。2つの問題をまとめて《傷み》と呼ぶことにします。

連載 臨床から発信!看護研究ことはじめ・10

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 皆さん,2012年新しい年となりました。いかがお過ごしでしょうか? 病院だと年末年始も関係なく過ぎ去ります。新人の皆さんは,早くも後輩を迎える時期が近づいてきました。仕事にも慣れて少し動けるようになったと先輩に言われるようになりましたか? 時間は待ってくれず,容赦なく過ぎていきますから,うまくいかないケアや勉強不足も積極的にトライして向上できるようがんばってください。

 さて,助産師2年目の桜さん,切迫早産で入院し治療が開始されたAさんに協力をいただき,ケーススタディを開始しました。Aさんとの会話を逐語録にして,結果から考察に向けて記述していく段階まで来ました!

連載 いのちのささやき・13

白い帽子の女の子 宮崎 雅子
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公園の芝生の上で ハイハイをしているの

おしりをふりふり しっかりと前に進みます

連載 りれー随筆・325

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「一緒に来ない?」

 助産師になって3年目,同僚から「若手助産師の集まりをするけど,一緒に来ない?」と誘われた。そして,そのあとに広がる人との出会いが助産師としての今の私に大きな影響を与えているので,今回はその当時のことを振り返って書いてみたいと思う。

 その日,「若手助産師の集まりとは?」と多少の疑問を抱きつつもちょっとワクワクして出かけた。場所は渋谷のウィメンズプラザ。行くとすでに誰か来ていた。同じ年頃の助産師で,大学病院で働いていると言った。自己紹介し合っていると,また誰か来た。今度の人は大学病院を辞めたばかりで今は助産院で働いていると言う。そしてまた誰か来た。そんなこんなで10人ほど集まった。

連載 バルナバクリニック発 ぶつぶつ通信・93

続々・運を味方に 冨田 江里子
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 先月号のジョイス(5歳)の話の続きである。

 餓死寸前まで痩せ細ったジョイスのところへ行った。今日がきっと母親のアマーナからジョイスを引き離す最後の機会だ。一か八かで助けを外に求める以外にない。そのためにはジョイスの周りにいる皆を説得しなければならない。

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はじめに

 母子の健康にとって母乳栄養は重要である。世界保健機関(World Health Organization:WHO)と国際連合児童基金(United Nations Children's Fund:UNICEF)は,1989年に共同で「母乳育児成功のための10ヵ条Ten Steps to Successful Breastfeeding」を発表した1)。そして現在わが国においても,母乳育児や愛着形成を鑑みてカンガルーケアが当たり前となり,分娩台で生後30分以内に乳頭吸啜を行なっている施設が多い。母乳育児をすることは母子および社会にとっても利点が大きく,「健やか親子21」においても母乳育児の割合が増加することが目標として掲げられている2)。そして完全母乳栄養法が赤ちゃんに優しいと考えられるようになり,BFH(Baby Friendly Hospital:赤ちゃんにやさしい病院)を獲得する産院施設も増加してきている。

 一方,母親が母乳栄養を望んでいても現実に母乳栄養から混合栄養や人工栄養になることもあり,母乳栄養を勧めることが母親にとっては苦痛を伴わせる危惧があるという現実もある3)。そこで本研究は母乳栄養の確立に関連する要因を明らかにすることを目的とした。それらを明らかにすることによって,母乳栄養が確立する要因に焦点を合わせて,妊娠中から関連する要因を強化できるような保健指導や,適切な授乳指導の考案が可能と考えられる。

 なお,一般に母乳育児とは直接授乳を意味しているが,本研究においては対象者の中に一時的な搾乳による母乳授乳を行なった人も含まれている。よって児への栄養方法に主眼をおいて,方法の違いにより母乳栄養,混合栄養,人工栄養という表現を用いることにする。

この本,いかがですか?

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いのちの写真家・宮崎雅子さんの写真集『Mother』を読み終えて,私は,妊娠中の方や出産をされる方々に,このうえもない道標になるであろうと直感した。妊娠や出産の写真集は,これまでも何冊か観て読んできた。しかし『Mother』は,それらの写真集とはまったく異質なものである。多くの写真集は,写真家の個性による産物で,写実性と芸術性の表現のバランスによって,その主体となる被写体を物理的に映し出す。しかし本書は,それだけではなく,母になる女性が自然に獲得した,動物的な母性のエネルギーそのものを映し出し得た最初の写真集なのである。

 本書が,カタイ「医学書業界」のなかでもわが国最前線の医学書院から発刊されたことも大きな意義がある。これは立派な医学書でもある。

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医療・周産期領域の最近の話題

災害拠点病院の指定要件見直し全施設を耐震化

 厚生労働省は,災害で大量発生するけが人を受け入れる災害拠点病院の指定要件を見直すことを決めた。全施設の耐震化を進めるとともに,衛星電話などの通信手段の確保を新たに要件に加える。年内に都道府県に通知する。

 現行の要件では,救急診療を行なう施設だけに耐震化を求めていた。しかし,東日本大震災では,耐震化されていない建物の手術室が使用不能になるなど,一部の施設で混乱が見られた。そのため,都道府県に1か所指定されている基幹災害拠点病院は,全施設の耐震化を要件とする。それ以外の地域災害拠点病院も,全施設の耐震化を進める。

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助産雑誌
66巻1号 (2012年1月)
電子版ISSN:1882-1421 印刷版ISSN:1347-8168 医学書院

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