Heart View 25巻6号 (2021年6月)

特集 心不全集中講座 多様化する心不全をどう診てどう対処するか

企画にあたって 猪又 孝元

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FDG-PETは悪性腫瘍に使用されるモダリティであるが,心臓に関しては虚血の評価で用いられてきた。心臓サルコイドーシスでは2012年に炎症部位の診断に適応が広がり,2020年には心臓サルコイドーシスの疑い(心臓以外で類上皮肉芽腫が陽性でサルコイドーシスと診断され,かつ心臓病変を疑う心電図または心エコー図所見を認める場合に限る)への診断目的で検査施行が可能となった。筆者らの施設では,2012年からFDG-PETを心臓サルコイドーシスの診断および治療判定に使用しており,その有用性を報告している。本稿では,これまでの経験も踏まえて心筋疾患におけるFDG-PETの有用性について概説する。

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心不全と骨格筋異常の関連は,高齢化の背景を受けてサルコペニア・フレイルの概念とともに注目が集まる。その進展メカニズムやサルコペニア・フレイルとの関係について整理し,評価方法と意義について述べたい。

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心不全患者における栄養管理が重要であることが徐々に認知されつつあるが,まだまだエビデンスの少ない領域である。本稿では,急性心不全患者における重症度別の栄養評価・管理について解説する。

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わが国における医療は,都市も地方も原則的には「同じ」とされており,比較検討されたものは少ない。しかしながら,心不全のような「地域社会」の介入度合いによって予後に影響のある疾患の場合,住む地域によって介入方法は変化するべきである。

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腸内細菌ならびにその代謝物が,循環器疾患の病態に関連していることがわかってきた。超高齢社会の日本における心不全患者数の増加に対して,腸内細菌に注目した新たな治療法の可能性を探索しているので紹介したい。

識る6

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従来,アミロイドーシスは診断が難しく,きわめて予後不良な疾患と考えられていた。Amyloid transthyretin(ATTR)アミロイドーシスに対する治療選択肢としてタファミジスが登場し,amyloid light-chain(AL)アミロイドーシスに対する化学療法も日々進歩している。このような背景から,アミロイドーシスを正確に診断することが求められる時代となっている。本稿がALアミロイドーシスの診断の一助となれば幸いである。

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心不全患者の総イベントに占める心臓突然死の割合は高い。新たなデバイスとして完全皮下植込み型除細動器(subcutaneous-implantable cardioverter defibrillator:S-ICD),着用型自動除細動器(wearable cardioverter defibrillator:WCD)が登場した。本稿では,これらをいかに活用するかを概説する。

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心臓の最も重要な仕事は,全身の組織が必要な酸素,すなわち血液を供給することである。心不全患者においては,最初に運動時に十分な心拍出量(cardiac output:CO)を確保することができなくなる。原因として,一回拍出量(stroke volume:SV)が十分増加できないか,心拍数が十分増加できないかのいずれかが考えられる。

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これまで左室駆出率(left ventricular ejection fraction:LVEF)の低下した心不全患者(heart failure with reduced ejection fraction:HFrEF)における標準的治療は,レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系薬剤およびβ遮断薬などであった。しかし,最近になり標準的な薬剤に上乗せすることにより,HFrEF患者に対してさらなる死亡率の低下や心不全による再入院率を有意に低下させる薬剤が複数登場している。そこで本稿では,心拍を低下させることにより有効性を示すイバブラジンについて考察する。

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心不全治療では包括的に薬物療法のみならず,カテーテル治療や手術などの非薬物療法も重要である。わが国では2018年4月より外科ハイリスク症例に対して,MitraClipⓇを用いた経皮的僧帽弁クリップ修復術が施行可能となった。僧帽弁閉鎖不全症(mitral regurgitation:MR)に伴う心不全の治療について,カテーテル治療を含めて成因別に述べる。

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劇症型心筋炎(fulminant myocarditis)の管理に体外式膜型人工肺(extracorporeal membranous oxygenation:ECMO)が用いられてきたが,左室アンローディングを可能にするImpella®と併用することで,左心負荷軽減・肺水腫改善によるECMOの早期離脱を目指すことが可能となった。現在,急性期心筋障害の減少を目的とした治療戦略が検討されつつある。

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「心肺運動負荷試験(cardiopulmonary exercise testing:CPX)ガイド下の心臓リハビリテーション(運動療法,以下心リハ)=嫌気性代謝閾値(anearobic threshold:AT)レベルで運動する」ことは心リハの基本である。CPXには,ATや最大酸素摂取量(peak VO2)を知ること以外にも,心不全の病状を把握するのに役立つ情報が詰まっている。

連載 心臓の解剖【知っておきたい知識 -疾患の病態生理から治療へつなげる解剖学-】

第3回

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●左房は,原始心房(PrA)由来組織[左心耳(LAA),左房前壁(LAAW),左房側心房中隔(L-IAS),左房後壁下部(L-LAPW)]と,総肺静脈(cPV)由来組織(天井を含む左房後壁上部(U-LAPW))より構成されている。

●PrA由来組織とcPV由来組織の間には,明瞭な構造境界(左房リング)が存在し,その境界の心外膜側には自律神経叢が集簇している。

●PrA由来組織とcPV由来組織の関係は,「鍋と蓋の関係」になっている。

●発作性,持続性,永続性心房細動の病態はcPV由来組織にはじまりPrA由来組織に拡がる構造的・電気的リモデリングに起因している。

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目次

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基本情報

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Heart View
25巻6号 (2021年6月)
電子版ISSN: 印刷版ISSN:1342-6591 メジカルビュー社

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