連載 心臓の解剖【知っておきたい知識 -疾患の病態生理から治療へつなげる解剖学-】
第3回
左房の基本構造と心血管疾患との関連
井川 修
1
1日本医科大学付属病院/セントマーガレット病院 循環器内科
pp.572-580
発行日 2021年6月9日
Published Date 2021/6/9
DOI https://doi.org/10.18885/HV.0000000573
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
●左房は,原始心房(PrA)由来組織[左心耳(LAA),左房前壁(LAAW),左房側心房中隔(L-IAS),左房後壁下部(L-LAPW)]と,総肺静脈(cPV)由来組織(天井を含む左房後壁上部(U-LAPW))より構成されている。
●PrA由来組織とcPV由来組織の間には,明瞭な構造境界(左房リング)が存在し,その境界の心外膜側には自律神経叢が集簇している。
●PrA由来組織とcPV由来組織の関係は,「鍋と蓋の関係」になっている。
●発作性,持続性,永続性心房細動の病態はcPV由来組織にはじまりPrA由来組織に拡がる構造的・電気的リモデリングに起因している。
Copyright © 2021, MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.