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はじめに
脳卒中後の重度上肢麻痺を呈した患者において,十分な機能回復が得られにくいことが示唆されている 1).一方で,急性期における運動麻痺回復に対する介入研究の報告は少ないものの,残存する皮質脊髄路の興奮性向上が重要視されており 2),発症早期からの積極的な上肢機能練習が重要と考える.
わが国で重度上肢麻痺に対する治療法として選択される機会が多い方法に,促通反復療法(17.7%)と電機刺激療法(38.4%)が挙げられている 3).促通反復療法は皮膚筋反射や伸張反射を用いて特定の運動を反復する脳卒中上肢麻痺に対する運動療法であり,神経筋電気刺激(neuromuscular electrical stimulation;NMES)を加えることで,その効果が促進される可能性が示されている 4).これまで促通反復療法に併用されているNMESの刺激強度は,前述の反射による随意運動の誘発を容易にすることを目的とし,目標筋の収縮は生じるが関節運動は誘発されない程度とされている 4).一方で,関節運動が十分に生じる強い筋収縮を誘発することを目的とした電気刺激の有用性も報告されている 5).筆者らも,自動運動が行えない重度上肢麻痺者においては,反射による随意運動の誘発に加え,関節運動を十分に伴う筋収縮を生じさせる刺激強度のNMESを,促通反復療法に組み合わせる必要性があると考える.実際に慢性期上肢麻痺に対して,電気刺激装置の外部トリガースイッチを用いて療法士の任意のタイミングで,運動閾値を超えるNMESを促通反復療法の運動に同期して加えることで,上肢機能改善が得られた症例報告がある 6).しかし,慢性期の報告に限られており,急性期における実践報告は散見されない.
今回,筆者らは被殻出血により重度上肢麻痺を呈した急性期症例に対して,電気刺激装置の外部トリガースイッチを用いて運動に同期させたNMES併用の促通反復療法による上肢機能練習を経験したため,若干の考察を踏まえて報告する.

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