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内容のポイント Q&A
Q1 人工肩関節の近年の進歩は?
近年の人工肩関節は解剖学的人工肩関節に加え,リバース型人工肩関節の普及により手術適応が大きく拡大した.従来は上腕骨コンポーネントを上腕骨内にすべて挿入し(inlay型),上腕骨の骨切りはやや寝た角度で行い,高分子ポリエチレンも顎が出た設計として,脱臼を予防していた.その後,inlay型に伴う肩甲骨ノッチング等の合併症を回避するために,骨切り角度をやや立った角度にし,骨切り部に金属製のトレイを乗せるonlay型が開発され,肩甲骨ノッチングの頻度は減少するようになった.また3次元画像に基づく術前計画やインプラント設計の改良により,早期の固定性と術前計画の再現性が向上し,早期からの可動域訓練が可能となっている.
Q2 人工骨頭置換術,解剖学的人工肩関節置換術,リバース型人工肩関節置換術の適応は?
人工骨頭置換術は上腕骨頭病変が主体で関節窩障害が軽度な症例に適応される.解剖学的人工肩関節置換術は関節窩(グレノイド)を含む変形性肩関節症において,腱板機能が保たれている症例が対象となる.一方,リバース型人工肩関節置換術は,腱板断裂性肩関節症やリウマチ性肩関節症,高齢者における上腕骨近位部粉砕骨折にも適応可能であり,術式ごとに術後リハビリテーションの条件が異なる.
Q3 術後リハビリテーション治療のプロトコールは?
術後リハビリテーションは,手術侵襲からの回復と,設置されたインプラントや再建肩関節に過度な負担がかからないよう,段階的に進めることが基本である.初期は適切な安静と疼痛管理を重視し,円弧運動や振り子運動から開始する.術式や腱板機能の有無により可動域制限や自動・他動運動の開始時期は異なり,術式の特徴を理解することが重要である.
Q4 機能予後や寿命は? どこまで使ってよいか?
人工肩関節は,インプラントの緩みや高分子ポリエチレンの著しい摩耗が生じず,肩関節を動かす力源である筋機能が保たれている間は機能が維持される.インプラントの寿命は10~15年が1つの目安とされている.活動範囲としてはゴルフまでの使用は許可しているが,5 kg以上の物を繰り返しもたないよう指導している.リハビリテーションでは「使える肩」を維持する視点で,動作指導と負荷管理を行っている.

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