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特集 人工冬眠がもたらす次世代医療に向き合う
冬眠がもたらす臨床応用の可能性
The potential of therapeutic hypometabolism based on synthetic hibernation
砂川 玄志郎
1
Genshiro A. SUNAGAWA
1
1理化学研究所生命機能科学研究センター冬眠生物学研究チーム
キーワード:
低代謝医療
,
Qニューロン誘導性冬眠様状態(QIH)
,
臓器保護
,
虚血耐性
Keyword:
低代謝医療
,
Qニューロン誘導性冬眠様状態(QIH)
,
臓器保護
,
虚血耐性
pp.1059-1063
発行日 2026年9月19日
Published Date 2026/9/19
DOI https://doi.org/10.32118/ayu298121059
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冬眠の本質は単なる低体温ではなく,自律的に生命活動の速度を落とす “低代謝状態” である.この概念を医学に応用する “低代謝医療” は,臓器側の酸素・エネルギー需要を一時的に低下させ,虚血再灌流障害や炎症を抑制する画期的な治療アプローチとして期待されている.本稿では,心臓,脳,腎臓における冬眠動物の内因性耐性機構を紐解き,Qニューロン誘導性冬眠様状態(QIH)を用いた近年の研究動向を紹介する.心筋の電気生理学的安定化,脳損傷後の神経炎症抑制や可塑的なタウリン酸化,さらに正常体温下での急性腎障害(AKI)の軽減など,低代謝がもたらす具体的な臓器保護効果を紹介する.人工冬眠研究は,病態進行を遅らせて回復の時間を稼ぐ次世代の医療応用へと確実に進展している.

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