Japanese
English
第1土曜特集 免疫セネセンスと自己免疫疾患
造血幹細胞と免疫老化
Hematopoietic stem cells and immunosenescence
横溝 貴子
1
,
岩間 厚志
1
Takako YOKOMIZO
1
,
Atsushi IWAMA
1
1東京大学医科学研究所幹細胞治療研究センター幹細胞分子医学分野
キーワード:
造血幹細胞
,
免疫老化
,
炎症老化
Keyword:
造血幹細胞
,
免疫老化
,
炎症老化
pp.907-912
発行日 2026年6月6日
Published Date 2026/6/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu297100907
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- 参考文献 Reference
老化とは,加齢に伴い心身の機能が徐々に低下していく現象であり,がんや心血管疾患など主要な疾患の重要なリスク因子とされる.加齢は造血システムにも多様な変化をもたらし,造血機能や免疫機能の低下を通じて,高齢者における感染リスクの増加,ワクチンへの応答不良,貧血などの原因になるとともに,造血器腫瘍や自己免疫疾患の発症リスクの上昇に関与する.このような加齢に伴う造血システムの異常は,造血幹細胞の特性の変化と密接に関連している.造血幹細胞の加齢変化は,造血幹細胞自身の変化による内的要因に加え,骨髄ニッチをはじめとする微小環境の加齢変化による外的要因の双方により引き起こされる.加齢造血幹細胞は骨髄球・血小板系への分化偏向とともにリンパ球産性能の低下を示し,その結果,適応免疫の多様性の減少や炎症性骨髄球系細胞の増加など,免疫老化の一因となる.近年,造血幹細胞の機能回復を目指した若返り戦略が免疫機能改善につながる可能性が示されており,今後のヒトへの応用が期待される.

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