Japanese
English
症例報告
ラピフォートⓇワイプによる再発性一過性片眼性薬理学的散瞳の1例
中畑 紅里
1
,
西 晃佑
1
,
岩西 宏樹
1
,
住岡 孝吉
1
,
雑賀 司珠也
1
1和歌山県立医科大学眼科学講座
キーワード:
グリコピロニウムトシル酸塩水和物
,
一過性片眼性散瞳
,
外用抗コリン薬
Keyword:
グリコピロニウムトシル酸塩水和物
,
一過性片眼性散瞳
,
外用抗コリン薬
pp.825-829
発行日 2026年9月5日
Published Date 2026/9/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004791
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- 参考文献 Reference
原発性腋窩多汗症治療薬であるグリコピロニウムトシル酸塩水和物(ラピフォートⓇワイプ)使用中に再発性一過性片眼性散瞳をきたした1例を経験したので報告する。患者は16歳女性。X−5日,誘因なく右羞明を自覚し近医眼科を受診した。右瞳孔径は10mmと著明に散大していたが,翌日より自然軽快した。X日に精査のため当院紹介となったが,受診時には瞳孔不同は消失していた。対光反射,眼瞼下垂,眼位,眼球運動に異常なく,前眼部・眼底所見にも異常が認められなかったため経過観察とした。X+7日,再度右羞明を主訴に再診した。右瞳孔径は10mm,左4mmであり,右対光反射は微弱であったが,眼球運動障害や眼瞼下垂はみられなかった。内頸動脈-後交通動脈分岐部の脳動脈瘤による圧迫性動眼神経障害を疑い,緊急頭部MRIを施行したが,異常所見は認めなかった。再度問診すると,原発性腋窩多汗症に対してラピフォートⓇワイプを使用していたことが判明した。薬理学的散瞳を疑い使用中止を指示したところ,X+10日には瞳孔不同は改善し,再発もみられなかった。以上より,本症例は外用抗コリン薬による薬理学的散瞳と診断した。外用抗コリン薬関連薬理学的散瞳は脳動脈瘤による圧迫性動眼神経障害などの重篤な疾患を模倣し得るため,急性瞳孔不同の診療においては外用薬や市販の制汗剤を含めた詳細な薬剤歴聴取が重要である。

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