Japanese
English
経験と考察
骨粗鬆症・骨量減少・正常の3群における血清亜鉛値と骨密度の関連
Association between serum zinc levels and bone mineral density among osteoporosis, osteopenia, and normal groups
畑中 渉
1
W. Hatanaka
1
1札幌中央病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Sapporo Central Hospital, Sapporo
キーワード:
zinc
,
osteoporosis
,
BMD
,
nutrition
Keyword:
zinc
,
osteoporosis
,
BMD
,
nutrition
pp.1007-1009
発行日 2026年9月1日
Published Date 2026/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei77_1007
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は じ め に
骨粗鬆症は骨量低下と骨質劣化により骨折リスクが増大する全身性骨格疾患である.骨折予防の観点から,骨密度のみならず骨代謝に関与する栄養学的・代謝学的因子の評価が重要である.亜鉛は体内の多くの酵素や転写因子に関与し,骨組織ではコラーゲン合成,石灰化,骨芽細胞分化,破骨細胞抑制に寄与する1).特にrunt-related transcription factor 2(Runx2)の活性化,receptor activator of nuclear factor-κB ligand(RANKL)/receptor activator of nuclear factor-κB(RANK)/osteoprotegerin(OPG)経路の調節,骨吸収抑制作用が報告されており,骨吸収抑制作用を介して骨恒常性維持に重要な役割を担うとされている2,3).
ヒト研究では,血中亜鉛濃度の低下が低骨密度と関連する可能性が示されている一方,結果は一貫せず,栄養状態や炎症,腎機能,アルブミンなどの交絡の影響も大きいと報告されている.さらに,近年の前向き研究では,血清亜鉛低値が閉経後女性の骨折リスク上昇と関連したと報告されている4).
本研究では,実臨床データを用いて,骨粗鬆症・骨量減少・正常の3群間で血清亜鉛値を比較し,亜鉛が骨粗鬆症と独立して関連するかを検討した.本研究の特徴は,わが国の実臨床データを用いて多項目の交絡因子を調整し,亜鉛と骨粗鬆症の独立した関連を検証した点にある.

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