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はじめに
がん薬物療法は適用患者の拡大や,治療レジメンの増数,治療期間の延長などによって需要は高くなっている.長期間治療を受けている患者のなかには数種類のレジメンを受けている場合や,1レジメンを数年単位で実施している場合もある.そのため,慢性的に出現する副作用の管理や複数回の血管穿刺による投与経路の変更など新たな問題も発生している.現在では,がん薬物療法薬の剤型も増え,静脈内注射剤だけでなく,皮下注射剤や経口剤などの製剤も出てきている.これらの剤型には利点と欠点があり,どの剤型を選択するかは治療効果だけでなく,患者の希望やアドヒアランス,出現する副作用症状の状況なども加味して決定している.しかしながら,現時点でも静脈投与のレジメンがもっとも多く,外来化学療法室あるいは短期入院で治療されるケースが多い.
がん薬物療法による治療が長期間に及ぶあるいは栄養状態がわるい,末梢血管の脆弱化,自宅での管理がむずかしいといった患者では,投与経路の選択が重要で,どの血管アクセスデバイス(vascular access device:VAD)を使用するかなど,日々カンファレンスをしながら決定している施設が多い.とくに,末梢静脈の穿刺が困難な患者に対しては投与経路の変更を考慮する必要があるが,中心静脈投与へ変更する場合には患者側の問題(感染症,血栓などのリスク)に加えて,穿刺する側の問題(外科がない,特定行為研修を終えた看護師がいないなど)もあり,患者にとって最適な投与経路変更が思うように進んでいない.
そんななか,ここ数年でよく耳にするようになったのがミッドラインカテーテルである.欧米ではすでに投与選択の一つとして認知が広がっているが,日本ではまだ十分な理解と活用にいたっていない.そこで,本稿ではがん薬物療法におけるミッドラインカテーテルの有効性と課題について述べたい.また,実際にミッドラインカテーテルを導入した施設の情報を提供する.

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